エーアイ2-1号機「サファリラリー」(1990年10月登場)
当ブログでもたびたび取り上げている本機。名機「アニマル」を彷彿とさせたアツい連チャンはもちろんのこと、数々の攻略・ゴトでも話題を振りまいた。1枚掛け小役狙い、クレジット99セット、REG⇒BIG変換打法、盤面押しゴト…実に多くの「キズネタ」をスロッターに提供し続けた事で知られる。
私自身は、現役時にホールで実戦出来たのは、「1枚掛け小役狙い」のみである。残りのネタは、雑誌で攻略の存在こそ知っていても、実戦する勇気も機会もなかった…。
では、その「1枚掛け小役狙い」は、なぜ有効だったのだろうか。大体のところは皆さんご存じだと思うが、細かい解析値などを踏まえて、もう一度振り返ってみよう。
リール配列表
サファリラリーの1枚掛け小役狙いは、通常時、1枚掛けで15枚役の「ライト」(ヘッドライト)を狙い続けるというもの。中段にライトが3つ揃うので、「三つ目抜き」とも呼ばれた。
たったこれだけの手順で、手持ちコインはジワジワと増えていった。ノーマルはもちろんのこと、当初は連チャンVerにも通用したので、ホールでは大半の台で小役狙いが可能だった(後に、小役抜きの対策基板が出回る。当然、1枚掛け禁止のホールも…)。
(具体的手順)
まず、左リール枠内に「チェリー」を毎回狙う。
左にチェリーは2つあるが(14番、21番)、どちらでもよい。
サファリの場合、小役自体はハンドル(15枚)、ライト(15枚)、ヘルメット(10枚)、チェリー(単、2連、3連)の4種類だが、小役フラグは1種類しか存在しない。最初のリール停止形によって、揃う図柄とラインが決まる仕組みだ。
小役成立時は、テーブル制御により、左リール上段には特定の「9図柄」※しか停止しない。この制御は、コイン投入枚数に拘らず同じである(1枚掛けでも3枚掛けでも変わらない)。
※「2、7、8、9、11、12、16、18、19(番)」の9図柄が、左上段に停止する。
この時、左枠内にチェリーを狙っていれば、小役フラグ成立時は「ヘルメット・ライト・チェリー」(停止形A)か、「BAR(バッテリー)・ヘルメット・ライト」(停止形B、C)の何れかが止まる。
(チェリーが左リール上・中段に止まる事はない)。
(停止形A) (停止形B) (停止形C)
(停止形A)
左リール中段にライトが止まった時は、ほぼ15枚確定なので、中・右リールの中段にもライトを狙う。
ここで注意すべきは、中リールの制御上、ライトよりもヘルメットが優先される点である。
中リールには、「チェリー」が上に付いたライトと、「ヘルメット」が上に付いたライトの2パターンあるが、ヘルメット付きのライトを狙うと、中段にヘルメットが停止してしまう。これは、投入枚数不問で小役テンパイ制御が働き、1枚掛けにも拘らず、中段ライトテンパイよりヘルメットの右下がりテンパイを優先してしまう為だ。
(ヘルメット優先制御により、中リールでライトを取りこぼした形)
なので、中リールには「チェリー付きのライト」を狙う。左・中でライトが中段テンパイすれば、右リールには引き込み制御が働き、ライトをこぼすポイントもない為、容易にライトが揃う。中リールの目押しが大変な場合、中リールに1つしかない「7」図柄を目安にする(「7」の前後にチェリー付きのライトがある)。
(「三つ目」が揃って15枚ゲット!)
(停止形B、C)
次に、左のチェリーが枠下に落ちて、「BAR・ヘルメット・ライト」(停止形B)、「バッテリー・ヘルメット・ライト」(停止形C)が止まった場合を見てみよう。
(B) (C)
この形は大半が「ハズレ」となるが、中段にヘルメットが揃う場合もあるので、中リール中段にヘルメットを狙う(中リールはヘルメットが2つしかない為、しっかり目押しする)。ヘルメットテンパイ時、右リールには引き込み制御が働くが、「1~4番」と「19~21番」はヘルメット取りこぼしポイントなので、きっちりヘルメットを目押しする。
(その他の停止形)
上記の形も大半がハズレだが、REG成立の場合もあるので、中・右にBAR(バッテリー)を狙ってみる。さらに、左リールの7が中段までスベった時は、ビッグの可能性もある。
では、肝心の1枚掛け時の小役確率はどうなっていたのか。
信じられない事だが、本機の通常時の小役確率は、コイン投入枚数に拘らず、一律「1/12.8」だった。
ライトの払出しは「15枚」だから、1枚掛けでライトを狙えば、少しづつだがコインが増える計算になる。この点が、プログラム上の大きなミスだった訳だ。
とはいえ、単に15枚役のライトが揃うのみでは、コインの増加スピードは大したことがない。だが、実際は1枚掛けでもビッグ、レギュラー、小役の集中(フルーツ)の抽選を受けられた為、長く回していれば途中でボーナスや集中を引く事ができた。
※1枚掛け時のボーナス・集中抽選確率(ノーマル)
BIG REG フルーツ
設定1 1/1857 1/939 1/3120
設定2 1/1757 1/889 1/2184
設定3 1/1667 1/847 1/1680
設定4 1/1586 1/802 1/1560
設定5 1/1512 1/765 1/1456
設定6 1/1477 1/747 1/1092
当然、3枚掛けよりも抽選確率は大きく下がるが、普段は1枚掛けライト狙いでゆっくりコインを増やしつつ、途中でボーナス・集中を引けば、手持ち枚数を一気に増やせた。
さらに、1枚掛けでフルーツ当選した場合、フルーツ中の小役(15枚)確率は、1枚掛けでも3枚掛けでも「1/2.51」であった。その為、1枚掛けでも立て続けに中段ライトが揃うようになり、フルーツ突入を察知し易かったのだ。
特に、アニマルサファリの場合は、「フルーツに入ったな」と思った時点で「3枚掛け」にする。もしフルーツが入っていたら、そのまま3枚掛けでフルーツを消化する。フルーツが終了したら、連チャン抽選を期待して、3枚掛けのまましばらく回す。こうする事で、1枚掛けで引いたフルーツをきっかけに、ボーナスの連チャンに入る事もしばしばあった。
同様に、アニマルサファリでは1枚掛けでBRボーナスを引いた場合も、やはり連チャン突入の可能性があるので、ボーナス後は3枚掛けで様子を見る(アニマルサファリは、ボーナス後に1枚掛けしていると、連チャンしないようになっていた)。
その後は、50ゲーム程度回してボーナスが来なければ(アニマルサファリは、連モード時の放出確率が1/32)、再び1枚掛けライト狙いに戻す。
※但し、アニマルサファリの1枚掛けボーナス(初当り)確率は、当然ノーマルよりも悪い。
(アニマルサファリ・1枚掛け時のボーナス確率)
BIG+REG合成 フルーツ
設定1 1/1192
設定2 1/949
設定3 1/840 1/2181.3
設定4 1/779 (全設定共通)
設定5 1/778
設定6 1/661
以上が、サファリラリー1枚掛け小役狙いの概要である。
自分がこの小役狙いを最初に実戦したのが、1992年(平成4年)4月頃、新百合ヶ丘の「Z」(現存)という店の2階フロアだった(当時はコンチI、サファリ、スペスペなど設置。パッキーカードでコインを買っていた)。
この時は、途中まで順調にコインを増やして下皿満タンとなったが、常連オヤジの「チクリ」で店員から注意され(「3枚掛けしないと出玉没収」と警告された)、悔しい思いで退店した。
オヤジのひねた根性と、店の理不尽さに当時はムカついたが…今では良き思い出である。
ムサシやリバティベル等でもそうですが、内部フラグ成立の有無にかかわらず、揃った出目を優先して払い出しを行うというのは、どの時代まで行われていたのでしょうね。もしかしたら規定で決まっていて今もそうだったりして?
BAR→7変換だけは店公認?で、やってました。
今となっては台所の片隅のオブジェですが(笑)唯一持ってる実機。
たまに動かして遊んでます。
サファリ最高!!