小さな恋の物語

実は、くうには恋犬がいる。
それは、近所に住むコーギー犬のモモちゃん。
いつも家の前の空き地でモモちゃんの残り香をずっと追っている。

そしてそれは、片思いではなくて両思い。
なんとなく気がついていたんだけど、今朝それが判明した。

国道沿いをいつものように歩いていると、
「モモ、だめだ。戻って来い！」
っていうおじいさんの声が聞こえた。

ふと見ると、通りの向こうの店先に（モモちゃんの家はお店屋さん）モモちゃん、おじいさん、おばあさんがいた。
モモちゃんは健気にも、くうの姿を見つけると、家から飛び出して道路を渡ってやってくる。

「あっ危ない！車...！」

軽トラのおじさんがモモちゃんに気がついて止まってくれた。ああ、よかった。おじさん、本当にありがとう。

ロミオとジュリエットのように久々の再会を喜ぶ2匹。モモちゃんは、可愛いことにリリィにも挨拶してくれる。
しかし、喜びもつかの間、モモちゃんはおばあさんに連れ戻された。
くうのことを呼んでいるのか、家の中に戻ったモモちゃんの寂しい鳴き声が聞こえ、くうも引き返そうとする...。

そんなロミオなくうちゃん、お昼寝中！モモちゃんの夢でもみてるかな！？