
こんにちわ! マーケティング・アナリスト 井上秀二です。
今回は3月以来の「女性アーティストブランド価値評価・構造」です。
このシリーズ、お久しブリトニー、というわけですね。。。
前職での調査から早1年が過ぎました。
1年も経てば、特に新人アーティストの場合、
メディア露出やリリースを重ねましたから、
認知度や好感度のデータも変化していることでしょう。
本当は1年位のタームや、リリースのタイミングでデータを取得し、
時系列での変化を見るというのが理想的なんですけどね。
続編ということで50人もの女性アーティストのデータを取る予定はございません。
数百万円かかってしまいますので・・・。
ちなみに男性アーティストの調査も計画しておったのですが、
いかんせん、実施する前に会社閉鎖が決まりましたものでして。。。
しかし、女性アーティストだけでも調査をさせて頂けたことは
感謝しても感謝しすぎるということはありません。
そんな事情の下でも、
女性アーティストの価値構造・ブランド価値評価のパターンは確立しております。
次のフェーズといたしましては「認知度」を掛け合わせた総合評価でしょうか。
**************************************************************************
タイトル写真は、上木彩矢のマキシ『ミセカケの I Love you』です。
この方の曲の初めて聴いたのは、配信サイトでB'zのカバー曲「ピエロ」を購入した時でした。
その時は、歌唱力やFemale Rock特有のテーストよりも、
あらためてB'z稲葉氏の“オリジナリティ”を再認識したものでした。
つまり、この曲も別のアーティストが歌うと“普通のロック”であり、
稲葉氏が歌うと、“稲葉節ロック”になるんだなぁ~と。
なんだかんだそんな感じで日々が過ぎ、
前職での調査で上木彩矢のデータを見たところ、大いに気になりだして、
このマキシ(↓)を購入してみたり。

マキシ『眠っていた気持ち 眠っていたココロ』
2006年3月デビューの彼女、
1年前の調査での認知度は全50アーティスト中48位と低かったのですが、
デビュー前から積極的にインディーズで活動。
ファッション誌からも大いに注目され、
コア層のブランド・イメージのコアは形成されていたようです。
よって母数は少ないものの、相当強いファンのロイヤリティを形成。
彼女を「好き」な層のCD購入比率は高かったです。
性別では男性、年代別では「20代」。
認知度・好感度とも当然「10代」が高かったですね。
(好感度は「40歳以上」でも高くなっていましたが)
インディーズ出身のロック系アーティストではよくあるパターンです。
(ヒップホップ系でも同傾向が見られますが。つまり「尖度」でしょうね)
昨年、「Mステ」に出演していた彼女を数秒だけ観て思いました。
ロックアーティストに必要な、いい意味での「ふてぶてしさ」があり、
生得的なロックテーストを持っているのではないかと。
プロモーションで「お願いします!」的な番組に出演しても、独特のオーラがあった。
最近は、女性ヴォーカリストにギターを持たせてロック色を添加させようとする傾向が強いんですが、ピンはおろか、4ピース、5ピースの女性ロックバンドのメンバーが束になってかかっても上木彩矢一人には敵わない、という感じではないでしょうか?
■価値構造
彼女の価値構造を簡潔に言えば、
ファッションセンスの良さと新鮮さが魅力度・好感度に貢献し、
時代性のある存在感がカッコいい。
ロックのフォーマット自体は決して新しくはないのですが、
長きに渡り、ドメスティックではFemale Rockerが存在しなかったのですから、
若年層にとっては「時代遅れ」ではないのでしょうね。
By the way,
以前、このシリーズについて、音楽マーケターの知人から、
「ブログでここまで書いちゃっていいの?」
と問われたことがありました。
このブログでの記述は、私の「アーティスト・ブランド論」のご紹介であり、
私が販売委託を請け負っている前職時作成マーケティングレポートの営業的な意味合いもあるのですが、数字は出しておりません。
勿論、守秘義務契約を結んだクライアント企業様のデータを流出させているわけでもありません。
さらに「価値構造」(これは2007年になって算出を始めました)で記述している内容は、
「全体」の傾向だけです。
でも、たまにはネタをお見せします。。。
以下は特定のお客様だけにお渡しするサンプル(無料)です。
今回だけですし、ここでは詳細は記述しませんが。
実は価値構造は男女で結構違ったりします。

一目見ただけで、男性のほうが価値構造が強いことがわかります。
「歌唱力」「声質」のようにアーティスト自身に備わった素養と、
「楽曲との整合性」や「時代性」の間に強い相関関係が見られます。
(「相関関係」から「因果関係」を推測し仮説を構築するのは経験則です)
対して女性は、「ルックス」「ファッションセンス」「時代性」という感覚価値以外、
魅力度・好感度と相関の強い基本価値は見当たりません。
今度は(↓)、魅力度・好感度など観念価値を高める基本価値、感覚価値の評価項目は何?
ということを性別に構造化したグラフィックです。

男女で違いますね。
男女計の数値と、男性・女性各々の数値の差を見て、
観念価値への影響度の違いをざっくりと見たのが下図(↓)です。

さらに、観念価値を高める評価項目を、
「好き」「まあ好き」の回答者ごとに構造化したのが下表(↓)です。

ファンのロイヤリティをさらに高める評価項目は何?
グレーゾーンの層にファンになってもらうため強化すべき評価項目は何?
といった仮説を導き出します。
なお、「あまり好きではない」「嫌い」との回答者の構造図もあるんですが、
こちらは「強化すべき項目」というよりは、ネックになっている項目ということになります。。。
「で、何から作るの?」ということですが、こういう表(↓)から作るのです。

これを作るのも結構大変なんですが、わたしゃ慣れてますんで大丈夫です。
ライセンス料年間数百万円の統計ソフトは使っていませんし、
ましてやアルバイトさんを雇う余裕などございませんので。。。
ただし、私が体を酷使するだけで、お安くご提供できるというメリットはあります(笑)。
今までの記事では、上記のような構造図を使わず、ざっくりと上のような表を見て記述しました。
一青窈と元ちとせの価値構造の酷似というのもありましたね(笑)。
melody.と倖田來未の比較というのもありました。
■ブランド価値評価
①デビュー直後(1年前)のファンなのでまだ“濃い”こと、
②認知度が低いこと
もあり、ファン層の拡大による変化は当然想定されますが、
それでも1年前の調査では驚異的な結果でした。
感覚価値、観念価値ともに50アーティスト中1位。
「ルックスの良さ」「時代遅れではない」(ともに感覚価値)、「魅力的」(観念価値)ともに1位。
しかも、観念価値の項目を見ると、
「魅力的」のポイントが「好感が持てる」を上回り、
口コミ誘発項目である「人に自慢したい」が「自分に必要」を上回っていました。
(なかなか見当たらないパターンです)
結構、驚異的でした。

これ(↑)は販売用レポートとは別に、
全50アーティストの平均値を50%として重みづけを行なった結果です。
左下の「感覚価値」のレーダーチャートの大きさが驚異的です。
■CD購入のキードライバー
「CD購入のキードライバー」は、観念価値全般と、
「声質」「曲の洗練さ」「曲の構成の良さ」(基本価値)、
「ファッションセンス」「ルックス」「楽曲との整合性」(感覚価値)
といったところでしょう。
ただし、感覚価値では、無料(違法)配信で楽曲を入手した回答者(10代男性の比率が高い)の評価が相対的に高いのが目立ちます。
ついでといっては何ですが、
「CD購入のキードライバー」のグラフも(↓)。

小さくて何が何だかわからないでしょうけど、こんなのを使っていますということで。
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7月25日にはニューマキシ『明日のために』がリリースされるようです。
いずれ、Female Rockerとしての“不動のポジション”を確立してほしいものです。
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お読み頂き有難うございます。
(↓)クリックの程、宜しくお願い申し上げます。
今回は3月以来の「女性アーティストブランド価値評価・構造」です。
このシリーズ、お久しブリトニー、というわけですね。。。
前職での調査から早1年が過ぎました。
1年も経てば、特に新人アーティストの場合、
メディア露出やリリースを重ねましたから、
認知度や好感度のデータも変化していることでしょう。
本当は1年位のタームや、リリースのタイミングでデータを取得し、
時系列での変化を見るというのが理想的なんですけどね。
続編ということで50人もの女性アーティストのデータを取る予定はございません。
数百万円かかってしまいますので・・・。
ちなみに男性アーティストの調査も計画しておったのですが、
いかんせん、実施する前に会社閉鎖が決まりましたものでして。。。
しかし、女性アーティストだけでも調査をさせて頂けたことは
感謝しても感謝しすぎるということはありません。
そんな事情の下でも、
女性アーティストの価値構造・ブランド価値評価のパターンは確立しております。
次のフェーズといたしましては「認知度」を掛け合わせた総合評価でしょうか。
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タイトル写真は、上木彩矢のマキシ『ミセカケの I Love you』です。
この方の曲の初めて聴いたのは、配信サイトでB'zのカバー曲「ピエロ」を購入した時でした。
その時は、歌唱力やFemale Rock特有のテーストよりも、
あらためてB'z稲葉氏の“オリジナリティ”を再認識したものでした。
つまり、この曲も別のアーティストが歌うと“普通のロック”であり、
稲葉氏が歌うと、“稲葉節ロック”になるんだなぁ~と。
なんだかんだそんな感じで日々が過ぎ、
前職での調査で上木彩矢のデータを見たところ、大いに気になりだして、
このマキシ(↓)を購入してみたり。

マキシ『眠っていた気持ち 眠っていたココロ』
2006年3月デビューの彼女、
1年前の調査での認知度は全50アーティスト中48位と低かったのですが、
デビュー前から積極的にインディーズで活動。
ファッション誌からも大いに注目され、
コア層のブランド・イメージのコアは形成されていたようです。
よって母数は少ないものの、相当強いファンのロイヤリティを形成。
彼女を「好き」な層のCD購入比率は高かったです。
性別では男性、年代別では「20代」。
認知度・好感度とも当然「10代」が高かったですね。
(好感度は「40歳以上」でも高くなっていましたが)
インディーズ出身のロック系アーティストではよくあるパターンです。
(ヒップホップ系でも同傾向が見られますが。つまり「尖度」でしょうね)
昨年、「Mステ」に出演していた彼女を数秒だけ観て思いました。
ロックアーティストに必要な、いい意味での「ふてぶてしさ」があり、
生得的なロックテーストを持っているのではないかと。
プロモーションで「お願いします!」的な番組に出演しても、独特のオーラがあった。
最近は、女性ヴォーカリストにギターを持たせてロック色を添加させようとする傾向が強いんですが、ピンはおろか、4ピース、5ピースの女性ロックバンドのメンバーが束になってかかっても上木彩矢一人には敵わない、という感じではないでしょうか?
■価値構造
彼女の価値構造を簡潔に言えば、
ファッションセンスの良さと新鮮さが魅力度・好感度に貢献し、
時代性のある存在感がカッコいい。
ロックのフォーマット自体は決して新しくはないのですが、
長きに渡り、ドメスティックではFemale Rockerが存在しなかったのですから、
若年層にとっては「時代遅れ」ではないのでしょうね。
By the way,
以前、このシリーズについて、音楽マーケターの知人から、
「ブログでここまで書いちゃっていいの?」
と問われたことがありました。
このブログでの記述は、私の「アーティスト・ブランド論」のご紹介であり、
私が販売委託を請け負っている前職時作成マーケティングレポートの営業的な意味合いもあるのですが、数字は出しておりません。
勿論、守秘義務契約を結んだクライアント企業様のデータを流出させているわけでもありません。
さらに「価値構造」(これは2007年になって算出を始めました)で記述している内容は、
「全体」の傾向だけです。
でも、たまにはネタをお見せします。。。
以下は特定のお客様だけにお渡しするサンプル(無料)です。
今回だけですし、ここでは詳細は記述しませんが。
実は価値構造は男女で結構違ったりします。

一目見ただけで、男性のほうが価値構造が強いことがわかります。
「歌唱力」「声質」のようにアーティスト自身に備わった素養と、
「楽曲との整合性」や「時代性」の間に強い相関関係が見られます。
(「相関関係」から「因果関係」を推測し仮説を構築するのは経験則です)
対して女性は、「ルックス」「ファッションセンス」「時代性」という感覚価値以外、
魅力度・好感度と相関の強い基本価値は見当たりません。
今度は(↓)、魅力度・好感度など観念価値を高める基本価値、感覚価値の評価項目は何?
ということを性別に構造化したグラフィックです。

男女で違いますね。
男女計の数値と、男性・女性各々の数値の差を見て、
観念価値への影響度の違いをざっくりと見たのが下図(↓)です。

さらに、観念価値を高める評価項目を、
「好き」「まあ好き」の回答者ごとに構造化したのが下表(↓)です。

ファンのロイヤリティをさらに高める評価項目は何?
グレーゾーンの層にファンになってもらうため強化すべき評価項目は何?
といった仮説を導き出します。
なお、「あまり好きではない」「嫌い」との回答者の構造図もあるんですが、
こちらは「強化すべき項目」というよりは、ネックになっている項目ということになります。。。
「で、何から作るの?」ということですが、こういう表(↓)から作るのです。

これを作るのも結構大変なんですが、わたしゃ慣れてますんで大丈夫です。

ライセンス料年間数百万円の統計ソフトは使っていませんし、
ましてやアルバイトさんを雇う余裕などございませんので。。。
ただし、私が体を酷使するだけで、お安くご提供できるというメリットはあります(笑)。
今までの記事では、上記のような構造図を使わず、ざっくりと上のような表を見て記述しました。
一青窈と元ちとせの価値構造の酷似というのもありましたね(笑)。
melody.と倖田來未の比較というのもありました。
■ブランド価値評価
①デビュー直後(1年前)のファンなのでまだ“濃い”こと、
②認知度が低いこと
もあり、ファン層の拡大による変化は当然想定されますが、
それでも1年前の調査では驚異的な結果でした。
感覚価値、観念価値ともに50アーティスト中1位。
「ルックスの良さ」「時代遅れではない」(ともに感覚価値)、「魅力的」(観念価値)ともに1位。
しかも、観念価値の項目を見ると、
「魅力的」のポイントが「好感が持てる」を上回り、
口コミ誘発項目である「人に自慢したい」が「自分に必要」を上回っていました。
(なかなか見当たらないパターンです)
結構、驚異的でした。

これ(↑)は販売用レポートとは別に、
全50アーティストの平均値を50%として重みづけを行なった結果です。
左下の「感覚価値」のレーダーチャートの大きさが驚異的です。
■CD購入のキードライバー
「CD購入のキードライバー」は、観念価値全般と、
「声質」「曲の洗練さ」「曲の構成の良さ」(基本価値)、
「ファッションセンス」「ルックス」「楽曲との整合性」(感覚価値)
といったところでしょう。
ただし、感覚価値では、無料(違法)配信で楽曲を入手した回答者(10代男性の比率が高い)の評価が相対的に高いのが目立ちます。
ついでといっては何ですが、
「CD購入のキードライバー」のグラフも(↓)。

小さくて何が何だかわからないでしょうけど、こんなのを使っていますということで。
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7月25日にはニューマキシ『明日のために』がリリースされるようです。
いずれ、Female Rockerとしての“不動のポジション”を確立してほしいものです。
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お読み頂き有難うございます。
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