みなさん、こんにちは ドライアイってみなさん ごぞんじですよね。そう簡単に言うと乾き目なんですけど、程度によって実に様々な症状を呈します。
ドライアイの一般的な症状ですが、
不快感 ゴロゴロする 乾く 痛い 疲れる
見えにくさ かすみ まぶしい 見えにくい などがあげられます。
単に乾き目だけではないんです
ドライアイの治療は従来から補水するために人工涙液の点眼やヒアルロン酸製剤(ヒアレイン点眼、ティアバランス点眼など)が広く使われてきました。
ムコスタ点眼液が発売されてからはムチンという言葉が良く使われるようになりました。
ムチン (mucin) は動物の上皮細胞などから分泌される粘液の主成分として考えられてきた粘性物質である。粘素と訳されることもある。植物にも含まれるほか、一部の菌類も分泌する。
実際には分子量100万~1000万の、糖を多量に含む糖タンパク質(粘液糖タンパク質)の混合物であり、細胞の保護や潤滑物質としての役割を担っている。
動物の分泌する粘液にはほぼ全てムチンが含まれており、口腔、胃、腸をはじめとする消化器官や鼻腔、腟、関節液、目の表面の粘膜は、すべてムチンに覆われているといえる。また、ウナギをはじめとする一部の魚類特有の体表のぬめりもムチンである。
ムコスタはご存知の方が多いと思いますが胃の粘膜保護のお薬です。それを点眼薬にすることで目の粘膜を保護する効果があったということですね。
名前の由来はMucosal+Srabilizer(粘膜の安定化)だそうです。
眼の話になりますが、目のムチンの役割は以下のようなものがあります。
・涙液の保持
・眼表面を潤滑にする
・スムーズな球面を形成し、良好な視力を獲得
・眼表面のバリア機能
・病原体やデブリスを捕獲し取り除く
専門的には難しいので理解しやすくするためにちょっと違うけどこうやって考えてみましょう
ムチンには膜型ムチンと分泌型ムチンがあります。涙を絡めるためのものと考えて差支えないです。ムチンは結膜にあるゴブレット細胞から主に分泌されます。
粘りがあり、水層を眼の表面にとどまらせる接着剤のような役目があります。
膜型ムチンは「ごきぶりホイホイ」の粘着シートのように涙を角膜上によせつけます。分泌型ムチンは涙液中に放出されハエ取り紙のように涙液中にフラフラ漂流し涙の安定化をはかるのです。
大塚製薬の医療向けサイトに動画がありましたのでそのキャプチャー画面を供覧してイメージをつけてもらおうと思います。
涙は角膜側の水/ムチン層に膜型ムチンと分泌型ムチンがあります。膜型ムチンは角膜上にあるヒゲのようなマイクロビライという茶色の産毛のような細胞にからまっています。
それがドライアイの症状を起こすと
正常の目に比べて膜型ムチン、涙液中の分泌型ムチンともに減少している様子がわかりますね。
ついに涙液が不安定になり角膜がむき出しになってしまい。角膜にキズができてしまうのです。
分泌型ムチンのイメージ図ですが上ではハエ取り紙と例えましたが試験管ブラシのように涙をからめてよせつけるイメージでいいと思います。
同様に膜型ムチン(ゴキブリほいほいのシード)は角膜側にあるようなイメージです。
結膜上にある釣鐘型のゴブレット細胞から分泌型ムチンが分泌されます。
ドライアイが進行してくると涙液の減少のみならずムチンの減少をきたします。
上皮障害を起こしている角膜は膜型ムチンが脱落しているようです。
結膜ではさきほど正常眼で見られた釣鐘型ゴブレット細胞もやせこけてしまいます。こうなってしまうと涙液中の分泌型ムチンも十分な量たもてなくなりますよね。
そこで今回紹介したムコスタ点眼薬を使用することで下の図のようにムチンの分泌を改善させる働きよりつりがね型ゴブレット細胞も復活しドライアイ症状を改善できるというのが簡単な説明です。
最後に薬価(お薬の値段)ですが1本26円 1日4回使用で月額3000円程度。3割負担の方で約月額900円程度になります。1日あたり30円程度です。
自覚症状の強いドライアイの患者さん、ご相談下さい。
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