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城西雑録--日々のあれこれとよもやま。

進京亭賛江

2014-04-07 | ラーメン専科(京王線限定)
 わたしが生まれる前の話です。
 戦争が終わって、満州から多くの邦人が、幾多の悲劇を生みながら命からがら内地へ引き揚げてきたわけですが、引揚者の少なからずの方々が、とりあえずの仕事として、飢えに苛まれた内地で、飲食店を開業したそうです。
  進京亭さんの場合は、京王線と東急世田谷線の下高井戸駅の南口で開業し、満州風のニンニクの効いた大ぶりの揚げ餃子と「名代玉子いり手打ち麺」を提供しました。
 この初代の店は、ここを乗降駅とした日大とかの学生の往来もあり、とても繁盛していたそうです。

 それから、半世紀余を経て、下高井戸にあった店は、すでに廃業して、その場所では、代わりに銀行が営業しています。
 でも、そこで修行をした方々なのでしょうか、屋号を同じくして、「名代玉子いり手打ち麺」を提供する店が、わたしの知る限り、千歳烏山、桜上水、板橋の3か所に生まれました。
 きょう(7日)の昼食は、そのうちの桜上水の、知っている人は知っているけれど、知らない人は誰も知らないという評判店「進京亭」で、ワンタンメンを頂いてきました。

 カウンター席だけ、定員8人ほどの恐ろしく小さく狭い店で、いつも空き席待ちの客が店外に並びます。
 讃岐うどんではないかと見間違うほどの太い縮れ麺が、その「名代玉子いり手打ち麺」です。
 おそろしく量も多いが、旨いものです。
 地元のなじみ客(主人と挨拶)とか、ラーメン巡礼客(写真をお取りでした)とか、建築作業員の方々(「ここ、旨いんだ」と仲間うちで会話)とか、水商売の姐さん2人(入り待ちの客がいるのに昼からのったりとビール!)とか、が、居合わせた客の顔ぶれでした。
 店内のBGMは、「ブルーライトヨコハマ」「浪花節だよ、人生は」とか。――前日のオペラ歌曲「韃靼人の踊り」もなかなかのものでしたが、こっちもなかなかの取り合わせでした。。よ。