のほほん書斎(日高茂和)

報道と対策と他人のセイの代償

「レバ刺」が法の規制により店で食えなくなる。

売っている店もそんじょそこらには無いから、事実上食えなくなるのだ。

報道の影響と行政の対策と、自分に都合の悪いことを他人のセイにする習性を身につけた国民
が支払うことになった代償である。

発端となったのは、とあえる焼肉店の出したレバ刺からの食中毒事件である。

この、事故の発生から報道発達による現象周知の迅速については、語るまでもない。

この「フラット化する」世の中にあって、私はこの情報伝播には、何ら批判的見解を

持ってはいない。

しかし、おおかたの事件報道は、加害者が引き起こした苦しみ悲しみを強調するのが

現今の風潮である。

そして、行政当局は「対策」と称して何かを禁止する。

よく、公共施設の入り口などに、立ち入り禁止のチェーンなどが張られているのは、その

象徴である。

法的な規制がしかれれば、たちどころに長い年月をかけて培われてきた食文化を含めたあら

ゆる文化は崩壊する。

・・・・・

すべての行動にはリスクがつきものである。

食文化も、猛毒のフグやキノコを含めて、長い年月をかけての先祖たちのトライ&エラー

のくりかえしのたまもので、今日美味しくて栄養のあるものを楽しむことができているのだ。

・・・・・

これまでにも、何かにあたって中毒したり死んだりした人は、お気の毒ながらけっこう出て

いたのだ。

ただ、それが露見しても、急速に大騒ぎする仕掛けが今日ほど発達していなかったのと、何か

あったら誰かのセイだと加害者づくりと加害者追及が流行らなかったから、食べられるものの

選択肢は広かった。

これからも、何らかの事故は起こるだろう。

そして禁止のおふれが出て、食べられないものや飲めないものが増えるだろう。

僕の大好きな魚の刺身が食えなくなる日が来ないことを祈るばかりである。
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