11.考課基準で品質を高める。
ディズニーランドのダンサーは、年に一回のオーディションを受けさせます。その結果、今まではレギュラーメンバーだったとしても落ちる人がいます。
何故か?「君の踊りには慣れがある」、「慣れから感動は生れない」という理由です。
私どものサロンの、「自己演出力の考課点(1).(2).(3).(4).(5)」の内、合格基準としている(3)の条件は、以下のようになっています。
◎清潔感のある容姿と服装を保っているか。・・・・・・□
◎明るい表情と笑顔で接客が出来ているか。・・・・・・□
◎明るく美しい作法で接客が出来ているか。・・・・・・・□
これが合格基準(3)です。
言わば「お客に良い印象を与える常識のレベル」です。
ことさら、「顧客接点に立つ者の条件」と言うほど難しいものではありません。
つまり、「出来て当たり前のこと」を合格基準(3)としています。
この「考課基準」を厳しく徹底させたのは当時の店長ですが、なかなか出来た店長だったので、その一例を挙げます。
スタッフの一人が、ある夏の朝から少しだけ風邪ぎみでセキが出ていました。店長は朝礼の場で言い渡しました。
「きょうは今から直ぐに寝巻きに着替えて二階の寮で寝ること、分かったですか」。これだけですが、実に的確に指示です。
そして朝礼が終わると素早く様子を見るために二階に上がりました。
間もなく降りてきて、スタッフのAさんに対して、自分の財布を持たせて買い物に行かせました。買い物から帰って来た時は、両手に白いビニール袋いっぱいです。
その中には、従業員全員に1個づつのアイスクリームを入っていました。この「気くばり・心くばり」は、店長に備わった能力と言えます。
このような店長の下で働ける部下は幸せです。私どものサロンが繁盛し続けられた原因は、このような人材に恵まれていたからです。