筑紫の国から『花つくし日記』

福岡から情報発信の山野草・庭の花などをテーマにしたブログです。
お花紹介は九州に咲く季節の花がメインですよ。

●『源氏物語』27帖 篝火(かがりび) 光源氏、玉鬘と添い寝する

2024年10月20日 | xx源氏物語

『源氏物語』27帖 篝火(かがりび)
光源氏、玉鬘と添い寝する
光源氏36歳秋 太政大臣時代
玉鬘22歳/夕霧15歳/柏木20歳

[篝火に照らし出される玉鬘の美]
7月初秋の頃、光源氏玉鬘のもとにいて和琴を枕に添い寝した。
人目を気にして立とうとすると、篝火の勢いが落ちていたので一際明るく灯させた。その光に映えた玉鬘の姿はなやましいばかりに美しかった。

巻名は光源氏と玉鬘が交わした贈答歌にちなむ。
篝火(かがりび)にたちそふ恋の煙こそ世には絶えせぬほのほなりけれ」
「行く方なき空に消ちてよ篝火のたよりにたぐふ煙とならば」


※写真は、「かがり火」/無料(フリー)写真素材を使用

折から、花散里の住む東の対から、夕霧柏木らの合奏する笛と琴の音が聞こえてきたので、彼らを招いて演奏させた。
柏木は実の姉とも知らず、玉鬘に思いを寄せていた。
一方、柏木を弟と知る玉鬘は父譲りの柏木の和琴の音色に耳を傾けていた。


【源氏物語27帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。

玉鬘(たまかずら)
頭中将と夕霧の娘。光源氏の養女となる。
源氏が放った蛍の光により、蛍兵部卿宮が玉鬘の姿を見るシーンがある。
光源氏も玉鬘を恋慕するが、最終的には強引な形で髭黒大将の妻となる。

夕霧(ゆうぎり)
光源氏と葵の上の息子。
イケメンだが、真面目で恋愛下手である。雲居の雁と妾の藤典侍だけしか
妻がいなかったが、柏木の没後、未亡人の落葉の宮に惹かれ、妻とする。

内大臣(もとの頭中将(とうのちゅうじょう))
左大臣家の息子であり、光源氏のいとこ。葵の上の兄である。光源氏にとっては親友であり、恋のライバルでもある。
夕顔との間に娘(玉鬘)をもうける。

柏木(かしわぎ)
頭中将の長男で、従兄弟の夕霧とは友人である。
血筋の高貴な内親王と結婚したいという強い理想を持った青年。
女三の宮の姿を垣間見して恋に落ち、密通の罪を犯す。
女三の宮は柏木の子を出産し、柏木は罪の意識により病気になり、亡くなる。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』26帖 常夏(とこなつ) 内大臣のもう一人の娘、近江の君

2024年10月13日 | xx源氏物語

『源氏物語』26帖 常夏(とこなつ)
内大臣(もと頭中将)のもう一人の娘、近江の君
光源氏36歳夏 太政大臣時代
玉鬘22歳/近江君?歳/夕霧15歳

[無教養な近江君]
内大臣(もとの頭中将)は、娘の近江君(母は某女)を引きとります。
近江君は軽口の無教養な女で、世間の評判になっていた。
真夏のある日、光源氏は釣殿に涼み、近江君を話題にして内大臣の処置を皮肉った。
その日の夕方、光源氏玉鬘を訪ね夕霧(息子)と雲居雁(内大臣の娘)との恋愛事件のいきさつを語った。
玉鬘は養父である光源氏と、実父である内大臣の仲の悪さを悲しんだ。
内大臣は娘の弘徽殿女御に近江君の教育を託し、行儀見習いに出すことにしました。

巻名は光源氏と玉鬘が常夏の花(撫子)を詠んだ和歌にちなむ。
なでしことこなつかしき色を見ば
                                  もとの垣根を人や尋ねむ」

【常夏(とこなつ)】《夏から秋にかけて咲くところから》ナデシコの古名。

※写真は、「常夏(とこなつ)・繊細な花びらナデシコ」/無料(フリー)写真素材を使用

光源氏の娘、玉鬘の評判が良いのもうらやましく、行方の分からない夕顔との娘を帝の后にできないかと探しますが、その娘こそ玉鬘だと知らないのです。


【源氏物語26帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。

夕霧(ゆうぎり)
光源氏と葵の上の息子。
イケメンだが、真面目で恋愛下手である。雲居の雁と妾の藤典侍だけしか
妻がいなかったが、柏木の没後、未亡人の落葉の宮に惹かれ、妻とする。

内大臣(もとの頭中将とうのちゅうじょう))
左大臣家の息子であり、光源氏のいとこ。葵の上の兄である。光源氏にとっては親友であり、恋のライバルでもある。
夕顔との間に娘(玉鬘)をもうける。

近江の君(おうみのきみ)
頭中将の娘。
光源氏が美しい玉鬘を引き取ったことをうらやましく思い、探し出してきた娘である。
(実は玉鬘は頭中将の娘)早口で教養がなく、笑われ役である。

雲居の雁(くもいのかり)
頭中将の娘であり、夕霧の正室。
夕霧とは幼馴染で、二人とも大宮に育てられた。子だくさんであった。
夕霧が落葉の宮に心を寄せるようになった際には嫉妬するシーンが描かれている。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』25帖 蛍(ほたる) 蛍のいたずらで求婚者をからかう養父

2024年10月06日 | xx源氏物語

『源氏物語』25帖 蛍(ほたる)
蛍のいたずらで求婚者をからかう養父
光源氏36歳夏 太政大臣時代
玉鬘22歳/紫の上28歳/夕霧15歳/柏木20歳

[蛍火に照らし出される玉鬘の美]
光源氏玉鬘に思いを打ち明けておきながら、自分の弟、蛍兵部卿宮(ほたるひょうぶきょうのみや)玉鬘の相手に選び、ふたりをけしかけて楽しみます。五月雨の夜、兵部卿宮(源氏の弟)が玉鬘を訪ねます。
光源氏は折を見てたくさんの  を玉鬘の顔の辺りに放った。

その光に照らされた玉鬘の美しさに兵部卿宮は魅せられてしまった。
昆虫の「蛍」がその巻名になっています。

※写真は、「蛍の光」/無料(フリー)写真素材を使用

[物語論]
そのころ、光源氏は絵物語に熱中している玉鬘のもとにきて、玉鬘を相手に物語論を展開した。

[夕霧の恋]
夕霧は相変わらず雲井雁を恋しく思い続け、仲を引き裂いた内大臣(もと頭中将)を恨んでいた。


【源氏物語25帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。

玉鬘(たまかずら)
頭中将と夕霧の娘。光源氏の養女となる。
源氏が放った蛍の光により、蛍兵部卿宮が玉鬘の姿を見るシーンがある。
光源氏も玉鬘を恋慕するが、最終的には強引な形で髭黒大将の妻となる。

蛍兵部卿宮(ほたるひょうぶきょうのみや)
桐壺帝の皇子で、朱雀帝、光源氏の異母弟。「蛍」の主要人物であることからこの名で呼ばれる。(藤壺の兄の兵部卿宮とは別人)


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』24帖 胡蝶(こちょう) 多くの男性をとりこにする玉鬘

2024年09月29日 | xx源氏物語

『源氏物語』24帖 胡蝶(こちょう)
多くの男性をとりこにする玉鬘
光源氏36歳春-夏 太政大臣時代
紫の上28歳/玉鬘22歳/秋好中宮27歳

[春の御殿で舟楽]
3月下旬、六条院の春のご殿で舟楽が催された。光源氏は春の町で船楽(ふながく)を催し、秋の町からも秋好中宮方の女房たちを招きます。夜も引き続いて管弦や舞が行われ、集まった公卿や親王らも加わります。

六条院は爛漫たる春を迎えて、光源氏龍頭鷁首(りょうとうげきしゅ)の船を池に浮かべ、管弦の遊びを催されます。

※写真は、「龍頭船」/無料(フリー)写真素材を使用


春に日のうららにさして行(ゆ)く舟は
    棹(さお)のしづくも花ぞちりける

■訳
「春の日がうららに射す中に掉さす舟は、その棹からしたたる雫までも花のようにきれいに散りますこと」


大勢の賓客が集まるこの日は、玉鬘にとっての社交界デビューの日でもありました。

翌日、秋の町で中宮による季の御読経が催され、船楽に訪れた公卿たちも引き続いて参列した。紫の上は美々しく装った童たちに持たせた供養の花を贈り、中宮と和歌を贈答した。

巻名は紫の上秋好中宮が贈答した和歌にちなむ。
「花ぞののこてふをさへや下草に秋まつむしはうとく見るらむ」
こてふにもさそはれなまし心にありて八重山吹をへだてざれせば」

※写真は、「蝶」/無料(フリー)写真素材を使用

胡蝶は、蝶の別名。平安時代は、「こてふ

[玉鬘、言い寄られる]
玉鬘の美しさは評判となり、たくさんの恋文が集まります。
光源氏の弟の蛍兵部卿宮は妻にと望み、内大臣の子の柏木は実の妹とも知らずに思いを寄せ、源氏もその美しさに心惹かれていた。
光源氏があまりにも玉鬘を褒めるので、紫の上はおもしろくない。
玉鬘は迫ってくる養父・光源氏に嫌悪感さえ抱きます。


【源氏物語24帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。

紫の上(むらさきのうえ)
幼い頃は、「若紫」と呼ばれる。
藤壺中宮の姪であり、顔がよく似ている。光源氏が生涯で最も愛した女性。光源氏は、紫の上が幼い頃に自宅にひきとり、育てて結婚した。
正妻ではないが、正妻格として周囲から扱われている。子はできないが、光源氏と明石の君の娘明石の姫君を養育する。

秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)
前の東宮(桐壺帝の弟)と六条御息所の娘。冷泉帝のもとに入内し、中宮となる。
光源氏は秋好中宮に興味は持っていたが、かつての恋人の娘なので遠慮し、後見役に徹した。

玉鬘(たまかずら)
頭中将と夕霧の娘。光源氏の養女となる。
源氏が放った蛍の光により、蛍兵部卿宮が玉鬘の姿を見るシーンがある。
光源氏も玉鬘を恋慕するが、最終的には強引な形で髭黒大将の妻となる。

柏木(かしわぎ)
頭中将の長男で、従兄弟の夕霧とは友人である。
血筋の高貴な内親王と結婚したいという強い理想を持った青年。
女三の宮の姿を垣間見して恋に落ち、密通の罪を犯す。
女三の宮は柏木の子を出産し、柏木は罪の意識により病気になり、亡くなる。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』23帖 初音(はつね) 六条院の正月

2024年09月15日 | xx源氏物語

『源氏物語』23帖 初音(はつね)
六条院の正月
光源氏36歳正月 太政大臣時代
紫上28歳/明石の君27歳/明石の姫君8歳/玉鬘22歳/夕霧15歳

[六条院の新春]
光源氏は六条院で新春を祝い、紫の上明石の姫君花散里玉鬘を訪ねます。その夜は明石の君のもとに泊まりました。
翌日、朝帰りの光源氏紫の上の御殿に戻ったが機嫌をとるのが大変だったようです。
数日たって、光源氏は二条院の東院に末摘花空蝉を訪ねます。


巻名は明石の御方が明石の姫君に送った和歌にちなむ。
「年月を松にひかれて経る人に
      今日(けふ)(うぐひす)初音聞かせよ」


※写真は、「ウグイス」/無料(フリー)写真素材を使用

初音は、その季節に初めて鳴く声。うぐいす・ほととぎすについていうことが多い。
※写真は、「新年のあいさつ」/無料(フリー)写真素材を使用

光源氏の求愛を拒み続けて出家した空蝉も、この邸で静かに仏道に励んでいます。光源氏は新年のあいさつに愛しい人達を訪ねるのに大忙しです。


【源氏物語23帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。

紫の上(むらさきのうえ)
幼い頃は、「若紫」と呼ばれる。
藤壺中宮の姪であり、顔がよく似ている。光源氏が生涯で最も愛した女性。光源氏は、紫の上が幼い頃に自宅にひきとり、育てて結婚した。
正妻ではないが、正妻格として周囲から扱われている。子はできないが、光源氏と明石の君の娘明石の姫君を養育する。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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