前記事でも予告した、80年代の古いカセットテープの
「文字起こし」が全て終了したので、続編として紹介。
(テープタイトル)
「’88 パチンコ感謝デー ヒットジョッキー」(1988年)
・企画:全遊協(既に解散。現存せず⇒全日遊連が引き継ぐ)
・毎年1回行われる「全国ファン感謝デー」に合わせた内容
(実際、このテープをファン感当日に店内で流したホールも
あるのでは。)
・MC:(故)牧伸二(ラジオのDJ風に、流行りの演歌、歌謡曲を紹介)
(内容)
~オープニングBGM~
牧伸二さん、元気よくタイトルコール
「パチンコ感謝デー、ヒットジョッキー!」
~BGM~
牧「パチンコファンの皆様、毎度、ご来店有難うございます。牧伸二で
ございます。全国のパチンコ店が、感謝の心をもってお客様にご奉仕
申し上げる、パチンコ感謝デーがやってまいりました。」
~BGM~
牧「えー、本年は10回目(の感謝デー)、つまり10周年に当たります。
それで、今日は特に全遊協の松波理事長を、このスタジオにお招きして
おります。一言、ご挨拶を頂く事に致しましょう。松波理事長、どうぞ。」
松波「全国4000万人のパチンコファンの皆様、こんにちは。全遊協
理事長の松波でございます。日頃は、大変皆様にはパチンコをご贔屓
頂きまして、有難うございます。この全国パチンコ感謝デーも数えて
10回目を迎え、ようやく定着致してまいりました。これも、皆様の
お陰と深く感謝致します。どうか、今日も明日も、当店でパチンコを
お楽しみ下さい。」
牧「松波理事長のご挨拶でした。では、景気よく10周年をお祝いして、
賑やかにやってまいりたいと思います。まず最初は、島倉千代子さんが
歌う、「人生いろいろ」であります。」
「人生いろいろ」(島倉千代子)
(曲明け)
牧「全く、人生は色々ですねー。地球上には色々な人生がありますが、
指紋とおんなじで、似通ってはいるが、誰でも一人ひとりが違った
人生を辿ります。牧伸二のような人生も、またあるんですねー。
まぁ、しかし、人生には財津(一郎)さんじゃないけれど、
「さみしいーッ!」って時もありまさぁね。「いやんなっちゃうなー、
もう、これどうなってんだー。アンーアーアー、やんなっちゃった、
アンーアーアア、驚いた」ってね。まぁ、そんな世の中だから、
せめて夢でも見たいですね。
それでは、ここで内堀七美さんの歌う「孤愁」、尾形大作さんの
「いやんなっちゃうなァ」。桂銀淑さんの「夢おんな」、続けて
お送り致します。」
「孤愁」(内堀七美)
「いやんなっちゃうなァ」(尾形大作)
「夢おんな」(桂銀淑)
(曲明け)
牧「孤愁、いやんなっちゃうな、夢おんな、でした」
吉村真貴子「こんにちは!」
山下祐美「こんにちは!」
牧「お、元気のいい声がして。88年ミス・パチンコ※(註:文末の追記を参照)の
吉村、山下、両嬢が現れました。ご紹介しましょう。」
吉村「皆様、こんにちは。吉村真貴子です。」
山下「山下祐美です。」
牧「うーん…。」
吉村「どうかなさったんですか?」
牧「若さというのは、素晴らしいーと思ってね。」
山下「それで、うらやましいーと思われたんですか?」
牧「アハハハ…。お恥ずかしながら、その通り。それでは、
このミス・パチンコが歌う2曲をお聴き下さい。最初は、
山下祐美さんの歌う「ナイトメニュー」、次は、吉村
真貴子さんが歌う「ふらりふらふら」、どうぞ。」
「ナイトメニュー」(山下祐美)
「ふらりふらふら」(吉村真貴子)
(曲明け)
牧「うわー、上手いもんだねー(註:吉村真貴子の歌唱力は
かなりのモノ)。この2曲、セットで発売してるんだって?」
山下「ええ。」
吉村「全国のパチンコファンの皆様、ぜひお買い求め下さい。
お願い致します。」
牧「ところで、お二人とも、映画に出演したって聞いたけど?」
吉村「ええ。」
牧「どういう映画なの?」
吉村「一つは松竹系で、11月26日から全国一斉公開されます、
「ほんの5g」という映画です。」
牧「ほんの5g?一体、それは何のことかね。5g、5gねえ…、
あ、アレかなー?」
山下「白くて、丸いもの。」
牧「パチンコ玉ー!」
吉村「そう、ご名答!」
牧「フフフ。いやー、パチンコの玉が5gとは、なかなか
気が付かないもんだよねー。という事は、パチンコの話?」
吉村「富田靖子さん演ずるところの短大生が、はつらつとして
行動するんです。」
牧「うん、それで?」
山下「その富田さんの短大生を通して、現代というものを
描こうという作品なんですよ。」
牧「うーん。ふむふむ。」
吉村「ですから、現代の社会には、どうしても欠く事の
できないのがパチンコでしょう?」
牧「その通り。」
山下「ですから、パチンコ店のシーンが、半分以上も
あるんですよ。」
牧「ほほう。」
吉村「だから、題名も「ほんの5g」」
牧「納得ー!」
山下「もう一本はね、全遊協で作っている「ゆがんだ青春」
シリーズ(註:非行防止・防犯用に制作された映画)で、
第8作目の「家庭という名のホテル」」
牧「家庭という名のホテル。ほほう?」
山下「牧さんのお宅は、いかがですか?ほとんどの男の方は、
身に覚えがあるようですけど。」
牧「うーん。ハハハ…なんか耳が痛えな、こりゃ。」
吉村・山下「アハハ!」
牧「えー、家庭という名のホテルが、日本中に増えているって
ことでしょ?」
山下「そう、その通りです。」
牧「ねー。今や家庭は「食べる、風呂へ入る、寝る」だけに
なっちまってる。本音をぶつけ合って、お互いの気持ちが
判り合える場所じゃ、なくなってしまってんだよなー。だから、
思いやりもない…。「お母さん。お父さん遅いの?」「さぁね、
何にも言わないから。どうせ、当てにはなんないわよ。一体、
何してんのかねー。」これじゃあね、子供の父親を見る目が
違ってくる。非行にも走る。「お母さん。お父さん遅いの?」
「お父さんねぇ、お仕事だけど、早く帰れるといいわね。」
あのねー、アンタ達はねぇ、こんなお母さんになんなくちゃ
ダメだよー。これならば、お父さんの権威は保たれる。」
吉村・山下「わかっていまーす!」
牧「はい、ではパチンコファンの皆様。松竹映画「ほんの5g」、
ゆがんだ青春(8)「家庭という名のホテル」、これをご覧
頂きまして、このカワイイ吉村、山下の両嬢をご声援下さい
ますよう、お願い致します。」
吉村・山下「お願い致しまーす。」
牧「ではでは、久米小百合さんの「百万本のバラ」、酒井法子
さんの「HAPPY AGAIN」、続けてお聴き下さい。」
「百万本のバラ」(久米小百合)
「HAPPY AGAIN」(酒井法子)
(曲明け)
牧「百万本のバラ、HAPPY AGAIN、でした。
船が港を出る時に、お別れする人と見送る人との間に、
無数のテープが投げ交わされます。やがて、蛍の光と共に
汽笛が鳴り、船は静々と出港します。発つ人、送る人の
間に張られたテープがやがてちぎれ、華やかさの後に
残された、後のわびしさ。これが、港の風景であります。
ハッハハ。ところでね、皆さんだけに、ちょっと耳寄りな
話をしましょう。この出港の時のテープの由来ですが、
これがまた、何と日本人の考え出した事なんであります。
1915年と申しますからね、古く大正4年。サンフランシスコで
行われた万国博覧会の際、日本から出品したテープが大量に
売れ残った。それに目を付けた、森野さんという方が、
「港で、テープによる握手」というキャッチフレーズで
売り出したんです。それが大当りで、それからというものは、
港、港でテープが投げ交わされるという風景が、見られる
ようになった訳であります。
では、南原美佐保さんの歌う「流浪の詩」、五木ひろしさんが
歌う「港の五番町」、続けてお聞き下さい。」
「流浪の詩」(南原美佐保)
「港の五番街」(五木ひろし)
(曲明け)
(エンディングBGM)
牧「全遊協の松波理事長、、ミス・パチンコの吉村真貴子さん、
山下祐美さんをお迎えしてまいりました、パチンコ感謝デー
ヒットジョッキーも、お別れの時間がまいりました。」
(BGM)
牧「では、全国のパチンコファンの皆様。」
吉村・山下「有難うございました!」
牧「ごきげんよう!」
全員「さようなら!」
(テープエンド)
(追記)
「ミス・パチンコ」は、全遊協がパチンコのイメージアップの為に
1984年から毎年選出していたコンテスト。最優秀の2人(第4回までは
1人)が「ミス」(賞金50万円とグアム旅行)、優秀賞の3人が「メイツ」
として選ばれた。当初は、レコード会社や芸能プロが推薦するタレントが
候補になっていたのだが、第3回(1986年)から一般公募に変更された。
記事中の吉村真貴子、山下祐美は、第5回(1988年)に754名の中から
「ミス」の栄冠に輝いている。なお、応募資格は18~24歳の独身女性で、
パチンコが好きな事。また、「明るく庶民的な親しみやすさを持って
いる」事も条件とされた(プロアマ問わず)。書類選考を経て、洋服や
水着での審査、パチンコを打つ姿の美しさや質疑応答など、チェック
項目は多岐にわたった。審査委員長は故・小森和子(小森のおばちゃま)
が務めていた。1989年(第6回)を最後に、全遊協の解散に伴い終了。
(第5代ミスパチンコの吉村真貴子さん。映画「ほんの5g」では、
「カウンターの娘」役(ロケ地となった武蔵小山「26号線」の
女性店員役)として出演。事務所で書き物をしたり、お客さんを
案内したりと、非常に短いシーンではあるが出演を果たしている。)