さなぎ達のスタッフや理事、ボランティアってどんなことをやっているの?
活動を通して嬉しかったことは何ですか?
どのような想いを持ってるの? 等々
視察会や取材時に、そのような質問を受けることが多くあります。
また最近では、NPOに参加したいという方が増えているように感じます。
今回、短期NPOインターン生 山田洋平君(関東学院大学1年生)に、理事 櫻井武麿(初代理事長、さなぎの家責任者)にインタビューを行ってもらいました。
山田君は炎天下の中、さなぎの家やさなぎの食堂、緑化活動や地域清掃、炊き出し等、様々な活動に参加してもらいました。
【写真:炎天下の中で皆で草むしり(2012年8月)】
実際、NPOスタッフや理事、ボランティアがどのような業務や想いを持って行っているか、インタビュー形式でこのブログで紹介していきたいと思います。
不定期になりますが、どうぞご覧ください。
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【写真:理事 櫻井武麿】
山田洋平(以下、山):どうぞよろしくお願いします。
櫻井武麿(以下、櫻):よろしくお願いします。
山:まず、軽く自己紹介をお願いします。
櫻:宮城県出身で、関東へは大学入学時の上京以来住んでいます。
大学は、キャンパス新設の影響で、1年の時は東京都、2年の時は神奈川県、3年以降は静岡県に住んでいました。
ヨットサークルに加入していて、活動場所が久里浜だったため、昔から神奈川県東岸部にはよく来ていました。
専攻が海洋生物学で、魚や海が好きです。
仕事は一般企業で海苔の研究をしていて、大学の勉強を生かすことができました。
趣味は、自分のライフワークです。さなぎ達での活動が私の喜びにつながります。
休日は自宅近くを自転車で散策したり、海に行ったりしています。
自宅では、昔から大切に使っているブラウン管テレビで、ケーブルテレビでやっているドキュメンタリー等を見て過ごしています。
山:ありがとうございます。
では、さなぎ達について教えてください。どのような経緯で設立されたのでしょうか?
櫻:NPOとしての設立は2001年ですが、それ以前に有志による寿町の「木曜パトロール」の活動から始まりました。
「木曜パトロール」は、1983年におこった中学生による路上生活者襲撃事件がきっかけとなり、路上生活者の実態を知ろうと始まったものです。
そのあとは、路上生活者方の依頼で、自由に使える空間の提供としてさなぎの家が始まりました。
【写真:みんなで緑化活動(2004年9月)】
山:いま行なっている活動には何がありますか?
櫻:さなぎの家での憩いの場提供・生活相談などのヘルパー的活動のほかにも、さなぎの食堂や寝たきり・要介護や病気の人の見守りや看取りをする寿見守りボランティア、その他イベント参加などを行っています。
山:さなぎ達にかかわっている方はどのくらいいますか?
櫻:どこまでがボーダーラインなのかが曖昧なので正確に答えることはできません。
正職員は、家・食堂・事務所にそれぞれ2人ずついます。
また、定期定期に来てくれるボランティアの方がそれぞれ5・10・4人います。
そのたちに、学生などさまざまな方が不定期的にかかわってくださいます。
山:櫻井さんのさなぎの家での一日の流れを教えてください。
櫻:8時半ごろに出勤してきて、その日の天気や気温、曜日などを考えどのような方がくるかを予想して、備品の準備や掃除などをします。
そのあと、さなぎの家は9時から17時までオープンして、その時に来た利用者さんの要望に対して臨機応変に対応しています。
17時以降は、翌日に配布する衣類などの準備をして1日を終えます。
山:さなぎの家で働いていて大変なことは何ですか?
櫻:多くの方がNPOにかかわっていますが、その方々それぞれが最も良い活動ができる場を提供することが困難なことです。
また、人間は関係動物なので、感情のこもった付き合い方をしていかなくてはなりません。
例えるならば、とても貧しく苦しい生活を送っている人に対して、現金を上げるのと親身に話を聞いてあげるのとでは後者のほうが断然価値があります。
そのため利用者を理解し、そのうえで要求に対し答えていくのですが、単純ではなく一人ひとりおかれている状況は異なるので大変難しいです。
山:逆に、さなぎの家で働いていてうれしかったことは何ですか?
櫻:利用者さんに、ここにきて助かったよ!と言われることが何よりうれしいし生きがいになります。
山:では、今のさなぎ達の課題を挙げるならば何がありますか?
櫻:時代とともに変化し、多様化するニーズに対してどのように対応していくかが課題です。
例えば、路上生活者の高齢化に対する問題や、不景気による若者の路上生活者増加問題などがそれに当たります。
山:では最後に、櫻井さんが考える「幸せ」とは何でしょうか?
櫻:自分にとって満足できること、生きててよかったと思えることだと思います。
山:私は他人との時間共有だと思います。
櫻:もちろんそのようなものもあると思います。
幸せは人によって違い、時代によっても変わるものなので、これと決めることは私の幸せに対してもできないと思います。
山:わかりました。
どうもありがとうございました。
櫻:こちらこそありがとうございました。