↑西行生誕900年記念の能「西行桜」
NHK古典購読、かなりレベル高いです。
大学の国文専攻の講義か、いえ大学の講義なら、黒板には、
分かりにくい人物名ぐらい書くでしょうから、それより酷い。
例えば、歌人「ようえん」と聞いて、永縁という僧正を
どれだけの人が思いえがけるでしょうか?
いったいラジオで聴く人のことを考えているのかと、
講師の先生より、
NHKのスタッフは何を考えておるんか、
などと、憤慨もしたりしたのですが、
でも、続いています。
45分間の講座、リアルタイムでは下書きノートに粗々を書きとめ、
翌日曜日、家事以外の丸一日かけて、西行ノートに整理していく、
この作業、すごい大変です。
西行の和歌は岩波文庫の全歌集で拾えますが、
派生する本歌、典拠、関連する西行以前・以後の歌集、webで探します。
webでも拾えないものは、聞いたとおり和歌を書きとめておきます。
これまで、ほぼ全部拾ってきました。
このノルマ、意地になってこなしている感もありますが、
やはりなんといっても、
美しいうた、魅力的なうた、との出会い
それが楽しみなのですね。
そのひとつ、定家の和歌、
春の夜の夢の浮橋とだえして 峰に別るる横雲の空
この美しい歌は、西行の
有明は思ひあれや横雲の ただよはれつるしののめの空
後朝の朝、恋の歌との関連で紹介されていたのですが、
源氏の「夢の浮橋」そのものを思い浮かべ、
憂き思いが漂います。
これもまた、後朝の別れ、を意味していること、
ある記事で知りました。
古典和歌を読み直す
そして、この研究者の解説をみて、和歌の研究とは、どういったものか、
やっと理解出来たように思いました。
そうなのです、古典講読の講師が、聞き手のブーイング?にもめげず、
展開していた西行和歌の世界を理解する、ということは、
師と仰いだ能因などの歌、万葉・古今の歌のみならず、ことばの変遷、
西行が起こした革新的なこと、西行以降への影響、
それらを包括する視点を持つ、
研究者とは、そういうことを重要視している、
そんなことが理解できたように思います。
よりいっそう精進することにいたしましょう。
kiyofumi@yellow..plala,or,jp
下記はFBにup。
11月2日土曜日西行をよむを、西行円寂の地、大阪府河内長野市にある弘川寺に、今回の古典講読西行をよむの講師で西行学会会長の西澤美仁先生とご一緒に奉納した。
西行をよむは、NHKラジオの古典講読西行をよむ、の書き起こしである。昨年4月から今年3月まで52回の放送だった。
書き起こしをしよう、という動機は昨年6月1日旅の単独登山をしていた会津駒ケ岳の残雪期登山で滑落、肋骨を打撲。入院。帰宅後に、一つには療養中の無聊を慰める為と、もう一つには、この番組としては珍しくテキストが無く、その高度な内容と豊富な情報がこのまま放送と同時に空に消える文化的危機を感じたからである。
また、昨年は西行生誕900年を記念して。和歌山で西行展もあり、期間中西行学会主催の連続公演などもあって、私自身が西行に親しみ、懐かしさを感じたためでもある。
西澤先生は、放送中の疑問点、不明点などについて質問をしたところ、ご多忙にもかかわらず親切なご指導を頂いたのである。ここにご縁が出来た。この書き起こしは弘川寺奉納をする予定と申し上げると、ありがたいことには一緒に同行するとのご回答を頂いたのである。
事前に弘川寺に奉納の可否の確認で打ち合わせをした。快諾してくださった。このように御住職様の有難いお言葉を頂戴。書き起こしの難行苦行が満願した瞬間だった。
このようにして、奉納がかなったのである。
振り返ると3月の人間ドックの結果、上行結腸癌と診断されて5月末入院手術と、紆余曲折はあったが、皆様の暖かな励ましで夢が叶ったというべきである。
A4サイズで2000枚。
DVDデータ。