悠々ファーム せなりー

つがるの古都弘前市 四季折々の美しい自然の中で育まれている りんごっこ情報をお届けします。

りんご豆知識「青森りんごのおいしい秘密」

2009年11月28日 | 日記・エッセイ・コラム

青森県が「りんごの産地」となるきっかけになったのは、今から134年前の明治8年
(1875年)春のこと。内務省から青森県庁に3本のりんごの苗木が送られ、県庁構内に栽
植されたのが始まりでした。また、その年の12月25日。キリスト降誕祭の時、弘前市
私立東奥義塾が招いた米国人宣教師ジョン・イング師が、当時の教え子達や信者達に
プレゼントした「西洋りんご」が青森県で初めて紹介されたりんごでした。

同じ年の秋と翌年9年の春にも苗木が500~600本配布され、篤農家にて試験的に試植。
明治10年には、りんご栽培の最初の苗木配布者であり試植者でもある青森りんごの開祖
とされる菊地楯衛(きくちたていえ)氏が、青森県はりんごの栽培が適した土地であること
を確かめ、りんごの栽培技術を広め、本県がりんご主産地になる基礎をつくりました。
そして明治13年。青森県庁に送られた苗木にりんごが実り、作付け面積がどんどん広が
っていったそうです。

現在、世界中にあるりんごの品種は約15,000種類、日本では約2,000種類。青森県では
その多くの品種の中から、一年中おいしいりんごをお届けできるようにと8月から11月
にかけて収穫期をむかえる様々な品種が栽培されています。


「青森りんごがおいしい」理由は青森の気候がりんごの栽培に適しているからです。
もう少し詳しくお伝えします。
りんごは、日中の間に太陽の光を浴びてどんどん栄養を作り蓄え、夜になると呼吸をは
じめ、昼に作った栄養を消費していきます。例えば、夜になっても温度が高い地域では、
りんごの呼吸が増え、栄養を多く使うことになるのですが、青森県の場合、南の地域に
比べて昼に気温が上がっても夜になると冷え込むため、りんごの呼吸量が少なく、昼に
蓄えた栄養を消費する量が少ないというわけです。
きっと、南の地域のりんごより固さや日持ちが長いといわれるのも、昼夜の温度の差が
激しいことで、呼吸する際に消費する栄養量の違いなのかもしれません。

このようなりんごの特性をうまく利用したのが青森県が持つ「CA(シーエイ)貯蔵」です。
「CA貯蔵」とは、一年中新鮮でおいしい青森りんごが食べられるようにと開発された特
殊冷蔵庫。庫内の温度を0~3℃くらいに保ち、炭酸ガスと酸素の量を調整することで普
通冷蔵より更にりんごの呼吸量を1/2に抑え、りんごを眠った状態にして貯蔵できるも
のです。鮮度とおいしさを長持ちさせるために、りんごの基礎代謝である呼吸を抑えて
老化を遅らせるという画期的なシステムです。

青森県で収穫されたりんごのほとんどがトラックで輸送されます。出荷まで期間がある
場合は、このCA冷蔵庫に貯蔵され、翌年の春~初夏まで販売されます。この冷蔵庫の
おかげで、日本のみならず、台湾、香港、タイ、中国、アメリカなど海外にもおいしい
ままに輸出することが出来ているというわけです。

現在、全国に出荷されている青森りんごは、今年の11月中旬~下旬に収穫されたばかり
のもので、みずみずしさも、おいしさも天下一品です!ぜひ、青森の旬の味覚を存分
に味わっていただけたらと思います。

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