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エジプトーなぜ、エルバラダイを支持したのだろう?

2011年02月12日 | 管理人のつぶやき
写真ー11日、エジプトのカイロタハリル広場

★昨日、ムバラク辞任のニュースが世界を駆け巡った。お陰でエジプト、中東情勢について関心が高まり、多くを知ることができた。
統一ニュースに、アメリカからいつも貴重な情報を発信するハン氏の連載記事が載った。原文をご覧になれば、目からうろこであろうが、あまりにも膨大なので、例によってエキスの部分だけ訳してみた。namsang


なぜ、エルバラダイを支持したのだろう?

2011年02月07日(月)tongil@tongilnews.com


ハン・ホソク(統一学研究所所長)


エジプト政権退陣闘争を注目しなければならない理由

今世界の耳目はエジプトに広がっている政権退陣闘争に集中している。
ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領退陣を要求する激烈な闘争は、数多くの死傷者を出しながらも続いている。
南側読者らには、ナイル川とスエズ運河、ピラミッドとスフィンクス以外にほとんど知らされなかったエジプト…。韓半島から遠く離れたアフリカ北東にあるエジプトで、今進行している政権退陣闘争を、南側読者が注目しなければならない理由は二つ。


○一つ目は、2008年4月に展開した‘イ・ミョンバク大統領弾劾要求1,000万人オンライン署名運動’と5月にあった‘米国産牛肉輸入反対ロウソク文化祭’が自然発生的大衆抵抗運動として急速に拡大しながら、イ・ミョンバク大統領の退陣要求として噴出したが、 群衆ろうそく集会は自然発生的大衆抵抗運動の限界を跳び越えることができず衰えた。
親米独裁政権に対する大衆的抵抗という点でムバラク政権退陣闘争とイ・ミョンバク政権退陣闘争は無関係ではない。
反イ・ミョンバク群衆ろうそく集会から3年になったが、反イ・ミョンバク連合戦線の‘火種’が残っている今日、エジプトの政権退陣闘争が南側政治情勢にあたえる意味は大きい。

○二番目、北側対米国-南側同盟の対決構図の中で展開する韓半島情勢は、アラブ民衆対米国-イスラエル同盟の対決構図の中で展開する中東情勢と密接に関連しているからだ。
エジプトで政権退陣闘争が勝利し、親米独裁政権が崩れ、反米-反イスラエル イスラム主義政権が登場すれば、1979年3月26日ワシントンで締結したエジプト-イスラエル平和協定無効になる。
エジプト-イスラエル平和協定が無効化されれば、中東のチンピラ国家イスラエルは東側のエジプト、西側のイラン、北側のシリアとヒスボラ、そしてパレスチナのハマスから完全に包囲されることになる。そして中東での戦争危機はさらに高まる
これは、ホワイトハウス国家安保会議にとって最悪のシナリオだ。

万一、中東で戦争危機が高まれば、ホワイトハウス国家安保会議は四面楚歌に陥り、イスラエルを軍事的に支援するために空母を地中海に増強配置するだろう。
エジプトに出現する反米-反イスラエル イスラム主義政権がエジプト-イスラエル平和協定を無効にし、中東の戦争危機が高まる時、韓半島と中東の二地域で一挙に戦争危機が高まる。
この‘安保危険’を避けるため、ホワイトハウス国家安保会議は、北側の韓半島平和会談開催要求にやむを得ず応じざるを得なくなるだろう。


…エジプトの現代史要約、エルバラダイIAEA元事務局長(基本的には親米)を大統領単一候補として、野党連合を成し遂げたムスリム同胞団の戦略等を説く(略)

※ここからは韓国と関連

○エジプト野党圏は、2011年9月に実施される大統領選挙を準備するため、反ムバラク全野党陣営連合戦線・‘変化のための全国協議会’を、2010年2月末に結成した。

しかし、韓国の野党圏は2012年12月に実施される歴史上最も重要な大統領選挙を控えていながら、反イ・ミョンバク全野党陣営連合戦線を形成する問題に対して未だ静かだ。
エジプトでは、政治弾圧をくぐり抜け強力な第一野党として登場したムスリム・同胞団が、民主連立政府をたてるための共同執権戦略を推進している。
しかし韓国では、世論調査で5%内外の政党支持率しか得られない進歩政党が、未だ進歩統合の難題を抱えたままだ。

親米独裁政権を倒し民主連立政府を樹立する政権交替の機会が、今回エジプト政治史にただ一度だけ与えられた。
2012年、韓半島の平和体制を樹立する転換期を控え、政権交替の機会もこの地の政治史においても、ただ一度だけ与えられる。



2本の映画ー感想

2011年02月12日 | 管理人のつぶやき
一昨日久々に映画館に足をはこんだ。タイトルは「ソーシャルネットワーク」。チュニジア革命の導火線になったフェイスブックに興味を持って、この映画にした。
物語は2003年ハーバード大学の片隅で速射砲のような早口で言い争っている男女学生、そして部屋に帰った男子学生が自身のブログに彼女の悪口を書きこむ。この風変わりな男子学生が、世界で最年少億万長者記録を打ち立てるまでの出世物語だ。映画として特別な感動があったわけではなかったが、ハーバード大学学生間コミュニティーの手段として発案されたフェイスブックが、全米に広がり世界に広がった。そして長期独裁に苦しむチュニジアの若い露天商の死を映した動画が、またたく間に広がり民衆の怒りに火をつけたのだ。
そして今日、30年続いたムバラク独裁は幕を下ろした。軍が全権を掌握した戒厳令下で、民主化は今後どのように進むのであろう。

2本目は昨日中京テレビで観た「沈まぬ太陽」。御巣鷹山に墜落した日航機事故をテーマにした山崎豊子原作の映画だ。小説を読み、劇場で映画も見た。そして観た昨日のテレビ劇場…。初めて見るような感動が甦った。特に渡辺謙扮する主人公恩地が、アフリカの草原に沈む太陽を見ながら、妻も息子も孫も亡くし4国の札所を巡礼するある遺族に送る手紙は圧巻であった。
…地平線に沈むあの太陽が放つ灼熱の陽光は、全ての命を慈しみ甦らせている。○○さん、旅の終わりに是非アフリカにおいで下さい。

ぼくも昨年、智里山、光州、独島、光州、金大中大統領墓所、そして江華島等を旅しながら「沈まぬ太陽」を見たような気がする。それは、朝鮮半島の平和と統一を願い、前進する人々の群像ではなかったのか。日常の生活の中に息づく不屈の闘志や信念こそ、朝鮮半島の未来を照らし甦らせるであろう、と思ったものだ。
最後の渡辺謙のナレーションが、そんな想いとダブってぼくの胸に迫ってきた。namsang

追伸
「非武装地帯」をライフワークにする写真作家、韓国での「沈まぬ太陽」の一人である李時雨氏が2月27日、名古屋に来る。彼は我々にどんな陽光を放つのであろう。