【ML251 (Marketing Lab 251)】文化マーケティング・トレンド分析

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「THE END」 はブランドメンテナンス?

2007年02月08日 | 女性アーティストブランド価値評価・構造
 極寒の2月とは思えぬ暖かい日が続く今日この頃、私も“脱線”ばかりせず、たまには(?)アーティスト・ブランドのお話でも(来週は誕生日ですからね、関係ありませんが・・・)。

 今回は、再来週(2月21日)、ニューシングル『見えない星』をリリースされるこの方のお話です。

 2001年のデビューから5年以上。好感度は10代で最も高いものの、バラエティ豊かなナンバーを数多くヒットさせてきた実績から、40歳以上のオッサン・オバサマからの好感度も高い方です。

 価値構造の視点からみると、歌唱力・曲調・歌詞などの「基本価値」よりも、「ルックス」「ファッションセンス」など「感覚価値」の高評価が、彼女の魅力度を高めていることがわかります。

 そして、彼女を“自分に必要”だと思うようなロイヤリティの高いファンの皆様は、自然に“人に自慢したいな”と思うのです(どのアーティストでもこういう傾向があるとは限りません。例えば男の子が密かに慕う女性アーティストの場合、“自分に必要だ”と思っても他人には自慢したがらないファンもおられます)。

 ところで、細かいデータを眺めているとこんな傾向を見つけました。

1.曲は「時代遅れ」ではないものの、
  彼女自身の存在は新鮮さに欠けること


 ブランド価値評価では、「基本価値」「感覚価値」「観念価値」の各スコアは極々平均的です。飛びぬけた特徴は見られません。

 が・・・、ポコン!と一つだけ穴が空いているのが、

2.「感覚価値」の「フレッシュな感じ」

 ブランド論的にいえば、“メンテナンス”が必要ですね、というところです。

 2006年11月、中島美嘉ではなくNANA starring MIKA NAKASHIMAとしてシングル『一色』を、同年12月には“デビューアルバムにしてラストアルバム”であるこの『THE END』をリリースされました。

 2005年8月リリースのシングル『GRAMAOROUS SKY』は、アラッ!というセールスでしたが、今回のシングルとアルバムは、映画『NANA2』の調子が芳しくなかったこともあってか(最終興行収入は10億円台?)、アララ? という感じ、いや、私のお話はそれがメインではありません。

 バラードを中心に表現のバラエティの幅を広げてきた彼女が、映画とのコラボの結果(?)とはいえ、パンキッシュなキャラクターを演じ、パンキッシュな楽曲を歌ったことの意味です。

 『一色』はGLAYのTAKURO作曲・プロデュースで、『THE END』にはグラム風、グランジ風の楽曲が詰められていますが、彼女がこういう世界に“はまっている”“はまっていない”という主観的な批評・意見に大した意味はありません。

 『THE END』のエンドでシドの「MY WAY」カバーしてるけど、やり過ぎでよろしくない、という意見は別にいいんです。
 “ファッションパンク”とか言う人たちのことなどどうでもいい。ターゲットではありませんから(「セックス・ピストルズ」もファッション・パンクですからね)

 “はまっていようがはまっていまいが”、多くの作家・アーティストとのコラボの中で「MIKA NAKASHIMA」を演じても、中島美嘉は中島美嘉である、ということが大切なんです。

 ちょっと別の世界で“遊んで”から元の本領を発揮すべきフィールドで活躍する。

 中島美嘉の名前でリリースされる『見えない星』(すでにドラマやFMで流れてますよね)を聴いて彼女の魅力を再認識できればいい。おそらく“ホッとする”ファンが少なくないのでは?と思います。

 彼女のマネジメントオフィスやレーベルの方々が意図していたとは推測しがたいのですが(失礼、間違ってたらゴメンなさい)、「NANA2」企画でリリースされた“最初で最後”のアルバムによって、

結果的にブランド・メンテナンスを施してしまった

ということになりますね(笑)。

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