自分では理由がよくわからないが、なぜか心惹かれるものって
誰にもあるのではないだろうか。 心の傾斜といってもいい。
いろいろなものについてあると思うが、私の場合、一つは冬の景色だ。
これがなぜなのかどうもわからない。
考えられるのは、私が北国の山形の生まれだからかと思う。
しかし生まれてまもなく、両親に連れられてずっと東京に住んでいた。
かなり昔の映画に、リチャード・バートンが主演で、若い頃のクリント・
イーストウッドも出ている「荒鷲の要塞」という戦争アクション映画が
ある。 これを飽きもせず繰り返しビデオで見ていた。 冬の山岳地帯
にあるナチスの要塞に潜入して、連合軍の機密情報をドイツ軍に漏らし
ているスパイを探り出すという映画。
見過ぎて一度テープがだめになり、買い換えて何回見たかわからない。
スジはもちろん、次に何を言うか、セリフも憶えてしまっているのに、
自分でも妙だなと思っていた。 あるとき、この映画にふんだんに出てくる、
雪景色をぼんやり見ている自分に気がついた。
冬の沢もいい。 冬の沢などというと、寒いのが苦手の人は驚くかもしれない。
冬枯れの落葉樹の葉が落ちた、明るく澄んだ沢にカーンッと響く感じが好きなのだ。
木の葉が少ないので音が冴えて広がり、キツツキの木を突く音などは谷全体に
響き渡る。 冬の禅の厳しい雰囲気に憧れ、霜柱をザクザク踏みながらの
剣の稽古も好きだった。 遺伝子の中にそういうのがあるのかな。
形之医学・しんそう療方 東京小石川
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