未来時計工房ブログ

未来は 今創られる

アラームの時刻ズレ

2010年12月08日 | 日記

このブログをご覧になって、「逆回転時計?俺もイッチョ作ってみるかな!」と思われた方もいるかも知れませんが、何点か問題点が見つかっていますので、お伝えしておきます。

1.アラーム仕様の逆回転改造品は、アラーム機能が低下する。

アラームの鳴る数分前に、接点バネのスイッチ動作音(「カチッ」という音)が聞こえますが、実際に導通してアラームが鳴るのは数分後になります。
アラームの鳴る時刻のズレが、正回転に比べて大きくなってしまうようです。

ちなみに「ニトリ」で購入した目覚まし時計を逆回転に改造した場合、構造上の問題により、時針にアラーム針が付き回ってしまい、アラーム機能を取り外さなければならないものもありました。

2.連続秒針の逆回転改造品は、電池交換時に正回転する場合がある。

連続秒針のローターには、逆回転を防止する特殊な歯型形状が採用されています。
それを解除(カナを削る)してやって逆回転を可能にしているため、ローターの静止位置によっては、正回転をしてしまう事があります。

何度か実験してみましたが、およそ7回に1回は正回転してしまうようです。
一度正回転で動き始めると、そのままずっと正回転となり、一旦電池を外してから組み直し、逆回転で動き出すとそのまま逆回転し続けます。

そこまでして、やるか?と思われるかもしれませんが、世の中にある逆回転時計に連続秒針は存在しないはずなんです。
それは、ローターとその次の歯車(正式名称は不明)の2部品、どちらもプラスチック製ですが、これを新規部品として生産しなければならず、販売数量の少ない逆回転時計では、金型の償却ができないと判断されているのでしょう。
逆を言えば、販売数量さえ見込めれば、(1秒運針の逆回転ステーターは有るものとして)、2つの歯車さえ作ればできちゃうんですね。

個人的には、機械式時計で他の時計との差別化を図った高級時計として売り出す方が、可能性は高いのかなあとも思います。
MINASEさんとか、いかがでしょうかね。