自分サイズでやるか、
どちらがラクで楽しいだ
ろう。
コムデギャルソンの
川久保玲は、大きなキャリー
バックに作った洋服を入れ
売り歩いた。
”言いたいことは全部、洋服
の中にある”
”本当は私だってそんなに強く
ないですよ。ただ、強気のふり
も時に必要。どうしよう、と
しょんぼりしているだけでは
何も変わらない。”
会社勤め最後の日。
机の中を一切整理したあと、
型どおりに書類を提出し、
型どおりに花束をもらい、
型どおりの挨拶をして
夕焼けの街に出掛けた。
いつものカウンターバーは
開店したばかりで、私が
その日の最初の客だった。
マスターは、ビールを2杯
入れると、これは私からの
奢りですと言って乾杯した。
短いような、でも長かった
ようなこれまでの時間を
一気に飲み干して、ジョッ
キを置く。
次の一杯は、これからの、
きっと長いかもしれない
日々に乾杯することに決めた。
マティーニを注文して、私
は持ってきた花束をマスター
にプレゼントした。
会社帰りの夕陽は今日が最後
だが、太陽はこれから何度も
街を赤く染めることだろう。
フツーの生活は、
たくさんのフツーのコトバ
たちで
できている。
たとえば、誰かと、
何かおいしいものを食べた
とき、グルメレポーターみ
たいな
ひねったコトバは必要ない。
おいしいから、「おいしいよ」。
フツーのコトバがいちばん伝わる。
:モテる女性たちを見てい
ると、
場を盛り上げるおしゃべり
上手な方はもちろん多いで
すが、物静かな女性もやはり
一定の人気を集めているよう
に感じます。
すばり、「ひとこと少ない人」。
何を考えているのか気になる
ミステリアスさ。
行間で語る奥深さ。そんな
女性は、同性の目にも魅力的
に映るものです。
フライパンにバターをうすく
流します。
愛の殻を割って、白身と黄身
をこわしたり混じりあったり
しないように落とします。
小さじ一杯の塩をふりかける前に、
ためいきをそっと一つ。
好きな人の名前をよんでください。
素早く愛は焼きあがります。
かたちをこわさないで食べるのが、
愛の上手な食べ方の秘訣です。
※写真 キルフェボン青山店