NPO法人 三千里鐵道 

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ラジオドキュメンタリー「獄中13年」

2010年03月11日 | NPO三千里鐵道ニュース
平成20年11月、MBS毎日放送が「留学生死刑囚、独裁政権に立ち向かった青春」を副題にしたラジオドキュメンタリーを放送した。在日2世康宗憲氏の祖国留学から現在に至るまでの生活、想いを構成した秀作である。
この作品はABUアジア.太平洋放送連合ドキュメンタリー部門入選作でもある。

康宗憲さんに接した人たちは、何故か皆好きになってしまう。制作に携わった毎日放送の坪井さんもその一人。是非多くの人に聞かせたい、とお願いしたら、後日CDをコピーして事務所に送ってくれた。

このCDは非売品、康宗憲氏をもっと知りたい方はご一報下さい。着払いで郵送します。

「韓国併合100年」-現在の課題を考える/康宗憲

2010年03月11日 | NPO三千里鐵道ニュース
「100年と向き合う日本の良心をつくろう」をスローガンに、去る3月6日に東海行動立ち上げ集会が開かれた。
以下、当日康宗憲氏の講演内容の骨子を掲載する。

100年に向き合う日本の良心に向けた、康宗憲氏の渾身の問題提起に、ぼくも身震いするほどの感動を覚えた。全文紹介したいのだが、当日のレジュメだけを載せる。この行間に込められた講師の想いを想像しながら、東海行動に参加しよう!

CD「獄中13年」と併せて読まれると、より真意に近づける。とくに講演の締めくくりの部分で講師は、聴衆に熱く語りかける。namsang


東海行動たちあげ集会                                 2010.3.6  康 宗 憲      

「韓国併合100年」-現在の課題を考える
   
はじめに
 ・安重根はなぜ伊藤博文を射殺したのか?
  抵抗の精神と「東洋平和論」
・朝鮮学校を「高校無償化」から排除する心理と策動
  朝鮮民族への蔑視と差別意識⇒「征韓論」と「嫌韓流」、日本政府の一貫した北朝鮮敵視政策。

日本政府が主張する「併合」条約の合法性
 ・ハーバード大学法学部国際法研究(1935年)=1905年「第2次日韓協約」は強制による無効の事例
 ・1910年「併合」条約は韓国皇帝(純宗)の裁可を経ていない
 ・形式的な合法性にしがみつく愚かさ⇒有効で合法的な条約なら、なぜ謝罪するのか?
 ・歴史をどう認識するのか、直視する姿勢と過ちを克服する意志が課題(歴史への認識と態度)
 
日本の戦争と平和
 ・戦争責任⇒東京裁判で断罪された戦争は、いつの戦争か? 戦後日本は、どの戦争に責任を持つのか?
   満州事変(1931年)以降の15年戦争、特に対米戦争(太平洋戦争)に焦点を当てる傾向
   台湾・朝鮮への植民地支配と中国・アジアへの侵略戦争を関連させる歴史認識の欠如
 ・植民地責任⇒東京裁判は朝鮮総督府の罪を問わなかった
   戦後の日本社会=植民地支配の責任意識は極めて希薄⇒政治家の妄言、戦後補償への冷淡と無関心
 ・日本は平和主義の国か?
   帝国責任を認識しない平和憲法体制⇒憲法9条と同時に、歴史教育の内容で平和主義は検証される

日韓国交正常化(日韓条約)の教訓
 ・過去清算の意志なき正常化、植民地支配の延長線上における正常化
   日本は植民地支配を正当化する論理⇒植民地近代化論、賠償ではなく請求権の相互放棄
 

・アメリカの冷戦政策による圧力⇒両国民の自発的な支持、賛同が欠如
  国交正常化は政府間の修交であると同時に、市民レベルでの和解が前提
  韓国軍(アジアにおける反共最前線部隊)のベトナム参戦と住民虐殺

朝鮮半島の平和体制と日朝国交正常化
 ・冷戦構造の解体に向かう東北アジア
6ヶ国協議の意義と課題=「北朝鮮の核放棄」ではなく「朝鮮半島の非核平和」が目標
 ・なぜ日朝修交が必要なのか?『日朝ピョンヤン宣言』のメッセージは何か?
   前文の共通認識と精神=「過去を清算し、懸案事項を解決し…地域の平和と安定に大きく寄与する」
 ・日本政府は制裁外交からの政策転換を決断すべき
   「核・ミサイル・拉致」の包括交渉⇔「根本問題と懸案問題」の包括交渉
   「拉致問題の解決が国交交渉の前提」⇒「拉致問題を解決するために、国交正常化を推進」
 ・朝鮮戦争の平和協定と日本
   日本にとって、「北朝鮮の脅威」が除去される意味をもつ
   非核三原則と「核の傘」の矛盾⇒「唯一の被爆国家」日本の非核意志が説得力を持たない理由

おわりに
 ・「草の根植民地主義」の克服に向けて
   3.1独立運動当時の朝鮮半島人口比=朝鮮人:1700万人、日本人:34万人(2%)
*日本人が所有した銃器=2万4千丁:4世帯当り1丁⇒3.1独立運動の示威鎮圧に加担
   吉田松陰の征韓論・制亜論と吉田茂首相の朝鮮人観(1949年8月、マッカーサー宛書簡)
・日韓「併合」条約と日米安保条約のキー・ワード=「譲与」と「許予」
 ・北朝鮮の脅威と在日米軍基地-在日朝鮮人から見た普天間基地の移設問題-
   外国軍が駐屯する意味は?米軍は日本の安全を保障するか?強力な軍隊は国民の生命を守るか?
   *米軍の駐留目的=日本の軍事大国化阻止:49%、米国の世界戦略:34%、日本の防衛:12%
   民主党への政権交代⇒日本が脱冷戦に向かう契機。北朝鮮の脅威を除去する道⇒日朝の国交正常化