1991年(平成3年)にニューギンから登場した
初期・新要件デジパチ「ジュピター2」
★賞球…7&9&15(ヘソ7個、アタッカー15個、他は9個)
★大当り確率…1/204.8(一発判定)
★最高16ラウンド継続(10カウント)
★出玉…約2300個
★意図的な連チャン性…無し
あまり名の知られていない本機だが、何を隠そう、平成3年の
記念すべき「ニューギン新要件デジパチ・第1弾」に当たる。
同時期には、トランプがモチーフのドラム機「エキサイトポーカー」
(「グランドエキサイトG」の新要件Ver)も出たが、コチラは
同社の新要件デジパチ・第2弾となる。
まぁ、中身はといえば、直前の旧要件末期にリリースされた
「エキサイトワープ」(1990年)の新要件Verに過ぎず、
賞球数や継続R以外、大きな変更点は無い。当然、エキサイトワープに
あった「おまけチャッカー」は無く、出玉は画一化されてしまったが、
FL蛍光管を使った美麗なデジタルは、そのまま移植された。
7セグ調デジタルの周囲で、カラフルな放射状の模様が、グルグルと回転。
大当り中は、さらに鮮やかな演出に変化。赤、黄、青などの派手な色彩が、
毒々しささえ漂わせた。デジタル停止順は「左⇒右⇒中」。大当り図柄も、
エキサイトワープと同じ。赤数字の0~9のゾロ目(10通り)か、白抜きの
奇数(1、3、5、7、9)のゾロ目で大当りとなる。アルファベットは無し。
即ち、デジタルの図柄は全15通りで、表面上の確率は1/225となるが、
内部確率は1/204.8と、大幅に甘くなっていた。これも、旧要件の
エキサイトワープと同じ。極端なハマリも無く、追い易いスペックで、
バイト学生の私には有り難かった。
当時、本機をよく実戦したのが、新宿・歌舞伎町(旧)コマ劇向いにあった
「オデヲン」というホール。歌舞伎町にしては、かなり大きなパチ屋で、
パチのラインナップも豊富だった。また、他店であまり導入されない台を
ちょいちょい置く店としても重宝。本機も、新宿では、この店以外打った
記憶が無い。ただ、シマの人気は今一つで、半年も持たずに、ドラム機の
新台「エキサイトカムカムAW」に入れ替えられてしまった。やはり、
旧台エキサイトワープの単なる焼き直し、というのが災いしたようだ。
因みに、ここのスロは店の右隅に追いやられていて、台数もパチより圧倒的に
少なく、やや「冷遇」されていた感もある(そのテのパチ屋は結構あったが…)。
当時は、「ガリバースペシャル」(北電子2-2)のみ設置。その後、
「アラジンII」(サミー、3-1)と「スーパープラネット」(山佐3-1、
赤パネル)に入れ替えとなった。
(在りし日の新宿「オデヲン」…正面入口に「PARLOR」の看板が
デカデカと掲げられていて、これを「店名」と勘違いする者もいた。
当時、店から少し離れた換金所に向かう途中、コマ劇周辺で待ち構える
「ポン引き」連中に、「兄さん、どうですか?」とよく声をかけられた。
実にウザかったが、今となっては懐かしい(後に、換金所は店の裏手に移動)。
閉店後は「オリエンタルパサージュ新宿」となったが、クローズ。
さらに、「マルハン歌舞伎町店」が後釜に入るも、近頃閉店した。
(C)Google
「オリエンタルパサージュ」の頃
(C)Google
「マルハン歌舞伎町店」の頃
意図的な保留連や数珠連も無く、初期・新要件機によく見られた
「電チュー」や「小デジ確変」なども非搭載だった本機。
スーパーリーチも無く、大当りはノーマルリーチからの
「ビタ止まり」のみ。まぁ、当時は、大半がSPリーチ非搭載だったが。
因みに、元祖SPは、京楽の旧要件「ニュートランプカード2」(1990)。
それでも、7セグ調の派手なデジタルが、けたたましいリーチ音から
ピタッと大当りした瞬間は、何とも言えない「刹那の快感」を覚えた。
リーチが五月蠅いという者もいたが、パチ屋の喧騒にはピッタリだった。
また、元来の確率が甘めの為、自力の数珠連チャンも少なくなかった。
そこそこ人気だったエキサイトワープや、やはりFL管採用で保留連のある
「スターマイン3」(1991年)、そしてドラム機のエキサイトポーカーなど、
同時期のニューギンの他機種と比べると、本機の知名度は明らかに低い。
そんなマイナー機ではあっても、この時期、確実に私を楽しませてくれた。
今更だが、こうやって機種情報を世に出す事で、当時の「恩」に報いたいと
思った次第である。あらためて、ジュピター2に感謝…。
(ニューギン「ジュピター2」の項、了)