初週から5週連続となる視聴率20%の大台超えで、10月28日には、番組最高となる23.7%を記録と快進撃が続くNHK連続テレビ小説『あさが来た』。幕末の京都の豪商に生まれたあさ(波瑠・24才)が、大阪の両替屋に嫁いだことから、物語が大きく動き出す。
嫁入りでは一騒動も、二騒動もあったが、なかでも花嫁道具を用意するシーンにはこんな声が上がった。
「色鮮やかな着物を、あんなにたくさん持ってくなんてさすが、京都の豪商!」(46才・保育士)
「あんな桐たんす、素敵ねぇ」(61才・主婦)
「おつきの女中も、嫁入り道具のひとつなんて、スケールが大きすぎる…」(52才・会社員)
あさ同様、祖父母が、京都で、江戸時代から続く豪商という本誌記者Aが振り返る。
「嫁入り道具の総額がいくらかだったかについて祖母が話したことはなかったんですが、とにかく豪華でした。家紋入りの桐たんす、それにかける家紋入りの布、着物、家紋入りの長持、そのなかには新品の布団類、ひな人形一式、お琴の大小一式、おつきの女中、鏡台…。基本的に住む家は花婿側が用意して、そこで使う家具一式は花嫁側が用意するものだったそうです」
儀式作法研究会代表・結納コーディネーターの岩上力さんが言う。
「幕末の、さらに、京都の豪商の嫁入り道具は、正直言って、金銭的なものに換算できないんです。商人の家に代々受け継がれている目録はあるんですが、どういったものが何点あるかまでは書かれていないんです。ちょっとした漆器でも、何十万円もして、それが何百点もあったようですし…。当時のお金で千両、今でいう5000万円は下らなかったと思われます」
ちなみに最近は結納にお金をかける人も少なくなってきたという。結納品専門店『結納屋さん.com』の板崎浩一店長は、「最近は嫁入り道具の目録を書くこともなくなった」と言う。
「結納金でいちばん多いのは100万円。新婦側の“結納返し”は、地域によって千差万別なのですが、関東では通常“半返し”といい、結納金の半分が多いといわれています。しかし“時計”や“カフスボタン”など、男性が身につけられる現物を渡す人も増えていますので、人によりけりですね」