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限定ユニフォーム

2015年09月12日 | 夏ネタ

昨今、球界では「限定ユニフォーム」なるものが大流行。通常のユニフォームとは別に、各球団が趣向を凝らしたユニフォームを着用している。とりわけ、今夏のプロ野球では「黄色」が流行色だった。

●1)福岡ソフトバンク「熱男レボリューションイエロー」
福岡ソフトバンク夏の恒例イベント「鷹の祭典」の肝となるのがテーマカラー。毎年「カチドキレッド」「玄界灘ブルー」「ブイブイグリーン」など、チームカラーとはかけ離れたユニフォームでファンの度肝を抜いてきた。今年の色はチームカラー「レボリューションイエロー」をベースにアレンジを加えた「熱男レボリューションイエロー」。選手だけでなく、ファンもこの限定ユニフォームを着用して球場を黄色に染めた。9月4日(金)から20日(日)のホークス主催7試合では、優勝への最後の後押しとして、この限定ユニフォームを再度着用することが決まっている。

●2)阪神「ウル虎の夏・ウル虎イエローユニフォーム」
阪神も夏恒例のイベント「ウル虎の夏」で、今年は黄色い限定ユニフォームを採用した。球団創設80周年の記念イベント「Yellow Magic プロジェクト」の一環でもあったわけだが、「ユニフォームに黄色い面積が増えた年の阪神は弱い」といった都市伝説もあり、一部ファンの中では懸念もあった。結果的にはそんな都市伝説も払拭し、ここまで優勝争いを演じている。

●3)埼玉西武「西武鉄道イエロー」
埼玉西武は西武鉄道100周年企画の一環で、車両カラーである西武イエローの限定ユニフォームを着用した。たしかに西武鉄道の色は黄色だが、ライオンズといえばブルーというのがファンの間では共通認識。この黄色のユニフォームを着用してのホークス戦もあり、ファンにも混乱が生まれた。今年、西武はこの黄色いユニフォームでなんと5戦全敗。もうお目にかかることはないかもしれない。

ほかにも、DeNAが水色の迷彩柄を採用したり、先日も広島がストライプユニフォームを着用するなど、年々奇抜なデザインも増えている球界の「限定ユニフォーム」。若干「迷走気味?」と思ってしまうこともあるが、球団の“中の人”はどのように考えているのか? 

2004年から「鷹の祭典」を実施し、他球団に先駆けて限定ユニフォームを企画してきた福岡ソフトバンクに話を聞くと、「“チームとファンの一体感”を最も重視し、その年のチームの雰囲気や方針、監督の思い、前年までの戦績やファンの声など、多角的かつ総合的に検討して限定カラーを決めています」(広報企画部・井ノ端雅子さん)という真面目な答えが返ってきた。特にソフトバンクの場合、この色のときは勝率が良かった・悪かったという反響も大きく、「限定ユニフォームだけでなく、球場演出やファンサービスなど、イベント全体で一体感を演出し、チームの勝利に貢献することを意識しています」と、単にユニフォームのデザインだけを考えた取り組みではないことも明かしてくれた。

そんな中、今年、異彩を放っていたのがオリックス。「世界へ誇れるチーム」という意味を込め、世界地図が描かれたデザインを採用したのだ。このユニフォームが発表されると、オリックスファンからも「さすがにやり過ぎでは?」「オリックスが迷走中」という声がSNSを中心に飛び交った。

ところが、球団企画事業部の後藤俊一さんに話を聞くと予想外の答えが返ってきた。

「選手からは『カッコイイじゃないですか!』という反応が多かったです。OBの北川博敏さんも『うらやましい! 俺も着たかった』とおっしゃっていました。オリックスでは毎年夏、『Bs夏の陣』と銘打ち、戦国をイメージした赤を基調とする限定ユニフォームを採用してきました。ただ、毎年同じような色ではマンネリ化してしまいます。そこで昨年は『ストリームブルー』という青いユニフォームを採用。そして今年はもう一歩踏み込み、世界地図を施したユニフォームを採用したのです」

かなり奇抜に見えるこのデザイン。だが、採用にあたって迷いは一切なかったという。

「デザイン案を見たときに『これだ!』という確信めいたものがありました。ですが当初、ファンの皆様から『こりゃないでー!』というご意見をかなり頂戴しまして…ショックでしたね。でも、実際に選手が着ている姿を見てもらうと、『意外といいやん!』という声がSNSを中心に増えていきました。その反応の変化は嬉しかったです」

今年のデザインへの反響から、すでに来年への期待も高まっているという。

「来年のことはまだ考えていませんが、やるからには12球団一カッコイイものにしたい。選手からもファンからも、オリックスはカッコイイ、と思ってもらえる施策を続けていきたいと思います」

このように、球団内部もかなりアツく企画している「限定ユニフォーム」。来季のデザインを今から妄想するのも、ファンとしてはひとつの楽しみなのかもしれない。



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