1997年(平成9年)にサミーから登場したCRデジパチ「CRタートルダッシュRX」
(別名「うさぎとかめさん」)
★日本昔話(説話)の「ウサギとカメ」がモチーフ(主人公はカメ(=タートル))
★ドラム機(5ライン)
※筐体は、当時、提携関係にあったSANKYOのカラーが強い(先行機「CRガオガオキッズ4」の流用)
★賞球…6&15
★大当り確率…通常時=1/337、確変中=1/67.4
★ドラム回転時間…9.1秒。但し、保3、保4点灯時は6.5秒に短縮。新装時でブン回る時は、時間効率が大幅アップした。
★ドラム停止順…左⇒右⇒中
★大当り図柄…カメ、赤7、三段BAR、BAR、ウサギ、スイカ、ベル、プラム、チェリー
(計9種類、45通り)
★大当り継続ラウンド数…最高16R(アタッカーのVゾーンに入らないとパンク)
★大当り中、童謡「うさぎとかめ」のメロディ(アレンジ調)が流れる
★出玉…約2300個
★確率変動機能を搭載
・全9図柄中、「カメ、赤7、三段BAR、BAR」の4図柄で揃うと、次回までの確変に突入
(大当り確率5倍アップ)
・確変ループアリ。但し、「新基準機」の為、最大継続「5回」のリミット付き
(5回目は、必ず通常図柄で当る)
・確変突入率(継続率)…20/45=4/9(約44.4%)
現役当時、「ただ、何となく」打っていた本機だが、18年以上も経つと、流石に「郷愁」や「愛着」を感じる。
実戦地は、当時、地元だった新百合ヶ丘「ジアス」(現存)。本機も、先行機「CRガオガオキッズ4」も、このホールの2Fで打った。新宿・歌舞伎町(旧コマ劇前)の「オデヲン」(閉店)でも、打った記憶アリ。
大勝ちの記憶こそないが、CR機にしては遊べた感覚が強い。まぁ、リミッターの付いた「新基準機」だから、当然と言えば当然だが。
さて、本機の特徴は、何といっても、「リーチ目の概念を採用した」点だろう。
リーチ目といっても、80年代のデジパチ※によく見られた、「デジタルに特定の目が出たら、次回転で大当り」という類のものではない(本来、これがデジパチの「リーチ目」だが…)。
※当時は「係数加算方式」のデジパチが主流で、前回出目と係数から計算して、次回転での大当り出現が予測可能な場合があった(リーチ目の存在)。また、自然停止時とストップボタン使用時では係数が異なる為、出目に応じてボタンを使い分けたりした(回転前からストップボタンを押し続ける、「ベタ押し」なる技も存在)。
また、某・有名漫画家が雑誌で紹介していた、いわゆる「オカルト」系のリーチ目とも異なる。
(CR大工の源さんの(炎スベリ付き)「3・源・源」や、CRモンスターハウスの「ミ・ド・マ」など)
では、完全確率方式における本機の「リーチ目」とは、一体どんな意味だったのか。
本機は、左右ドラムテンパイでリーチになると、中ドラムが高速回転してから、一旦停止。その後、中ドラムが再始動して、あらためてリーチアクションが開始される。
中ドラムが一旦停止する時は、カメ、赤7、スイカといった9図柄の何れかが、必ずテンパイライン上に止まる仕組み(但し、同一図柄の3つ揃いとなる形を除く)。
そして、この「一旦停止図柄」によって、大当り信頼度が異なるという、一風変わった特徴があった。本機では、これを「リーチ目(機能)」と呼んだのだ。
一旦停止時、有効ライン上には「左右同図柄、中のみ別図柄」の「一直線型」が現れる※。この形を、「パチスロのリーチ目(パターン目、チャンス目)」になぞらえた感じである。
※ダブルテンパイ時は「中ドラム中段」に一旦停止する為、テンパイ図柄を基準とすれば、「小山型、小V型」になる(出目的には、クロスラインの一直線型)。
まぁ、デジパチ本来の「リーチ目」とは違って、「リーチ信頼度の先告知」といった機能だが、こうした創意工夫は、とかく退屈になりがちな通常時のゲーム性に、「奥行き」を与えた点で評価できる。
上述した通り、一旦停止する中ドラムの図柄によって、リーチ信頼度に大きな「差」が生まれた。
もっとも信頼できるのが、主役の「カメ」。その次が、ライバルの「ウサギ」。並べて書いてはいるが、カメとウサギの信頼度の差は、かなり大きかった記憶もある。
一方、「スイカ」「ベル」「プラム」「チェリー」の小役図柄だと、さほど期待できない(当る事もある)。
また、「赤7」「BAR」「三段BAR」は、カメより信頼度は劣るものの、期待の持てるスーパーリーチに発展し易くなっていた。、只の小役図柄と比べれば、「ややアツ」だったといえる。
なお、いわずもがなだが、高信頼度の図柄ほど、一旦停止しづらい特徴があった。
さらに、本機の「リーチ目」的な機能には、もう一態様あった。それが、デジタル回転中に起こる、「予告アクション」である。
デジタル回転中、いきなり効果音が鳴って全ドラムが一旦停止した後、けたたましい効果音と共に再始動して、そのままリーチに発展する…時折、こうした派手なアクションが起きる事があった。
そして、この一旦停止時、有効ライン上に「カメ」と「ウサギ」の組合せが一直線形で並べば、大きなチャンスとなったのだ。
(「カメ・ウサギ・ウサギ」「カメ・カメ・ウサギ」など。但し、同一図柄の三つ揃いは止まらない)。
デジタル回転中に、こうした一直線目で一旦停止した場合、高確率で全ドラムが再始動して、リーチに繋がった。再始動の時点で、リーチが確定する。
先述した「リーチ目」がリーチ開始後のアクションとすると、この「予告アクション」はリーチ発生前のアクションである。
但し、この予告アクションには「ガセ」もあり、カメとウサギが一直線からズレてしまったり(崩れ目)、大当り図柄が枠外に揃って止まったりする事があった。こうした「フェイント」予告の場合は、ドラム再始動もリーチも起こらず、そのまま次回転がスタートする。
さらに、カメとウサギの一直線目が出ても、ドラム再始動せずにスカされる事が、稀にあった。
また、予告アクションから「びっくりかめかめリーチ」(⇒後述)に発展する時は、リーチ発生時に中ドラムの「リーチ目」も出る。つまり、「予告」と「リーチ目」の双方を楽しめた訳だ。予告発生後、左右ドラムがテンパイした時、中ドラムに「かめ」が止まればゲキアツとなる。
それと、本機はリーチアクションも多彩だった。特に、通常時と予告アクション発生時で、出現するリーチが異なるのが特徴。予告アクション経由の方が、信頼度も高い。以下、各リーチを概説。
(通常時のリーチ)
・かめさんリーチ…中ドラムがスロー回転するノーマルリーチ。ショート(2周まで)、ロング(3周目)、二段階(一旦ハズレ後、再始動)の3パターンがあり、いずれのパターンでも大当りする。二段階は鉄板(ショート、ロングどちらも再始動の可能性あり)。
・かめかめリーチ…大当り図柄付近のみ、中ドラムが「コマ送り」に切り替わる。最大で3周するが、どの周回でも当たる可能性あり。
・ビタ止まりリーチ…左右テンパイ後、リーチアクションも無しに、中ドラムがいきなり揃って大当り。驚きの「即止まり・鉄板」アクション。
(予告アクションからのリーチ)
・びっくりかめかめリーチ…カメ・ウサギの一直線目が出現した後、ドラム再始動で左右テンパイ。その後は、通常時の「かめかめリーチ」と同じく、コマ送りリーチになる。予告の有無を除けば、リーチアクションは「かめかめ」と全く同じだが、信頼度はコチラの方が上。
・カメさんダッシュリーチ…全回転リーチA。一直線目出現後、ドラムが再始動して、3つのドラムがシンクロ状態で「高速回転⇒全停止」を繰り返す。最終停止時、図柄が揃っていれば大当り。
・かめさん回転リーチ…全回転リーチB。一直線目出現後、大当り図柄が一部揃った状態のまま、低速で全回転スクロール。最終停止時、その図柄で止まれば大当り。
初当り確率は1/337。最高16ラウンド継続で、出玉は2300個。先行機のガオガオキッズが「1/376.8」と低確率だったから、大ハマリの危険は減った(その分、爆裂度は劣るが)。なお、ガオガオキッズは、確変時の出玉が10ラウンドで1500個と少なかったが、本機の場合、図柄に拘らず「16Rの2300個」が確保できた。
また、全9図柄中「かめ、赤7、三段BAR、BAR」の4図柄で当れば、次回までの確変に入る。
確変中は、大当り確率が5倍アップの1/67.4となる。電チュー性能も良く、確変中、さほど出玉が減る感じはしなかった(確変中の電チュー開放時間は2.4秒)。ただ、ステージ経由でヘソ(電チュー)に入るので、、止打ちして玉を増やすタイプではなかった。
また、本機は、射幸性を抑えた「新基準機」で、最大確変回数は初回を含めて「5回」まで。当時はショボく感じたものだが、今となっては良心的なスペックに見えてくるから不思議だ。
★余談…90年代・日本テレビ土曜深夜バラエティ、「DAISUKI」パチンコ対決について
⇒1997年(平成9年)11月15日放映回で、本機が対戦機種として登場。
(C)日本テレビ
本機が出てきたのは第2回戦。第1回戦はCR大工の源さん。第3回戦はCRモンスターハウス。
ロケ地は、東京・東銀座(歌舞伎座近く)の「イーストヴィレッジ銀座」(閉店)。ゲストは志村けん。
(日本テレビ)
レギュラーメンバーの中山秀征、コマ送りする「かめかめリーチ」(又は「びっくりかめかめリーチ」)から、ビシッと右上がりにプラムが揃って大当り。カメラワークがイマイチで、予告アクションの有無が判別できず…。
(日本テレビ)
同じくレギュラーの松本明子。コチラはノーマルの「かめさんリーチ」から、ベルが右上がりに揃う。左手を高々と突き上げて、満面の笑みでガッツポーズする松本さん。この日、最初(で最後)の大当りであった。
(日本テレビ)
この日不調だったのが、もう一人のレギュラー、飯島直子。「クイーン」の異名をとる強運の彼女も、この回はヒキがイマイチで、三戦とも大当り無し。「タートルダッシュ」対決では、予告アクション時の派手な効果音に反応するが、すぐに赤7が枠外に揃ってしまい、何事もなくそのままスルー(ガセ予告)。「一体、今の動きは何だったの?期待を持たせて…」といった風情で、TVカメラをキッと睨んでいた。
※CRタートルダッシュRX対決
第1位…松本明子(大当り1回、出玉2304個)
第2位…中山秀征(大当り1回、出玉2186個)
第3位…飯島直子、志村けん(共に大当り無し)
※3回戦トータルの出玉順位
優勝 …中山秀征(9201個)※CR大工の源さんで確変を引く
第2位…志村けん(3485個)※CRモンスターハウスで単発2回当り(歓喜のヒゲダンス披露)
第3位…松本明子(2304個)
第4位…飯島直子(0発)
※対戦途中、4人が休憩した場所(軽食タイム)
⇒手作りコロッケの老舗「チョウシ屋」(東銀座)…揚げたてのコロッケ、トンカツ、コロッケサンドなどを堪能。