先日、宮崎 市定 氏 による「論語の新しい読み方」を読み終えました。
久しぶりの論語関係の本です。著者の宮崎市定氏は著名な東洋史学者。宮崎氏の著作は、以前「雍正帝―中国の独裁君主」を読んだことがあります。
本書は、その宮崎氏による論語の新解釈が中心ですが、そのほかに、他の研究者による様々な「論語の読み方(解釈)」も紹介されています。そのあたりは、かなり専門的で正直なところ私の知識や理解力では十分にはついていけませんでした。
ただ、ところどころで開陳されている宮崎氏流の「読書」の楽しみ方については、結構興味深く読むことができました。
読後感については、また私のもうひとつのBlogでお知らせします。
先日、小林 宏之 氏 による「ザ・グレート・フライト JALを飛んだ42年 太陽は西からも昇る」を読み終えました。
現在は、航空評論家として活躍している小林宏之氏の、42年間に及ぶパイロット生活の回顧録です。
小林氏の現役時代の総飛行時間は1万8500時間、日本航空が就航していたすべての国際線を飛んだ唯一のパイロット。そのフライトの中には、総理専用機の機長をはじめ、湾岸危機・イラン/イラク戦争時の邦人救出機の機長といった特別なミッションも含まれています。
本書の内容は、その小林氏自らの筆による現場経験からの肉声だけに、語られるエピソードのリアリティが光ります。そして、もうひとつ伝わってくるのが、JALマンとしての矜持。
読後感については、また私のもうひとつのBlogでお知らせします。
先日、西成 活裕 氏 による「疑う力」を読み終えました。
著者の西成活裕氏は「渋滞学」の提唱者。今回のテーマは「疑うことの効用」です。
本書で、著者が紹介している「疑う」ことを科学する分析スキームは「IMV分析」と呼ばれるものです。「I」は、「伝え手の真意(Intention=意図)」、「M」は、「伝え手から発せられたもの(Message=伝達情報)」、「V」は、「受け手の解釈(View=見解)」のことで、これらの組み合わせごとに議論を進めていきます。
ただ、本論半ば以降の解説は、よくある数字・統計データの見方の注意であったり、ごく初歩的な行動経済学の適用例であったりと、急に目新しさがなくなります。さらに、それぞれの項目の解説が極めて表層的で、その説得力も西成氏の著作にしてはあまりにも貧弱です。少々期待はずれ、ちょっと残念でした。
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先日、M.モーズリー/J.リンチ 両氏 による「科学は歴史をどう変えてきたか: その力・証拠・情熱」を読み終えました。
イギリスBBC製作の「科学の歴史」をテーマにしたシリーズ番組と連携して出版された本です。
「宇宙」「物質」「生命」「エネルギー」「人体」「脳」の6つのジャンルを掲げて、歴史の流れの中での「科学」の位置づけを辿っていきます。図絵が豊富で、どのジャンルをとってみても面白いエピソードが満載です。
古代から現代にいたる科学史をざっくりと振り返る意味でも有益ですし、歴史上の有名なエポックの中での科学の関わり・役割にも気づかせてくれるとても興味深い本でした。
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先日、鎌田 慧 氏 による「ぼくが世の中に学んだこと」を読み終えました。
著者の鎌田氏は、社会的弱者の立場からルポルタージュを数多く執筆しているジャーナリストです。
1960年代、日本の高度成長期の製造業の現場は、過酷な労働環境下にありました。鎌田氏は、自ら工員としてそれら工場の労働現場に入り込み、その実態をレポートしました。
本書は、その鎌田氏の若き日の実体験の紹介であると同時に、現代の若者に対する熱きメッセージのプレゼンテーションでもあります。
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