髪見!十人十色

市川の理容室の店主が綴る日記です
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森会長辞任について、自分なりに考えてみた

2021年02月11日 | 徒然草
森会長が辞任した。

女性蔑視発言が世界に飛び火して、結果的に辞任となった。

女性蔑視発言は、確かによくないと思う。

どのような経緯であれ、性別で差をつけるような発言は、今の時代にそぐわない。

森会長は、謝罪会見と銘打った場所で、素直に謝れば良かったのだが、質問を投げた記者の方々に、いわゆる「逆ギレ」状態に持っていかれたという思いも無きにしも非ずである。

僕が子供の頃、男は外で働き、家にお金を入れるのが役割であり、女はそのお金で家を守るのが役割であった。

その頃、年配者は絶対的存在であり、例えば部活動で先輩の言う事は、何があっても従うしかなかった。

練習中、「脚が痛い、膝が痛い」と言えば、「走り込みが足りないから痛いんだよ! 走ってこい!」と言われ、ノックやバッティングなどさせてもらえず、ただグランドを走らされたものだ。

中には要領のいいヤツもいて、グランドを飛び出して、校舎の裏に回り、水を飲んだりしていたのだが、そこは先輩たちも見て見ぬふりをしてくれた。
(実際は、「痛い」という言葉を発するヤツなんて相手にしてなかったのかも知れない)

森会長が育った時代は、それよりはるか昔…

もっともっと、理不尽が横行していた時代だと思う。

「男尊女卑」という言葉もなかった時代だったのかも知れない…

歴史の流れの中で、「高度経済成長」を表から支えたのは、間違いなく森会長の時代の「男」であり、陰から支えたのは、「家」を守った「女性」だったと思う。

時は流れて、現在はどうだろう?

女性の社会進出は進み、男女同権が声高に叫ばれる時代になった。

僕自身、女性の社会進出には大賛成である。

しかしながら、不思議なことが一つある。

例えば、「内角に女性が◎人入った」という言い方があるが、前内閣と比べて増えただの減っただのを論議する為に使われている事が多いと思う。

要は、総理大臣が(派閥の人事はあるにしろ)必要と思った人を選んでいるだけで、そもそもそこに女性の人数を比較対象にする必要があるのだろうか?

その時点で、「男尊女卑」ならぬ、「性別差別」が潜んでいるように思えるのだが…

仮に大臣選考に試験があったとする。

「今年は内閣に5割の女性を登用する」という事が決まっていたとしよう。

試験結果を見たら、上位の割合が7:3で男性優位だったという結果が出たとする。

ところが、女性を5割入れなくてはならないので、成績が上の男性が落ちる事になる。

それでは、何のための「男女平等」なのか判らなくなる…

逆もまた然り、上位の成績が7:3で女性優位だった場合、成績上位の女性が落ちる事になるのだ…。

もちろん、何のための「男女平等」なのか…という事になる…

森会長を擁護するわけではないが、森会長が生きてきた約80年の中で、もっとも人間形成がなされるであろう30歳までの間、間違いなく男性優位・年長者優位の世の中だったのだ。

間違いなく、今回の森会長の発言は間違っている。

トップに座る人間の発言として、あってはならないと思う。

しかしながら、記者会見であたかも「俺が辞任の一言を引き出したんだ」と思わせるような、記者の質問の仕方も問題ありだと思うのだが、僕の考え方が間違っているのだろうか?

森会長がキレた時の記者の質問は、「辞任した方がいいという意見が多数ありますが、会長は辞任の意思はないのですか?」といった内容だったと思う。

それに対して、森会長は「あなたはどう思う?」と逆に質問したところ、その記者は「辞任するべきだと思います」と面と向かって答えた。

その後の「おもしろおかしくしたいんだろ!」の発言が飛び出したのである。

今回のオリンピック招致に関して、森会長が果たした役割は大きかったと、多くの人が認めている。

にも拘らず、関係のない人間から「あんたは辞めろ」と言われたら、逆ギレしてもおかしくないと思う僕の考え方がおかしいのだろうか?

話は変わるが、コロナ感染関係のニュースで「若者」の行動が問題視されている。

本当に若者だけなのだろうか?

ホームセンターに買い物に行くと、3世代で買い物に来ているお年寄りが目に付く。

近所の居酒屋の閉店時、「◎◎さん、ほらマスクを忘れてるよ!」と言われているのも年配者。

おそらく、居酒屋で飲んでいる時、その方はマスクを外していたのだと思われる。

つまり、「男女」や「年代・世代」で差別や善悪を語る事は違うのではないかと思うのだ。

「能力のある人はある」「悪い人は悪い」でいいのだと思うのだが、違うのだろうか?


「この頃の若い者は…」

「若いやつらの考える事は判らない…」

その「若い世代を作ってきたのは、他でもない年配者」である。

「古い考えは通用しない」

「時代錯誤過ぎる」

でも、「若い世代を育ててくれたのは、他でもない年配者」である。

同じ国に生きる人間として、相手を思いやる気持ちや、尊敬する気持ちを忘れないで欲しい。