まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

イーカップ(エレコ、4号機)

2017-04-02 02:13:10 | パチスロ4号機

約16年前のスロ4号機時代、妙にツボにハマって気に入っていた台がある。


エレコの「イーカップ」という台がそれだ。



(エレコ「イーカップ」 2000年登場、A-STタイプ」)


ボーナス確率と払い出しは、以下の通り。


(ボーナス確率)


※REGは非搭載


(各役の払い出し)

赤7×3/黒7×3/白7×3…15枚+Big Bonus
バナナ×3…15枚
チェリー…1枚(角2枚)
キウイ×3…1枚
池×3…リプレイ(1枚+ジャックイン)
バナナ・リプレイ・リプレイ…ジャック中15枚

※バナナと2枚チェリーは共通フラグ
※キウイと1枚チェリーは共通フラグ




「ゴルフ」がモチーフの本機。初めて見た時は、エッジが利いて斜に
構えた感じのする7図柄(赤、白、黒)のデザインが、同社の先行機
「エヌジェーCT」(コチラのビッグは赤7と白7)を彷彿とさせるな…
くらいの軽い印象だった。だが、実戦経験を重ねるにつれて、徐々に
その独特な「味わい深さ」に気付かされる事になる。


本機はNJCTやデルソル2同様、エレコ(アルゼ系)得意の「鉢巻きリール」
(4thリール)搭載。但し、CT機ではなく、「ST」(スーパータイム)という
新機能(ストック・タイムではない)が大きなウリだった。言ってしまえば、
「AT」(押し順ナビのあるアシストタイム)の一態様だが、当時の一般的な
ATとは、少々趣が違っていた。その理由は、ST突入がビッグ終了後ではなく、
通常プレイ中にいきなり入ったから。ATにせよCTにせよRTにせよ、あの頃は
「ビッグ後のお楽しみ」というのが主流だったので、「通常時、常にST突入の
チャンスあり」という点が、斬新で興味を引いたのだった。


そのSTについて説明すると、通常時のメイン小役は「角チェリー」(2枚)と
「バナナ」(15枚)の2種類あり、両者は「共通フラグ」となっていた。但し、
バナナの15枚で取るには、「第一停止リールの押し順」を当てる必要がある。
普段、特にナビはなく「左or中or右」の三択となり、押し順を当てれば15枚、
ハズすと2枚で払い出す制御だった(第1さえ当たれば、残りをどう押しても
揃う)。普段は勘でしか三択は当らないが、ST中なら2枚/15枚フラグ成立で
「押し順ナビ」が働き、必ず15枚で取れた。即ち、ST突入後はコイン持ちが
アップして、投資を極力抑えてビッグに繋げたのだ(STが途中パンクしない
限り)。但し、ST消化中にコインが飛躍的に増えた訳ではなく、せいぜい
現状維持か微増程度(瞬間的に15枚が多く揃い、出玉が増える事はあっても)。
ヒキ弱だとST中でもコインが減って、追加投資のパターンさえ普通にあった。
ただ、ST中に引いたビッグは全て「スーパービッグ」(⇒後述)となるから、
獲得枚数の上乗せが見込めた。コイン持ちアップの面と合わせて、突入すれば
有難い機能に違いなかった。というか、STのヒキが悪いとほぼ勝てなかった。


なお、15枚の押し順ナビは、3分割した赤いトップランプで表示。左が光れば
左リール、中が光れば中リール、右が光ったら右リールを最初に押せばOKだ。
また、リール自体もライトアップされる為、押し順は容易に分かる。さらに、
レバーオン時は、鳥の鳴き声+人工音声で押し順をナビ(鳥が「ピヨ」と1回
鳴いて人工音声が「ワン」と言ったら左リール、「ピヨピヨ」と二回鳴いて
「ツー」の声なら中リール、3回鳴いて「スリー」なら右リールから押す)。
また、上記法則の崩れはビッグ確定。ST中にトップランプ非点滅で15枚揃い、
左のランプが光ったが鳥が3回鳴いて人工音声が「スリー」(ランプと音声の
矛盾)、ナビ通りに打ったのに2枚チェリー揃い(これも矛盾)、15枚時に
トップランプが全点灯、といった変則パターンは、何れも鉄板。


STは、設定関係なく通常「1/100」で抽選していて、当選するとレバーオンで
ガシャンと言う効果音と共に、リール窓左の「SUPER TIME」ランプが点滅。
但し、このST(仮)には大きな「関門」が待ち構えており、ST当選の次プレイで
必ず「1/2のパンク(継続)抽選」を通る。ここで弾かれると、その次プレイの
レバーオン時にSTランプは即・消灯。即ち、実質的なST抽選確率は「1/200」
となっていた訳だ。この50%さえクリアすれば、STランプは引き続いて点滅。
後は、毎ゲーム「1/100」で抽選されるパンクフラグに当たらない限り、STは
継続する。ヒキさえ良ければロングSTが期待できた一方で、1/2をクリアした
たった数プレイ後に、STランプが消えてしまってガックリ来ることも…。


さらに、STの存在は、ビッグ時の出玉にも大きな影響を与えた。本機のビッグは、
ノーマルビッグとスーパービッグの2種類。ノーマルは特典無しだが、スーパーは
2枚/15枚成立時に押し順を完全ナビ。正確には、通常時に引いたSTがビッグ中も
パンクしないので、引き続きナビが働いた(スーパービッグ終了後、STはパンク)。
即ち、ST中のビッグは3択の無いスーパービッグとなり、獲得枚数が大幅にアップ。
ノーマルは平均約375枚だが、スーパーなら平均560枚。そのスーパーが立て続けに
来れば、まさにウハウハだった。好調時なら、スーパー終了後サクッとSTに入って、
1/2の抽選も易々とクリア。そのST中に早いビッグを引いて、実質的なスーパーの
連チャンとも言える展開で、下皿もドル箱もガッツリ満タンになった。


ただ、こうしたゲーム性が意味したのは、「ヒキと展開」に極度に左右され易い
台だったという事である。終日のビッグ回数が同じでも、スーパーの回数によって
出玉は大きく変動。また、1/100のST(仮)を多く引いても、次プレイで1/2の
ヒキが悪いと、トータルのSTゲーム数もガクンと落ちて、スーパー獲得の機会は
当然に減る。ビッグ出現率で「高設定」と察知してプレイを続けても、STのヒキ、
展開に恵まれないで、コインがサッパリ増えずにジリジリする事も多かったのだ。
まぁ、これはデルソル2やアステカなどのCT機にも、同様に当てはまったが…。

次に演出面だが、こちらもアルゼ系の十八番だった筐体上の「鉢巻きリール」
(4thリール)が多彩な動きを見せて、単調になりがちな通常時を盛り上げた。
「ゴルフコース(エレコ・カントリークラブ)」を表現した鉢巻きリールは
「ゴルフリール」と呼ばれ、様々なキャラが登場。小役告知やチャンス演出
等の役割を担った。基本的には、主役のゴルファーがティーショットを行い、
コース上の障害をクリアしてカップインすれば、ボーナス確定となる。なお、
ボールそのものは、4thのプラスチックカバーの中心に描かれたイラストで
「固定式」だったが、奥の4thリールに描かれた背景表示が横に回転すると、
手前の(動かない)ボールの方が動いて見える仕組み。


以下、ゴルフリール(以下、適宜「4th」と略す)の演出について概説する。


レバーオンで4thが作動すると、主役のゴルファーがティーグラウンドに
立って、4th演出を開始。このゴルファーをメーカーは「トラキ」と命名。
なぜ「トラキ」かは、当時の時代背景などを考えれば、容易に想像がつく。
あの時代、「天才プロゴルファー」と世界中から称賛されていた選手こそ、
かの「タイガー・ウッズ」である(その後、別の面でも話題になったが…)。
これを日本式に読み替えれば、「虎」「樹」(ウッズには「森」の意味も
あるが)。つまり、「とら・き=トラキ」となる訳だ。別にウラを取った
訳ではないが、普通に考えれば、ネーミングの由来はこんな感じだろう。


因みに、トラキにはキャディの「ジェニファー」という女性がついて
いた。ティーショット後、ジェニファーが4thに出ると、ボーナスの
期待度もアップ。この時、ジェニファーはトラキのショットに対して
様々な声援を送る。ボーナス期待度の低い順に「ナイスショット!」
「スーパーショット!」「ミラクルショット!」。スーパーショットは
1枚役orビッグ濃厚。ミラクルショットと叫べば、さらに激アツとなる。


トラキのティーショットには5種類あって、その打球によってボーナス
期待度が変化。一番期待できない「チョロ」は、ほとんど距離が出ない。
次が「ノーマル」で、普通に球が飛ぶ。3番目の「エクスプロージョン」は、
ショット時に4th両脇のLEDがクルクル回る。また「スーパーフレイム」は、
トラキが「オリャー!」と気合を込めてショット。最も期待できる打球が
「スーパードライブ」。第1⇒第2⇒第3とリールを止める度に、4thリールが
「HOLE-IN-ONE」の位置に接近していく(「HOLE-IN-ONE」最終停止で
ボーナス確定)。なお、4thに「爆発マーク(打球加速)」が一瞬止まると、
小役以上確定となり、ボーナス期待度もアップ。


ティーショット後、4thはコース上の様々な地点で停止する。止まる位置は、
「木」「池」「バンカー」「池」「大木」「グリーン」で、直接カップイン
する場合もある(ビッグ確定)。「木、池、バンカー、池」の3つは小役対応。
一旦停止後に再始動しなければ、対応役ハズレでビッグとなる※。対応役は、
「木=チェリー2枚/バナナ15枚(共通フラグ)」、「池=ハズレ含む全小役」、
「バンカー=中段チェリー/キウイ(1枚役、共通フラグ)」。また、各地点で
愛嬌ある「動物キャラ」が待ち構える。木の上に「バブルス」(サル=ジェニファーの
ペット)、バンカーは「きゅうちゃん」(キウイ=動物。小役の「キウイ(フルーツ)」に
かけた)、池の上に「クロくん」(カラス)。これらのキャラが鳴き声を上げると、ビッグ
期待度アップ(バブルス=ウキキッ、きゅうちゃん=キュイ、クロくん=カァー)。一方、
4thが一旦停止後に再始動した場合、OB(大木)かグリーンで最終停止。OBはハズレだが、
OBと一旦停止地点を往復して、最終的にグリーンで止まるパターンもある。一方、打球が
グリーンに乗った場合は、後述するバーディーチャンスへと発展する可能性が高い。

※キウイ成立時、チェリー付き白7を中段に狙うと、キウイを枠内に引き込まずに
小役演出がガセる事もある。この付近はNGポイントとして避けるべき。


4thがグリーンに届くと、小役が揃っている場合を除き、「バーディーチャンス」
と呼ばれるチャンス演出に発展(リール右の「BIRDIE CHANCE」ランプ点滅。
「ナイスオン」の音声もアリ)。次プレイでパッティング演出に移行。最終的に
パットが成功してカップインすればビッグ確定。パット失敗ならハズレ。


次に、ビッグ中について説明。ノーマルビッグ中はナビが一切無く、メイン小役の
チェリー(2枚)/バナナ(15枚)成立時(4th非作動)は、勘を頼りに第一停止の
押し順3択に挑む。振り分けは、左=86/256、中と右は各85/256と、僅かに左の
選択率が高いが、ほぼ同値。つまり、順押し適当打ちで問題ないが、3択を楽しみ
枚数アップも目指すなら、毎ゲーム押し順を選ぶのもアリ。一方、4thが回ったら
ジャックイン確定。1、2回目はそのまま入れる。3回目はハズすが、ノーマル時の
15枚役は1/3でしか取れないから、あまり引っ張る必要は無い。残り12ゲームまで
ハズしたら、ジャックイン優先に戻す。ハズシ手順は中⇒右適当押しで、リプレイ
上段受けなら「黒7」を左枠内、中段受けなら「キウイ・バナナ・キウイ」の下の
方のキウイを左の中段or下段、下段受けなら「上にチェリーの付いた白7」を左の
中・下段にそれぞれ狙う。2コマ目押しができれば、比較的ラクにハズせた。


一方のスーパービッグは、通常時のST同様、2枚/15枚成立時に押し順ナビが必ず
発生するから、ナビ通りに押せば15枚のバナナで獲得可能。ハズシはノーマルと
同じだが、ナビがあるので残り7Gまで引っ張ってから、ジャックイン優先に戻す。


※パンク時は、トラキが「アチャー!」、ジェニファーが「残念~!」と声を出す。



(リーチ目、告知システム)

各リールには、いわゆる「強い形」(サンドイッチ目など)が存在。
それらが停止して特定の条件を満たせば、リーチ目を構成した。
以下、基本的な形を幾つか紹介。

・左リール
「キウイ・バナナ・キウイ」(小役ハズレで入り)
「リプ・赤7・リプ」(リプハズレで入り)

・中リール
「赤7・キウイ・赤7」(キウイテンパイハズレで入り。赤7上段テンパイで二確)
「チェリー・チェリー・黒7」(黒7下段テンパイで二確、左下段に白7(枠内に
チェリー無し)停止で二確。左上段に赤7停止で二確。)
「チェリー・バナナ・チェリー」(バナナテンパイハズレで入り)

・右リール
「リプ・チェリー・赤7」(ゲチェナ…チェリーorリプハズレで入り)

・その他
「赤7・赤7・白7」の右下がり一直線
「バナナ・キウイ・リプ」のハサミ平行トリプルテンパイハズレ
チェリー付きのバナナ揃い(成立後)
など

★リール窓右のWINランプ点滅でビッグ確定。但し、完全告知ではない為、
リーチ目で察知する機会も多い。トラキのボールがバーディーチャンスで
カップインしたり、ホールインワンが出た場合に、ランプが点滅する仕様。



(当時の主な実戦店)

・向ケ丘遊園駅北口「ニューギンザ」
(現「GINZA P-Style」)

2号機、3号機、初期4号機とよく通っていた店(ベンハー、コンチI、リノ、
チェリーバー、オリIIなど)。当初、スロットシマはメインの大きいシマが
4つのみだったが、4号機の頃、裏口前に沖スロなどの小さなシマが幾つか
出来た(キンバリー30など設置)、本機は、メインシマの右から2番目に設置。
自分の通った時期は客付きも良好だった。ただ、総じて「揉まれる」展開が多く、
スムーズな流れで快勝したのは数える程度。それでも、スーパータイム(仮)を
引いた後の「運命の1/2」には、いつも手に汗握ったものだ。それと、この店で
本機を打ち続けるうち、「スーパータイム」の声を聞く度に「幸田シャーミン!」
と、条件反射的に心の中で唱えるようになった。なぜ、逸見政孝さん(「素敵に
ドキュメント」の進行でお馴染み。大学の先輩。故人)や黒岩佑治さん(大学の
学部の先輩、現・神奈川県知事)、露木茂さん(やはり大学の学部の大先輩)らが
浮かばなかったのかは、今でも謎である。


・新宿西口(ヨドバシ本店近く)パチスロ「NASA」(ナサ)
(閉店、跡地は現在「磯丸水産」西新宿一丁目店に)

ここは、3号機時代にコンチIやコンチIIIをよく触っていたが、4号機時代はさほど
立ち寄っていない。本機の実戦も、僅か1回のみ。それにも拘らず、ニューギンザに
負けず劣らず記憶に刺さっている。昼下がりにフラッと入ったら、店員さえいるか
判らない程のガラガラ具合。そこへニューギンザでお気に入りだった本機が、1Fの
階段下に並んでいて思わず座ってしまう。安ゼニで頻繁にST(仮)には突入するも、
1/2の関門に負けたり、20~30ゲーム程度でパンクしたりで、スーパーが引けない。
時折ノーマルは引くが、コインは下皿で増減を繰り返すのみ。ジワジワ投資も嵩み、
3万ほど突っ込んだ所でようやく長いSTに入り、待望のスーパーに繋がる。しかし、
まさかの「0パン」で、獲得枚数はノーマル以下。その後、誰も居ない店内で寂しく
ハマり続けて、持ち金(5万位)が尽きて終了。疲れ果てて店を出ると、何となく
心に空しさ、侘しさのようなものを感じた。ただ、そんな一勝負終えた後の侘しさが、
私など好きだったのかもしれない。それ故、この店のたった一度の実戦が、今も心に
ガッツリと残っているのだ。因みに、NASAではテクノコーシンの「月夜の鷹姫S」も
打っているが(2Fの窓際)、どんな展開だったかはあまり覚えていない。恐らくは、
展開が普通すぎて、何の侘しさも感じなかったのだろう…。



(エレコ「イーカップ」の項、了)




4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown ()
2017-04-04 12:48:12
この頃あたりからでしょうかねぇ
かつてパチンコパチスロの最前線、あらゆる新台に飛びつき知らない機種は無いくらいだったのですが・・社会人で打てる時間がますます減る中、自分より若い層が知識・稼動量ともに豊富になってきたので、一度も打たない機種が出てきました。
この機種の場合もそうで、打ってみたいという気持ちよりも、ああ、何か覚えるのが面倒くさそうだなぁ、という気持ちが先に来てしまい、店頭にあっても見えないふりをしていました。
その割り合いが増えすぎて、今ではジャグラーしか打たなくなってしまっているのですけれども^^
返信する
Unknown (Unknown)
2017-04-07 03:11:14
胸のサイズのイーカップと思っていた人も多数いたようで。

ECJも完全にアルゼの子会社エレコとして駄作を連発していた・・・と、いうかブランドだけ使われていた時代でしたね。
4リールで成功したと言えるのは大花火ぐらいで、その他はガラクタリール搭載と冷たい視線を送ってました。
返信する
Unknown (管理人M)
2017-04-07 22:26:06
ガラクタリール…手厳しいご見解、有難うございます。
そんな台でも自分にとって存分に楽しめた懐かしの
存在だった為、思い入れタップリに回顧した次第です。
デルソル2やメーシーのタロマスにも、案外とハマった
クチでした。DJ、ドギージャム、ゲッタマ、ボーナス
ショップの奥深さには叶わなかったかもしれませんが、
4th機には4thなりのいい部分もあったと思っています。
返信する
Unknown (Unknown)
2017-04-09 14:53:25
イーカップ好きを批判したわけではありませんので、お間違いなく。
当時はエレクトロコインの社員でしたが、アルゼの子会社に伴い、職を失いました。
別のメーカーで再就職しましたが、アルゼへの怨みを込めてガラクタリールと呼んでいました。
返信する