やれこら やれこら 昨日も今日も

自分だけはと力んでみても,膝はガクガク,息ハアハア。会話は「アレ,ソレ」そして「やれこら」。鍛えるべきは皮肉とジョーク。

バス停で  やれこら やれこら

2014-10-03 07:32:31 | 今日のやれこら
バス停の前を通ります。
しきりにバスの来る方向に顔を向けて様子を見ている「昔の女子」がいます。
バスが来る道はカーブしていて直線は20mほど,カーブから向こうは見えません。
待つ時間は長く感じます。

中学に入ったばかりの頃です。
友達と二人で“まち”に買い物に行きました。
一応「バスは,20分に一本は有る」と親から聞いていました。
その頃も時刻表は有りましたが,大雑把な目安程度です。
仮に時刻表通りだとしても,私たちは時計が有りません。
バス停の位置は今も昔も同じです。
年に何度も無い“まち”へのお出かけです。
切符も買っています。※当時は事前にバス停近くに有る店で切符を買って乗りました。
なかなか来ないバスにイライラします。
私は,何度もバスの来る方向を見ます。
時には反対車線まで出てバスの来る方を覗きます。

「落ち着けぇ,見とるけぇいうて早ようは来ん」
“なんでもよく知っていて,いろいろ教えてくれる”友達が,私に言います。
理屈ではなるほどそうですが,思春期の私には“むかっー”とくる一言でした。
「見よったら,早よ来るかもわからんがー」言い返します。
返ってきた言葉です。
「お前の眼はバスを引っ張って来られるんかぁ」
何気なく発した友人の言葉ですが,私のプライドは痛く傷つきました。
このことがあって以来,何がなんでもバスが来る方向は見ない習慣がつきました。

“あっ,バスが来る”
高校生になる頃には,カーブの向こうからバスが来るのが分かるようになりました。
残念ながら私の眼にはバスを引っ張ってくる力はありませでした。
ですが,友達より早くバスが来るのに気付くようになりました。
ついに修行の結果が出たのです。
耳です。
バス独特のエンジン音が,いろんな車の音の中から聞き分けられるようになりました。
大げさではありません,車の少なかった当時は200m先からでも判る様になりました。

現在,“あっちが痛い,こっちが不調”の体ですが,耳だけは自信が有ります。
あのころ鍛えた成果かも知れません。
友人に感謝です。
                やれこら やれこら