ニューギンから1991年(平成3年)に登場した新要件デジパチ「エキサイトポーカー」
★大当り確率…1/205
★最大16ラウンド継続、出玉…2300個
★大当り後の連チャン性…ナシ
当時、ドラムと言えば「三共」とのイメージが強かっただけに、ニューギンからドラムを採用したデジパチが出た事に、少々ビックリした事を覚えている(マルホンからもドラム機は出ていたが)。
なお、本機を「ニューギンのドラム機第1弾」と誤って紹介するサイトが散見されるが、正確にはニューギンドラムデジパチ「第2弾」である。同社初のドラム機は、旧要件機「グランドエキサイトG」であり、エキサイトポーカーはその新要件版に当たる。両者の登場時期には、4カ月程のタイムラグがある。
(「グランドエキサイトG」…ニューギンドラム第1弾。旧要件末期のオマケチャッカーデジパチ。1991年初頭、新要件機第1弾と同時発表された、異色のマシン。大当り確率1/205のノーマル機。)
エキサイトポーカーで思い出すのは、新台導入の頃から追いかけた向ヶ丘遊園の「Gホール」(現存)という店だ。大学に向かう途中、向ヶ丘遊園駅に電車が着くと無性にパチりたくなり、エイッと途中下車して駅周辺のパチ屋に直行・・・というパターンを良くやっていた。駅北口にはG系列の店が3店舗あり、結局大学をサボって一日中ハシゴする事も少なくなかった。お蔭で、その後の単位取得には苦労したが…。
トランプ(ポーカー)がモチーフの本機。「7」「エース」「クイーン」「キング」と、大当り絵柄は4種類。ブランク絵柄にも、トランプのカードが使われていた。
有効ラインは上・中・下段とクロスの5ライン。ドラムは左→中→右の順に停止。ダブルテンパイ系のリーチ(Wリーチ)も4種類あり、三共「フィーバーレクサスVII」の停止パターンに近い。
さらに、エキサイトポーカーの大きな特徴として、派手なリーチアクションが挙げられる。リーチが掛かると、女性の「チャーンス!」という人工音声で期待感を煽る。また、右ドラム回転中は「ファファファファ!」という甲高い効果音とランプ点滅でリーチを盛り上げた。催眠術のような効果音で淡々と右ドラムが回転する「レクサスVII」とは、大きな違いがあった。
大当りになると、これまた女性の自動音声で「当った~!」と打ち手を祝福する。そして、各ラウンドでVゾーンに入賞する度に、「ラッキ!」と喜びの声を発するのだ。「ラッキー!」ではなく「ラッキ!」と短めに言う辺りが、妙に可愛かった。京楽「ダービー」も、喋るデジパチとして人気があったが、本機の人工音声にも一味違う面白味があった。
ただ、本機には、一つだけ戸惑いを感じる演出があった。それは、大当り中のラウンド間に、3本のドラムがウネウネと踊るように動いた事だ。大当り中のアクションがない三共への対抗心だろうが、慣れない頃は、大当りの途中でドラムがサッと動くと、「しまった、パンクしたか?」と一瞬ドキリとさせられた。
なお、エキサイトポーカーには、ドラム機初となる「出目移行法則」が存在した(「グランドエキサイトG」に移行法則があったかは不明)。連続回転中の右ドラムに、以下のような移行パターンがあった事が確認されている。
★エキサイトポーカーの移行法則(連続回転が3回以上続いた場合に限る)
⇒右ドラムの大当り絵柄(7、A、Q、K)の何れかが
(1)上下交互に停止する(Kが上段⇒Aが下段⇒Qが上段⇒7が下段…のパターン)
(2)中段停止⇒ハズレ⇒中段停止⇒ハズレを繰り返す(7が中段⇒ブランク⇒Kが中段⇒ブランク…のパターン)
(3)上記(1)(2)に属さないランダムな停止パターン
この移行法則が発見された事で、連続回転中に(2)の移行パターンと判れば、2回に1回はハズレが確定するので、連続回転を一旦切らす事が有効か…とも思われた。しかし、実際には、リーチが掛かると、50%の確率で移行法則が崩れる事が判り、大きな攻略には結びつかなかった。
ともあれ、本機に入れ込んだ事がきっかけで、ニューギンのドラムデジパチに対して、ある種の愛着を抱いた。その後も、本機の「花札」バージョンともいえる「エキサイトカムカムAW」、お尻や胸など奇抜な絵柄の4ケタドラム機「エキサイトビューティー」、寿司ネタのドラム機「回転寿司」、バニーガールがモチーフの「エキサイトバニー」と、いずれもホールでじっくり堪能する事となった。
そして、これらニューギンドラムの集大成ともいえる連チャン機「エキサイトジャック2」も、嫌という程に打ち込んだ事はいうまでもない。7の横並びがアツい「エキサイトグランパス2」や、エキサイトビューティーの後継機「エキサイトバトル」も、また然りである。あらためて振り返ると、かつてのニューギンには、本家の三共に決して引けを取らない「ドラムの名機」が、数多く存在した。