次の日妻がラインで写真を送ってきた。
「移動していて庭の隅にいた」
「なんか少し顔色良くなったんじゃない?」
「カエルの顔色ねえ」 妻が笑った。
「土の上だと餌が見辛いと思って新聞紙引いてその上にミルワーム置いたら食べた」
ここまでのめり込んだらもはや病気。
夜、隣の息子が仕事から帰って来たのを察して妻が
「カエルの餌やり、見る?」
動物好きの息子が車を車庫に入れてやって来た。
「この子?」 息子が玄関で1匹のカエルを摘み上げた。
「あれ、その子じゃない。それ違う子」 息子が放したらぴょんぴょんと元気よく逃げて行った。
我が家ではカエルの出入りが盛んである。
今日昼食に帰って来る時、カエルを探したがいなかった。
「カエル見た?」
「いなかった」
「いるわよ。教えてあげる」
紫陽花の木の下にひっそりと潜んでいた。
「元気ないね。仕事場の庭で死んだ子と同じ感じ」
「死んだらあなたが埋めてよ」
我が家では、猫も雀も蛙も「子」である。