先日、南禅寺の山門へ上がってみた。
急勾配を一気に上って行くとぱっと視界が広がった。
遠くには鞍馬山の稜線もくっきり見え、眺めはすばらしい。かの石川五右衛門の名口上も浮かんで来る。
ところが、ふっと山門の足下を覗いたとたん 急にめまいがして前へ進めなくなってしまった。
一方通行なので戻ることも出来ず、もたもたしていると、背後から「あら、おまえも父さんと同じ高所恐怖症だったのかい?」と母が宣う。
そんな自覚は無かったのだが、娘が「この床、斜めっていて怖い」と言ったことばが決定打。足が竦み、壁に張り付いた何かのような格好をし、やっとの思いでぐるりと山門を一周し、なんとも複雑な気持ちで階段を降りた。
ま、これも年のせい、と言うことにしておきます。