ビックカメラによるコジマの買収劇で、業界がせわしなくなってきた。ビックの動きはさらなる再編へのうねりを生み出すのか。各陣営の“ガリバー化”は消費者にどんなメリットがあるのか。
「キーワードは『やけくそ買収』です」とは、「『激安』のからくり」(中公新書ラクレ)の著者で「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)でおなじみの流通ジャーナリスト、金子哲雄氏。
ビックはコジマの買収により売上高で業界2位のエディオン(大阪)を上回り、最大手ヤマダ電機(群馬)を追撃する態勢に入った。どうしてそれが「やけくそ」になるのか。
「経営不振のコジマは数年前から業界再編のキャスチングボートを握るとみられてきました。ヤマダ電機かエディオンか、どこが買収するか注目されましたが、コジマには不採算店もあってなかなか手を出せない。そんななか、『ヤマダに獲られるならうちが』とビックがしびれを切らしたと思われます」
気になるのは業界トップのヤマダ、駅前立地の家電カメラ量販店でライバル関係にあるヨドバシカメラの動きだ。金子氏は、両社は「静観の構えでしょう」と分析。大きな業界再編にはつながらないとみている。
「国内の市場はすでに縮小傾向にあります。今後はヤマダ電機の中国進出のようにアジアに出ていくしかありません。国内の態勢を身軽にして海外に出るのが最優先されます。そのため、大型の買収が続くようなことは考えにくいのです」
消費者には、どんな恩恵があるのか。
「不採算店が減るという点で、家の近くにある店が閉まって不便になる可能性はあります。でも、街にはヤマダ電機が1つあれば十分です。消費者には恩恵もないかわり、これといったマイナス面もないでしょう」
コジマは、ビック傘下になることを機に、今後の3年間で40~50店の不採算店舗を閉鎖するという。「やけくそ買収」は早くも業界に影響を与え始めている。
烏賊にワラビが・・・
ふむ、これって別に「やけくそ」で盛り付けてないですよね?