形之医学・しんそう療方 小石川院長 エッセー

昭和の頃、自然と野遊び、健康と医療のことなど。

心の傾斜

2011-12-09 18:23:33 | Weblog

自分では理由がよくわからないが、なぜか心惹かれるものって
誰にもあるのではないだろうか。 心の傾斜といってもいい。 
いろいろなものについてあると思うが、私の場合、一つは冬の景色だ。 
これがなぜなのかどうもわからない。

考えられるのは、私が北国の山形の生まれだからかと思う。
しかし生まれてまもなく、両親に連れられてずっと東京に住んでいた。

かなり昔の映画に、リチャード・バートンが主演で、若い頃のクリント・
イーストウッドも出ている「荒鷲の要塞」という戦争アクション映画が
ある。 これを飽きもせず繰り返しビデオで見ていた。 冬の山岳地帯
にあるナチスの要塞に潜入して、連合軍の機密情報をドイツ軍に漏らし
ているスパイを探り出すという映画。

見過ぎて一度テープがだめになり、買い換えて何回見たかわからない。
スジはもちろん、次に何を言うか、セリフも憶えてしまっているのに、
自分でも妙だなと思っていた。 あるとき、この映画にふんだんに出てくる、
雪景色をぼんやり見ている自分に気がついた。

冬の沢もいい。 冬の沢などというと、寒いのが苦手の人は驚くかもしれない。
冬枯れの落葉樹の葉が落ちた、明るく澄んだ沢にカーンッと響く感じが好きなのだ。 
木の葉が少ないので音が冴えて広がり、キツツキの木を突く音などは谷全体に
響き渡る。 冬の禅の厳しい雰囲気に憧れ、霜柱をザクザク踏みながらの
剣の稽古も好きだった。 遺伝子の中にそういうのがあるのかな。
                    


形之医学・しんそう療方 東京小石川
http://www.shinso-tokyo-koisikawa.com/



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