形之医学・しんそう療方 小石川院長 エッセー

昭和の頃、自然と野遊び、健康と医療のことなど。

ノルディックスキー

2011-02-15 20:02:14 | 自然と野遊び

20代後半の2年間、仕事で山形に住んでいた。 ちょうど行ったのが暮れの
粉雪の舞う寒い時期で、休みにはいとこに誘われて、蔵王の坊平によくスキー
に行った。 日曜日に行くのだが、むこうは冬はすることがないので、休みの
前日はよく飲み会をする。 それにみんな酒がとても強い。 なので、たいてい
二日酔いの状態でスキーに行くはめになる。 チェーンを巻いた、
いとこの車の後部座席でへばって寝ていくと、チェーンの端がガンガンと
凄い音で車に当たり、それが二日酔いの頭に響いてつらい。

坊平にはいとこの友人夫婦がやっているペンションがある。 奥さんは
元スキー回転の学生チャンピョンで、初心者の私のスキー用具一式をみつく
ろってくれた人だ。 顔の広い人らしく、ペンションにはなぜか北欧の人が、
入れ替わり立ち代わり泊まりに来ていた。

向こうの人のスキーは面白い。 ノルディックというそうだが、ゲレンデで滑るより、
人の入らないような森の中を、かなり細長いスキーで歩き回る。 
普通の日本のスキー靴は、板にがっちり固定されているが、歩くスキーは踵が
板から持ち上がるから、見ていると何かヘンな感じだ。
「キミたち、スキーは滑るものじゃないの~?」 と言いたくなるが、
きっと向こうの人たちは、森の中をスキーで移動する生活の延長としての、
スキーなのだろう。 スキーでいえば日本人は新参者なのだ。

朝、朝食を終えて滑りにゲレンデに行こうと外に出ると、彼らはペンションから、
ゲレンデには向かわず、すぐ近くの雪深い森の中に消えていく。 
見慣れない光景で不思議な感じがした。 スキーの跡などついていないところでも、
平気で入り込んでいく。 それも滑るというより、歩く。

昼飯を食べにもどろうと歩いていると、突然、森の中から熊のような大男が
出てきて、びっくりした。

                      
形之医学・しんそう療方 東京小石川
http://www.shinso-tokyo-koisikawa.com/


[ 警告]当ブログ内に掲載されているすべての文章の無断転載、転用を禁止します。すべての文章は日本の著作権及び国際条約によって保護を受けています。Copyright shinso koisikawa. All rights reserved. Never reproduce or replicate without written permission.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする