岩上智一郎の作品部屋(小説・絵・漫画・料理等)

著書:新宿クレッシェンド

自身の頭で考えず、何となく流れに沿って楽な方を選択すると、地獄を見ます

ウンチと青年海外協力隊TOEICの話

2024年09月05日 11時36分41秒 | 小説系記事

2024/09/05 wed

 家の隣の食堂には、年上の兄妹がいた。

 僕とは五歳離れた和史君と、二歳離れた良子ちゃんは、僕を非常に可愛がってくれた。
 いや、良子ちゃんはそうでもないか。

 学校が終わり塾に行く時間が空いている時は、いつも遊びに連れて行ってくれた。

 

 近所のデパートへ遊びに行った時、僕はウンチをしたくて溜まらなくなった。

 トイレに飛び込むと大便用のドアにはすべて鍵が掛かっている。
 その場で足をバタバタさせながら足踏みしたが、十分経っても誰も出てこない。


「龍ちゃんまだー?」
 和ちゃんがトイレに入ってきた。

 ウンチをしたと思われたくないし、僕は我慢して一緒にトイレを出る事にする。

 良子ちゃんは不機嫌そうに外で待っていた。


「龍ちゃん、遅いよー」

 まったくいつもプリプリしやがって、こいつ……。


 良子ちゃんは本当に変わった子だ。


 僕らがもっと小さい時の話だけど、うちのお風呂で一緒にお風呂に入っていたら、突然良子ちゃんは、僕と和ちゃんのチンチンを見て、「それ、なーに?」と不思議そうに聞いてくる。

 よく見ると、良子ちゃんにはチンチンがない。
 ビックリした僕は、「良子ちゃん、どこかにチンチン落としちゃったんじゃないの?」と言った。

「えっ! どうしよ? チンチン落としちゃった。チンチン落としちゃった……」
 そう言いながら股間を両手で押さえ、風呂場を飛び出し家に帰ってしまった。

 あとで数ちゃんから聞いた話だけど、和ちゃんのママに良子ちゃんはずっと「チンチン落としちゃった」と連発で泣きながら言っていたそうだ。

 この件で女の子にはチンチンが全員ないと僕は知ったのだ。

 

「うるさいなぁ」


「二人ともやめなよ。あ、屋上のゲームセンター行こうよ」

「うん」


 最年長の和ちゃんはいつもまとめてくれ、どこに行くかもすぐに決めてくれた。

 屋上へ行くと、それぞれ好きなものを勝手に眺めた。

 僕は楽しんで眺めるどろこではなかった。
 ウンチを我慢するのも限界が近づいている。

 恥ずかしさから、またトイレに行くとも言えない。

 そろそろ帰ろうかと、エレベーターの前で三人は待った。

 

 結局我慢できず、その場で漏らしてしまった。
 半ズボンの中がこんもりなっている。

 エレベーターに乗ると、あっという間に臭いが籠もりだす。
 自分でもそのうんちの臭いは強烈に感じた。

 和ちゃんは臭いで顔をしかめ、良子ちゃんだけは普通に平然と澄ましていたが、鼻だけはヒクヒクと動いていた。

 僕らだけしかエレベーターに乗っていない状況である。


 普通に考えてもこの三人しかいないのだ。
 誰かが犯人になるのは目に見えていた。

 僕は自分でウンチを漏らしておきながら、絶対に知られたくないと思った。

 


「くせっ…、誰かうんちかオナラしたろ?」

 和ちゃんがデパートの外に出た時、急にそう言い出した。
 僕の顔は真っ青になる。


「ぼ、僕じゃないよ……」
 咄嗟に僕は嘘をついた。

 そうなると、疑われるのは良子ちゃんしかいなくなる。


「わ、私じゃないよ」
 良子ちゃんも慌てて否定した。

 

 僕は、このまま良子ちゃんのせいにしてしまえばいいと名案を思いついた。

 

「和ちゃん。ウンチ漏らしたの、絶対に良子ちゃんだよ。良子ちゃん、臭いよ」

 

「私じゃない。私じゃない」
 懸命に否定する良子ちゃん。

 当たり前の話である。
 ウンチをしたのは僕なのだから。


「お兄ちゃん、私じゃないよ。臭いのは龍ちゃんだよ」
 良子ちゃんは僕を指差した。


「そんな事ないって! 良子ちゃんはいつもオナラの常習犯じゃんか」

「オナラなんか私はしないっ!」

「いつも頬っぺたをプクプク膨らませながら、ブッブッブーってオナラしてるじゃん」

「してないっ!」


 お互いに譲らない僕と良子ちゃんは、取っ組み合いの喧嘩になった。

 

「やめなって。良子も龍一も…。そっか分かった。いい方法を思いついたぞ」
 一番年長の和ちゃんは僕らを止め、原因を突き止めようとした。

 そんな余計な事なんて、しないでいいよ、和ちゃん!
 心の中で必死に叫んだ。

 僕は絶対に知られたくない。
 懸命に言い訳をした。

「いい方法なんてある訳ないよ。だって良子ちゃんが漏らしたんだもん」

「私は漏らしてない」
 良子ちゃんは涙目になっていた。


「二人とも黙って。誰が漏らしたか分かるいい方法があるんだ」

「どうするの?」
 不思議そうな顔で良子ちゃんは、和ちゃんに聞く。

 

 和ちゃんはニヤリと不適な笑みを浮かべながら言った。

「それはね、俺が一人一人お尻の臭いを嗅げばいいんだよ」

 

 そんな事されたら一発で僕だとバレてしまう。
 必死になって抵抗した。


「や、やだよ。そんな事されるんの嫌だよ」

 

 

「おいおい、ちょっと。うちの店の前でそんな会話しないでくれよ」

 ホットドック屋のおじさんが、僕たちを見て怒っていた。
 確かに商売の邪魔になるという以外、言いようがない。

 

 僕はバレるのが嫌で、家に向かって一目散に逃げた。

 


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俺の2つ年上の良江ちゃんと、

 

5つ年上の一ちゃん兄妹には幼少の頃本当に色々遊んでもらった

※一ちゃんはウインマリリンなどの馬主でもある

長男の一ちゃんは、テレビ局のプロデューサーをやっていたのに、

離婚してから青年海外協力隊の上の職員をやり始め、

ずっと世界を飛び回っている

一度本出したあとだから、2009年くらいに一ちゃんから「智ちゃんも海外おいでよ」と言われ

当時その気になったものの……

「僕の幼馴染という事でTOEICを730くらいないと駄目なんだけど、680くらい取れれば大丈夫なようにしとくからさ」と言われ……

TOEICってと調べたらビジネス英会話の事で、ちょっとやってみた

 

もうね、話にならない(笑)

何を話しているのかすら分からないレベル(笑)

「一ちゃん、俺はTOEIC無理!」と伝えると、「それは智ちゃんがやろうとしないからであって、やる気になればできるって」と諭された

 

でもね、人には得手不得手ってもんがあってね、俺はTOEICは絶対無理と、激しく断りました(笑)

 

シンクロニティっていうのかな

2012年の頃俺は横浜にいて、たまたま地元の川越へ戻ってきた時、当時ジンバブエにいた一ちゃんと道でバッタリ会ったの

一ちゃんもたまたまジンバブエから川越に用があって戻ってきた時らしいんだけど、これって凄い偶然だよね(笑)

 


 

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