紫苑の部屋      

観劇・絵画と音楽・源氏物語      
について語ります        

大徳川展

2007-12-02 20:45:12 | 展覧会&音楽会
徳川美術館は源氏物語絵巻全19点のうち15点をもっています。
そのうちの3点、女三宮出家の柏木二、橋姫、そして東屋二が来ました。
ところが、3点見れないのです。
1点ずつ3期に分けているのですもの。
徳川家一堂に300点公開と銘打っているのですが、
国宝級のものはみな、そんな見せ方するのは、
東博の常套手段、ということなのでしょうか。
文句のひとつも言いたいところです。
ですが、実際行ってみて驚きました、
すごい人、人、です。
HPによると、30万人突破だそうで…。
イヤはや、こんな混雑、閉口してしまいました。

徳川家の財宝は
これだけの人を惹き付けるということでしょうか。
とにかく、私は源氏絵巻だけみたかったので、
そのコーナーは比較的空いていて、助かりました。

3期目は東屋です。
浮舟は左上、
匂宮から逃れたものの、申し訳なさにうち沈む浮舟に、
中君がやさしく慰めてくれて、
ほっとして絵草子を見ている、
中君はくつろいで髪を梳いている、
という場面です。

若く美しい浮舟は、ふっくらとした顔にかかれ、
右の女房はやや細面に描き分けされている。
衣裾の赤がきれいに残っています、
さらに驚いたことに、浮舟の衣の緑青が鮮やかなことといったら!
奥間のふすま絵と手前の几帳にも、この緑青の木々がくっきり…、
描かれている絵は、残っている絵柄だけをみると、
水面に浮き島の数々、と見えます。
几帳も退色してますが、やはり浮き島です。

詞書にはない、浮舟の行く末を暗示するかのように、
絵の中に的確に描き込む絵師たち、
これも千年残った奇跡、徳川300年の治世、江戸文化に畏敬の念、です。

大徳川展をそそくさと見終わって、
木々が色づく上野界隈、歩きました。

寛永寺、
谷中霊園で徳川慶喜と中村仲蔵のお墓に
そのあと、谷根千界隈をそぞろ歩きしました。
谷根千とは、谷中根津千駄木のこと、
この辺と浅草を結ぶ東京ローカルバス「めぐりん」も走っています。
面白い店が並ぶ諏方の道、
夕焼けだんだんを降りた谷中銀座、
へび道といわれている川を埋めた道路、
谷根千の終着は、根津神社、大木の銀杏が見事です。

ueno01.jpg
近年公園内がすっきりきれいになりました。青テントの人たちはどこに行ったのでしょうね。

kaneiji.jpg
寛永寺は上野戦争で1/10に。
上野駅から西郷さんの像あたり、芸大も含めて、そのあたり一帯全部寛永寺敷地だったのです。

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谷中霊園ー桜並木

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中村仲蔵のひっそりとしたお墓

megurin.jpg
浅草と結ぶ東西めぐりんバス

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夕焼けだんだん、と名付けられた(森まゆみさんらしい)谷中銀座を見下ろす階段

nezu.jpg
根津神社

のち
(2007/11/30)



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2 コメント

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私は2度ほど……(^^;ゞ (かほる)
2007-12-16 00:23:31
大徳川展、盛況でしたね。私は、「柏木」と「東屋」を見ました。
茶入れも入れ替えがあったので、それも目的。文琳の素晴らしいものが本邦初公開で、お茶の先生から絶対行くように言われ、最終間近の金曜日、20時までやってるので、会社終わって駆けて行きました~。
ホント、一回で公開してくれたら助かりますよね~。
ただ、リスクヘッジの意味もあるみたいですよ。警備や展示法、何かあったら取り返しつかないし、最近、ヘンな人が多いから危害加えられたら大変ですものね。
何か面倒な世の中です。
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茶入れ、国宝級のものでしたね。 (sion)
2007-12-16 18:45:07
2度行かれましたか。
わかります。
茶入れも期間限定でしたね。
東屋のときは、もう仕舞われていました。

ライトによる退色とか、確かにね,リスクありますものねー。
でもね、都美術館とか、よそでは数と期間を短縮して全部見せるやり方してます。
平成館は広すぎる、一回では見切れないようになっていますものね。
それでも、いいものなら、人ごみも押して、
気合い入れて見に行きます、ハーイ。
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