「絶対的な愛って、存在すると思う?」
と、彼女はわたしに問う。
彼女は二十五歳のOL。
二十代はわたしにとって、まだ、
「女の子」の年代。三十代には
「女」になり、
四十代には「女の人」になり、五十
代になってやっと「女性」になる。
六十代からは再び女の子に戻る。
それがわたしの理想の女性像。
わたしたちは今、外苑前の駅近く
にある隠れ家てきラウンジバー
「北青山サロン」にいる。
カウンター席に並んで腰掛けて、
彼女は「フレンチキス」を、わた
しは「ミモザ」を飲んでいる。
どちらもシャンパンをベースに
したフルーティなカクテル。
どちらもシャンパンをベースに
したフルーティなカクテル。
フレンチキスはラズベリー色。
ミモザはオレンジ色。わたした
ちは、女の子と女。
「ときどき、わからなくなるの」
と、女の子は長いまつ毛を伏せる。
「すごく不安なの。彼のこと、好き
になればなるほど、心が不安定にな
っていくの。会いたくてたまらなく
て、会えば嬉しくて、でも彼と別れ
た途端、足もとの椅子をさっと
外されたような気持ちになって・・
・・・・」
まさに、「恋に落ちた」ってことね。
やられちゃったね、まんまと。
「これが恋だとすると、愛はどこに
あるの?私が求めているのは完璧な
愛なの。
絶対的で完全な愛が、私は欲しいの」
真剣なまなざし。思い詰めたような
瞳。いつかどこかで目にしたような。
懐かしいような切ないような。
真冬に思い出す、春の陽射しのよ
うな。
ミモザをひとくち含んで、女はこう
思う。欲しいと思うのであれば、
まず「欲しい」と思うことをやめ
なくては。
人は何かを欲しがっている限り、
それを手にいれることはできな
いのだから。
「食事をするときに、イタダキマス
というのは食べるものの生命をいた
だいて、私の生命にさせてイタダキ
マス。
そういう意味なんです」
「生命はけずるなよ、
けずるなら時間をけずれ!」
嘘【うそ】
「嘘をつくなら、つき通さなきゃ
ダメだ。嘘をつき通すことで
真実になるんだから」
※
「嘘でいいからさ、
ホントのことをいって!」
※
「人には嘘をつけます。
でも自分に嘘をつくのは・・・」
運命【うんめい】
「運命っていうけどさ、
運と命は違うものです。
命は決められたものです。
運は自分で決めることができます」
人間はみんな心の奥底はとても
弱くていい人だから
そんなに弱くていい人の心だけで
すべてのことに接すると
物事のすすみぐあいが悪いので
いじわるでこわい人のおめんと
つめたくて自分勝手な人の服と
やきもちでわがままな人の靴と
気まぐれでけちんぼな人の帽子と
うわさ好きでウソつきのカバンを
もって
もっといろいろな そう うっかり
気にいられないためのたくさんの
種類のバッジをいっぱいつけて
生きている
ああ だからね
だれからも好かれないようにと気
くばる必要のない所では
心から愛してうちとけた
恋人の前とかでは
空になったグラスを手に、あなたは
ベットから抜け出して、裸足でキッ
チンへと向かう。溶けかかっている
氷の山にウオッカをつぎ注ぎ足した
あと、思いついて、生クリームを
少しだけ、加えてみる。
「意外だと思われるかもしれませ
んが、ウオッカみたいな強いお酒
と生クリームって、相性がいいん
ですよ。美女が生クリーム、野獣
がウオッカでしょうか」
いつだったか、どこかのバーで
飲んでいた時、若くてハンザム
なバーテンダーが、
「試作品ですが、よろしければ
どうぞ」
と、差し出してくれたカクテル。
名前は忘れてしまったけれど。
ひと口含んで、舌の上で転がす
ようにして味わいながら、あなた
はその場面を思い出す。
そうだった。私はあの夜、学生
時代の友人、純子と一緒に飲ん
でいた。どこから、そういう
話しになったのか、前後のいき
さつは覚えていないけれど、
私たちはふたりで「不倫談義」
に花を咲かせていた。
「不倫なんて、絶対にいやよ。
断じて許せない。不倫している
人とは友だちでいたくないし、
できれば仕事も一緒にしたくな
いわね。だって、なんだか心の
底からその人を信頼できない気
がするもの。それに、誰かを裏
切ることでしか手にできない恋
なんて、悲し過ぎる」
鼻息も荒くまくし立てた私に、
アメリカから一時帰国した女
はふんわりとベールをかぶせる
ように言った。
「そうね、私もそう思う。悲しい
恋は、できればしたくないなって。
でも、そうは思っていても、思って
いるからこそ、人は時々、思ってい
ることとは正反対のことをして
しまうこともあるものよ。
あなただって、いつか・・・・・」
私は女の言葉を明るく笑い
飛ばして、そのつづきを遮った。
「馬鹿なこと、言わないでよ。そん
なこと、私には金輪際、ありえない
わ。あるわけないじゃないの」
そう言って、会話の糸をそこで
断ち切ってしまった。
けれども今、あなたは痛いほど、
認めている。友だちが言っていた
ことは、正しかった。
もしかしたら彼女にもそんな経験
があったのだろうか。
好きになってはいけないと
思っているからこそ、好きに
なってしまう。まるで自分の
人生からしっぺ返しを受けて
いるような、
あるいは、ふいに自分の人生
が宙吊りになってしまったよ
うな状態に、もしかしたら
あの頃、陥っていたのだろうか。
彼女も、今の私と同じように。
声が聞きたいと、あなたは思った。
切実に、彼女と話しがしたい、
今こそあのつづきについて、語り
合いたい、と。
アメリカ東海岸は今、何時なの
だろう。思いながら、あなたは
グラスに残っていたお酒を飲み
干した。
あなたにもらった
ウイスキーのおかげで、
僕は昨夜、少年時代に
帰りました。
あなたにもらった
ウイスキーのおかげで、
僕は昨夜、初恋時代を
旅しました。
ウイスキーをグラスに
注ぐと、会いたい人や、
なつかしい時間や、
どこかに置き忘れていた
想い出が、僕の前に次々
に現れ、「お元気ですか」
と、話しかけて行きます。
すてきな休みをありがとう。
飛行機にも列車にも乗ら
ないけれど、僕の心は
すっかり陽灼けしています。
YouTube
トムクルーズ コラテラルの好きなシーン Collateral favorite scene.
https://www.youtube.com/watch?v=5xEFepxc_gc
恋人にフラレたとか、友
だちに裏切られたとか・・・。
そんなときにも自分をシ
ナリオの中のひとりに
置き換えるのはありだと
思います。
基本的にハッピーエンド
を目指す。
旅(恋)に出たらその旅先
で誰かと出逢うかもしれな
い。
あるいは、会社の行き帰り
の電車の中で偶然、幼なじ
みに出会うとか・・・。
実現できそうかそうでない
かは関係なく、ハッピー
エンドに向けてどんどん
ストーリーを作っていく。
それで少しでも前向きにな
れていたらラッキーだと
思います。
かなわなかった恋ほど、あ
とをひくのはなぜだろう。
わたしは蓮(れん)が好き
だった。
黒く濃くて長い、蓮のまつ
毛が好きだった。
そのまつ毛の下の、一見
意地悪そうな視線が、好き
だった。
細かい文字を読もうとする
ときの、ほんの少しだけ目
を細める癖や、頬杖をつい
て考え事をしている時の
どこか無防備な仕草が好き
だった。ほんの少しだけ湿
った、あたたかい手のひら
が好きだった。
骨張った両腕。その腕が私
の腰をしっかりと支え、み
じんの不安を感じさせない
で、軽々と、私の躰を抱き
上げる瞬間が、好きだった。
〇宇宙食
味オンチの新妻が、栄養価計算に
基づいて作った料理を、ふなれな
夫がけなげにほめる言葉。
〇愛妻弁当
男は一歩外へ出ると七人の〇〇が
いるので、イロっぽい女子社員
撃退用特大「売約済み」バッジ。
〇フランス語のメニューとワイン
選び
「統計と確率」の実験試料。
勘が頼り、ワインの価格とその夜
の期待値は比例する。
〇ドックフード
スーパーマーケットで、超特価の
ビスケットをつかんだ途端に、
近所のおしゃべり奥さんと目が
合った場合、あざやかに言い放つ
言葉。
〇おじやと雑炊の違い
冬の夜、古女房が作ってくれるの
が、おじや。夏の夜、クーラーか
けて彼女が作ってくれるのが、雑炊。
「人を見た目で判断す
るな」と言いますが、
やっぱり最初は見た目
で判断してしまうもの。
相手に不快感を与えぬ
ように、清潔感は保ち
たいおのです。
人生は一冊の書物に似ている 。
一般の人は、それをペラペラとめっく
ていくが、
賢人は念入りにそれを読む。
何故なら、
彼らはただ一度しか
それを読むことができない
時間の大切さを知っている
から。
人と人の出逢いはミステリア
スだ。人智では計れない。
あの時、あの人に出逢わなけれ
ば、今の自分は居ないだろう、
と思うことの連続である。
また別れも同じで、ある日突然、
目の前から消える人がいる。
死という形で消滅するケースは
もちろん、それまでの蜜月が嘘
のように、お互いに気が合わなく
なることもある。
とくに何かあったわけでもない
のにいつのまにか疎遠になり、
縁が切れる人もいる。
あるとき、帝釈天が年をとった
老人に姿を変えて、うさぎと
サルとキツネに食を求めた。
サルとキツネはすぐに
木の実や魚を差し出した
が、うさぎはすぐには何も
用意できず、それを
愧(は)じて、自分のカラダを
焼いて食べさせようとした。
帝釈天はこのウサギをあわ
れんで、もとの姿にもどし
月に住まわせることした。
月の表面にもやのように
見えるのは、このウサギが
火に焼けたときの煙です。
古来、うさぎは聖獣として
扱われてきました。
(実際の兎さんは エッチ好
きですが・・・・
だから アメリカの雑誌
プレイボーのキャラクター
は うさぎさんです)
話しを戻し
月の中に兎を見る人は
心正しい人、心やさしい
人といわれてきました
本題です
恋愛相手は常に、
”許せる思想”内にいなければ
なりません。
月は見る人によってさまざまな
生きものに見えるように、表面を
顕しているという考え方も
あります。
恋愛が成就するのに
月が何に見えるかですが
似たものを選んだふたりは
幸せになれると
言います。
あなたに幸あれ
YouTbe
Léon: The Professional/Sting - Shape of my heart.
https://www.youtube.com/watch?v=STdoNm_bisE
もうじゅうぶん過ぎるほど
酔ってはいるが、シャワー
のあとのビールというのは、
格別だ。
思わず「ぶはーっ」と、自分
の部屋にいるときと同じよう
に、声を出してしまう。
ベットの足元のほうに、小さ
なマガジンラックがあった。
見覚えのある表紙が目に入る。
若い女性に人気のある女優が、
チューリップの花束を抱えて、
笑っている。焼き肉屋の帰り
に寄ったコンビニで、私が見
せた雑誌だ。
あの時立ち読みというか、名
前を見せただけだったから、
後日また買いに行ったのだろう
か。二十代の男の子には、ほと
んど読むところなどないだろう
に。
さて、これから、どうしよう。
このままビールを飲んで待って
いたら、たぶん二人は、どうで
もいようなことを、えんえんと
話つづけるような気がする。
しかし、それは避けたい。私は、
眠い。疲れている。
とりあえず、先にベットにもぐり
こんで、横になってしまおう。
で、それからの後のことは
彼にまかせる。
なんかしたいんなら、すれば
いいし、疲れていて眠りたいん
っだら、それはそれでいいや・・
・・・と、思っているうちに、
すっかり眠ってしまったらしい。
喉の渇きを覚えて目を覚ますと、
部屋の灯りは消えて、枕元の
小さなランプだけが、灯って
いる。
“文庫本を開いて缶のまま
飲むビール
一人暮らしは旅にも似るか“
朝はやってくる。
無邪気な希望のその先にも、
果てのない絶望の先にも、
喜びに満たされた夜のあと
にも、
悲しみに覆い尽くされ、
もう明けないのではないか
と思えるような長い夜
のあとにも、朝は訪れる。
どんな人のもとにも平等に、
静かに。優しく、冷たく。
YouTube
JUJU シングル・アゲイン 竹内まりや
https:/
誰かを好きになるということ
は、新しい自分を発見する
こと。
人を好きになると、驚くこと
だらけだと思う。
相手に対して新しい面を発見する
だけではなく、今まで知らなかった
自分と出会っていく驚きだ。
相手とつき合っていく中で、結局、
相手というのは自分の鏡になって
いく。
人生のあらゆることが、結局、自分を
見つけていくプロセス。
なぜ好きになったかとうことは、
本当はどうでもいい。
好きになって、何を発見したかという
ことのほうが大事。
ぼくの内側にいるもう一人の僕は、
あなただったのかもしれない