今年に入ってから、夏目漱石晩年のエッセイ「硝子戸の中」に触れ、彼が語る思い出話が心に沁みたのをきっかけに、芥川龍之介、向田邦子のエッセイにふれ、いずれも味わい深いものがあった。作家という「他人」の思い出話が心に沁みるようになったということは、自分もそれなりの心の旅を進めてきたということか。 高倉健のエッセイは、楽しく読んだ。小林念侍にまつわる、いい話もあったよ。