防人の歌 (万葉集より)
万葉集/巻20-4323 作者/丈部真麻呂(はせつかべのままろ)
時々(ときどき)の 花は咲けども 何すれそ
母とふ花の 咲き出(で)来ずけむ
【意味】季節が変わるそのたびごとに 花はいろいろ咲くけれど
どうして母という名の花の 咲き出たことはないのだろう
※「とふ」〈といふ〉の転。
※「咲き出来ずけむ」〈けむ〉過去の原因推量。
〈咲き出して来なかった〉原因を問うている。
※この一首は、防人(さきもり)山名郡(やまなのこおり)の丈部真麻呂。
※「山名郡」静岡県磐田市から袋井市にかけての一帯。
「万葉の歌」に触れて、万葉時代にタイムスリップしてみませんか。
防人・・・➡「 崎 さき 守 もり 」の意味
古代、筑紫(つくし)・壱岐・ 対馬 など北部九州の防備に当たった兵士。 663年の 白村江 はくそんこう の戦い以後制度化され、初め諸国の兵士の中から3年交代で選ばれ、のちには東国出身者に限られるようになった。
防人歌(さきもりのうた)とは、九州沿岸の守りについた防人の詠んだ歌。 また、その家族などが哀別の情を詠んだものをもいう。 万葉集の巻14・巻20にあります。
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