二刀流 (羽生結弦と大谷翔平)

大谷翔平のMLBの試合の感想

9月14日(土) ATL(A) 第2戦

2024-09-15 | 試合の感想
https://www.mlb.com/gameday/dodgers-vs-braves/2024/09/14/747070/
https://baseballsavant.mlb.com/gamefeed?gamePk=747070
https://sports.yahoo.com/mlb/los-angeles-dodgers-atlanta-braves-440914115/

 昨日に続き、今日も試合に影響を与えるエラー、エラーにならない拙い守備が、LADの先発投手の足を引っ張ることになった。
Jack Flahertyは、前回、熱波[39.4℃]の中、7回1/3と長いイニングを投げていた為、その悪影響はやはりあったと言える。HHされる割合が高かった。
味方エラーに対して、メンタル面で弱いタイプであるため、ダメージコントロールすることが出来なかった。
83-45 [54.2%] 3.0回 5H 4ER 4BB 4K で再び、先発投手が長いイニングを投げられず、序盤で交代と10連戦中のBullpenに大きな負担となった。


LADの野手の「Outs Above Average,2024」(Game Day Video内、試合前のデータ)

LF:T.Her -9  CF:Edman -1  RF:Betts -3

3B:Muncy -1 SS:Rojas +12 2B:K.Her +1 1B:Freeman -1

 Bettsは今季怪我で離脱していた期間が長いため、先発100試合でSS 65G、RF 28G、2B 17Gとサンプル数は多くない。
今日の試合の、三回表 先頭打者の右翼左後方への大きな当たり[100.3 33 381 .450 5/30]に対する守備は、ボールの追い方が最初からおかしかったし、
壁際でジャンプしながらグラブに当てたものの、掴み損ねて二塁打にしてしまった。試合を分けた1Playといえる。
もう一本、初回の2outからのOlsonの先制点となった壁際の飛球[98.1 36 369 .170 12/30] は、身長の低いBetts[175cm]には厳しく、真下に入った状態では、高く飛び上がるのは難しかった。
実際に記録されたエラーは6回裏 1-6で 1out満塁の場面のOlsonの右翼線二塁打の内野への返球だった。(K.Herが中継し、送球がワンバウンドで弾いた場面)
結果的に1-6から1-9になり、勝敗は決してしまった。

 また、Bettsは攻撃面では昨日指摘したように、初回、1番大谷が四球で出塁したものの、初球を打って内野ゴロDP☓☓と完全に攻撃ムードが切断されてしまった。
数球待てば、大谷が二盗を試み、2番Bettsはカウントが悪くなっても進塁打を打てば、1out三塁という得点機会を創出できていただろう。
 相手先発のChris Sale (L)が 初回 4/10 [40.0%] と荒れ球だっただけに、好投手に対する通常のスタンス『球数をできるだけ投げさせる』で臨んでいれば、活路は見いだせたはず。
大谷翔平の「50-50」への道の「47-49」の機会を奪った意味においても、痛すぎるダブルプレーとなった。この後、3番T.Herが二塁打で三塁を狙ってoutになったのもSaleを助けてしまった。
(2out二塁も、2out三塁も、単打で得点という意味においては同じ) わずか10球で回が終了し、LADにとって初回から失態と言える攻撃になってしまった。    

外野守備 Outs Above Average (baseballsavant)

[レギュラー] T.Her. -9  Edman ±0  Betts +1
[控え] Taylor ±0、K.Her +1、 Kiermaier +11、 Pages +1

 T.Herの守備力が弱いので、本来であれば、DHに回したいところだが、LADは大谷翔平が専有しているので、チーム事情により不可能。
大谷がLF守備をすれば、(たとて今季、練習不足でも) 平均以上の左翼手になれるだろうが、守備の際の怪我のリスクが大きく、また、全力での本塁送球が可能かどうか、疑問が残る。
また、T.Herは守備範囲が狭いとはいえ、試合に影響する大きなエラー、拙い守備をしているわけではない。ただ、RF守備の方が慣れている分、強肩も活かせていた。


Range(OAA)  肩の価値 / 肩の強さ   *2023年データ
足の速さ       Of Arm*

RF:Betts Total DRS 10位/235人中* 2023年:RF 107試合、2B 70試合、SS 16試合
18  /66    [パーセンタイル]
37   [2]*      RF [-4~+7 12段階]

RF(2023年)       G  Inn  Total DRS ART GFP/DME Of Arm 
 8.Jason Heyward   90 624.0   5    8   -1    -2
16.Mookie Betts    107 701.2   3    -1    2     2 
23.Teoscar Hernandez 135 1160.1   1    1   -1     1

OF:T.Her *2023年はRF専業
2 24/74
83  [1]*

  試合の悪い流れと、投手が四球などで苦しむことで野手の集中力が低下し、エラー、拙い守備が連鎖する。
 RojasのSSのプレー、Muncyの正面の強烈なあたりを逸らしたこと、など全く助けにならなかった。

3回裏 1-1 1out一二塁 Sean Murphyの強烈なSSゴロ[109.3 7 142]の処理にもたつき、ラインアウトを警戒した二塁走者を三塁封殺出来る所、
通常のDPを狙い、二塁に投げ、一塁Safeになり、2out一三塁とした場面。
ここは落ち着いていれば、三塁送球できたはず。(投手は2out一二塁の方が楽)
三塁送球-二塁転送でDPを狙った方が良かった。その後、WP-四球で2out満塁から二塁打[走者一掃 3失点]で【1-4】となってしまった。
結果的に試合の流れを決定づける1Playとなった。Bettsに要求されたPlay難度よりも容易く、名手Rojasとしては、ボーンヘッドだったと言えよう。


 試合が序盤から懸念されていたようにビハインドの状況を強いられ、大量失点により壊れてしまった。
ファンの期待は試合に勝つことよりも、大谷が[50-50]への歩みを進めることとなったが・・・・

大谷翔平
      回  点差  状況   対戦投手     カウント[総投球数](初球S=☓、B=◯)  スイングスピード EV LA 距離[ft]
第一打席 1回表 0-0 0out なし Chris Sale (L) 3-1[5]☓ ①真ん中(内)高4S[98.3] B*3 空振り ②外角低SL[80.3] B ③外角低SL[78] B ④外角中4S[97.4] B ⑤ 内角高SNK[96.5] B 四球□

第二打席 3回表 0-1  1out 二塁 Chris Sale (L) 1-2[4]☓ ①内角低上SL[80.5] 見逃しS☓ ④真ん中低め4S[98.4] 見逃し三振☓☓
                              初球の入ってくるSLは甘かった。振りに行くべきだった。 最近、低めのゾーンの直球系に手が出なくなってしまっている。 
                              打点を稼ぐチャンスであり、同点に追いつくチャンスでもあった。バットを振らなければ何も生じない。

第三打席 5回表 1-4 2out 一塁  Chris Sale (L) 2-2[6]☓ ①ど真ん中4S[96.5] F☓ ③ど真ん中4S[79.9] 空振り☓ ⑥真ん中低めSL[80.7] 投手前弱ゴロ☓☓  
                              構えの段階で投手正面から見ると、かなりのオープンスタンスで、さらにBaseから離れすぎている。あれでは外角の球は届かない。
                              ど真ん中4S・ど真ん中SLが、外角中4S・外角中SLに見えたはずだ。絶好球だったのに、どちらも打ち損じてしまう。

第四打席  8回表 1-10 0out なし Bummer (L)       LAD側が野手を投手として登板させたため、DH解除で交代。

  初回の初球の高めの4S B球を振った時点で、「(大谷の打席は) 今日は期待できない」と直感した。他の方も同様の意見だったろう。
 昨日の最終打席の反省が全く出来ていなかった。それを確認した段階で、期待値が大幅に低下した。

 大谷翔平の不振時の三要件
・B/Sの見極めが悪い
・B球をChaseする
・甘い球を打ち損じる

  今日の打席は、すべて満たしてしまっていた。非常に厳しい内容で、期待値も低く、今後数試合、(少なくともATL戦で) 不振に陥る可能性すらある危険な状況だ。
 明日の試合以降、マインドリセットして、出直していただきたい。大谷が活躍しない限り、ATLに勝つ可能性は低くなるだろう。チームとしても過去最悪レベルの危機的状況だ。

 
[追記]

   スポニチ https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2024/09/15/kiji/20240915s00001007082000c.html
> 今季6度目のブルペン入りとなった大谷は、手術後では最多となる25球の調整登板。
予定の終盤に近付くにつれ、強めの球を投じるなど、順調なリハビリをこなしている。ここまで10、10、10、15、20、25球と段階的に球数を増やしており、計画通りに進んでいる模様だ。
球団関係者によると、大谷は最速93マイル(約150キロ)をマーク。術後では最速となった。

  毎回そうだが、試合前にリハビリでの投球練習を行うことは反対だ。
 打撃が好調ならば問題ないが、個人の結果、チーム成績が出ていない以上、この時期は体力の温存とポストシーズンに向けてのコンディション調整が最も重要だ。
 シーズン中はキャッチボール程度に抑え、シーズン後に調整を開始すれば問題ない。また、シーズン中やPSに登板するのは論外だ。得るものよりも失うものの方が大きい。
 来季開幕は今季同様、海外で、日本・東京で行われる(早く仕上げる必要がある)のだから、現段階での登板はリスクが大きすぎる。

  思い起こしてほしい。LAA時代は、大谷依存度が極大化し、シーズン後半は疲労困憊状態だったが、LADにFA移籍してなお、投打両面で大谷依存度が極大化しているのは一体どういうことか。
 レギュラーシーズンをDHとして適度に休養を取りながら、“大谷が欠場してもLADは勝つ”という触れ込みではなかったか。

  試合前に25球も投げたら、実質的に試合で投げるBullpen投手と同様の負荷を負って、打席に立っていることになる。


  あまり言いたくないことだが、Tyler Glasnow (31) のドジャースと5年総額1億3650万ドル[2730万ドル/年]の契約は失敗だったと思う。
 健康であれば素晴らしい投手だが、WS第7戦まで戦う必要のあるLADの先発投手としては、球界の中で最も不適格な投手と言える。
 健康面でブレイクスルーがない限り、毎年、同様の形でPSに投げられない状況になりそうだ。LAAにおけるRendonと同様の契約になる可能性すらある。