1989年に登場した旧要件ハネモノ「赤兵衛」(西陣)。
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当時の西陣「オール13」ハネモノは、何れも名機揃いだった。この「赤兵衛」もその例にもれず、実に面白い台である。
私がパチに接し始めた1990年の時点で、都内や神奈川での本機導入率はまずまず高かったと記憶する。
しかも、赤兵衛のシマに関しては、どの店も客付がかなり良かったように思う。
ただ、その後は新要件への入替が進み、急速に設置を減らす事になったが・・・。
当時の某パチンコ攻略誌では、コイツを「パチンコ界のカラクリ忍者屋敷」と命名していた。
確かに、右に左に回転するヤクモノは、まさに「カラクリ屋敷」そのものだ。三共の人気機種「ローリングマシン1」とは、かなり趣を異にする、独特の回り方であった。
ヤクモノ中央では、赤装束を纏った忍者キャラ「赤兵衛」が、コミカルな表情でクルクル回る。
BGMの和風な雰囲気も、忍者屋敷のイメージにピッタリであった。
ステージ上には、赤兵衛を串刺しにせんと待ち受ける、3本の「鉄ヤリ」トラップ…これが、大当り中の貯留の役割を果たしていた。
大当り時、貯留玉がVを外した後は、ステージが4分の1回転して、貯留のない状態で継続を目指す展開に。ここで、ヤクモノの回転が完全に停止するまでの僅かな間、玉の打ち出しをストップすると、継続のチャンスが広がった。当時の台は、こういった「小技」が効くものが多かった。
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優秀台に巡り合い、800個の小箱を二つ三つと積んでいく快感。反対に、遊び台に引っかかり、小箱の中身が増えたり減ったりとジリジリさせられた挙句、最後は飲まれてチョン…こんな小さいドラマの連続が、当時のハネモノの醍醐味だったように思う。
そんな「ロマン」を安銭で堪能させてくれた赤兵衛に、出会いから21年たった今、改めて感謝したい…。