松田聖子(53)、早見優(49)ら人気芸能人の命名者として知られ、女性週刊誌などで「名古屋の神様」として注目を集めているのが「霊能者」の沖紘子(ひろこ)氏である。
彼女の評判を耳にして沖氏の門を叩くのは、何と芸能関係者に限らない。沖氏の「力」を頼って、政財界の大物たちまで、密かに彼女の元に通っている。
例えば、ホテルなどを抱える大手鉄道会社の重役は年に数回、沖氏を訪ねてアドバイスを受けているという。そのときは、彼女の言葉を一言も漏らさぬよう、事細かにメモしているそうだ。
ほかにも高級官僚や議員、スポーツ事業を手がける有名実業家、私大経営者など各界の大物たちが沖氏の「信奉者」だという。
彼らの相談内容は新しい取引先との相性や不動産売買の時期、会社や事務所を移転するタイミングなど多岐にわたる。
本誌は沖氏の力で人生が大きく変わったという50代の男性実業家A氏と接触した。男性は情報通信事業を中心とする7つの会社を営んでいる。
「本当に先生にはお世話になっているので……」
言葉を選んで慎重に話すA氏。沖氏に初めて会ったのは25年前のことだという。
「当時、私はある会社のセールスマンで営業成績はいつもトップでした。ヤンチャな若造が調子に乗って独立しようと思い、あるご縁があって沖先生のご自宅にお伺いした。そこで自分で考案した会社名を相談したら、“この名前で行け”とアドバイスをいただけた」
この時、沖氏にかけられた言葉をA氏は今も忘れられないと話す。
「あなたは全国統一するような事業をやるはずだ。そうすれば大成する」
だが、この時は沖氏を信じ切れなかったという。
「当時は名古屋限定でビジネスを始めるつもりだったので、“全国統一”という言葉は正直ピンときませんでした。相談に来たのが無駄だったとさえ思ったほどです」
だが、それから10年後、沖氏の予言は現実となる。
「北海道から沖縄までクライアントが全国に広がるビジネスに参画することになり、年商は一気に7倍になりました。30代の頃は鳴かず飛ばずだったのに、沖先生の言葉通り、全国展開したら道が開けた。そこで初めて、沖先生の慧眼を知った」
成功の足がかりを築いたA氏はさらに事業を拡大していった。この25年間を振り返り、A氏は「沖先生という存在が心の奥にあることが大きい」と何度も繰り返す。
A氏のように沖氏にすがる大物は少なくない。彼らはどうして、彼女を頼るのか。その謎を普段は公の場に姿を現わすことのない沖氏に聞いた。
「本来、人間は皆悩みを抱えているものです。しかし、経営者など社会的な地位が高くなると周囲に相談できる人が少なくなる。彼らは考え抜いた上で私のところに相談に来る。きっと彼らは自分なりの答えをしっかり持っているんです。その“保証”を私にしてほしいのでしょう。彼らには実行力がありますから、私は少しだけアドバイスをすれば十分なんです。
また最近は子供や孫に後を継がせたいから姓名判断してほしいといった依頼も少なくありません」