不知火検校の悪の華、
幸四郎という役者の集大成のように思えるほど、役と芸風がピタッと決まっていました。
生まれ落ちたそのときから、悪に染められた因縁、
そこいらの悪党たあー、スケールがちがわー、と言わんばかり。
年齢とともに(少年時代の玉太郎君、大人顔負けの演技、松江さんのご子息、いい役者になりますね)
手口も金子もエスカレートしていきます。
そしてついに将軍家ご金蔵を謀ります、が…、
呆気なくご用、
おっとと、悪党の弱点、仲間の裏切り、だったか!
これがまた検校の想定外だったというのは、
詰めが甘いというか、徹底的に悪に成り切れてない、というか、
生首のお兄さん(橋之助)との仲間意識は壊れない、わけですし、
一匹狼ではない、ところが物足りないのね、現代人には…
まあ、芝居小屋にかけられないような、筋書きはご法度だったのかもしれませんね。
しかし、幸四郎の悪党ぶりは、お縄…で終わらないところ、
最後の、群衆に向かって吐き捨てる悪態、
そのびくともしない幸四郎の検校の、なんと哲学的であることか!
てめいら、思い当たるだろうが…、
のセリフ、には参りました!
ただただ面白くもない日常をちまちまと生きているだけの
面白可笑しく大きいことをやってみることもできねえ、目明きのおまえら、…
といった人生哲学なのですが、
ちょうど、歌舞伎座の陰陽師、のなかで、
人はなぜ生きているのか、という問いに、
鳥が森で鳴くように、空に雲がかかるように、
人はただそこに存在していればいいんだ、
という、自然観、に共鳴したばかりの私としては、思わず苦笑、です。
もう一つの演目、馬盗人は、れっきとした長唄の舞踊なのですね。
踊りの主役は、馬です。
坂東流なのです、確かに足遣い、顔の表情、踊りになってました。
巳之助さん、若さあふれてきびきびとした振り、よかった。
翫雀さんとは微妙に振りが違います。
やっぱり三津五郎さんで見たかった!
田舎の熊五郎でも、踊りに品がでる、だろうなー
とつい思ってしまいました。
2013.09.25観劇
幸四郎という役者の集大成のように思えるほど、役と芸風がピタッと決まっていました。
生まれ落ちたそのときから、悪に染められた因縁、
そこいらの悪党たあー、スケールがちがわー、と言わんばかり。
年齢とともに(少年時代の玉太郎君、大人顔負けの演技、松江さんのご子息、いい役者になりますね)
手口も金子もエスカレートしていきます。
そしてついに将軍家ご金蔵を謀ります、が…、
呆気なくご用、
おっとと、悪党の弱点、仲間の裏切り、だったか!
これがまた検校の想定外だったというのは、
詰めが甘いというか、徹底的に悪に成り切れてない、というか、
生首のお兄さん(橋之助)との仲間意識は壊れない、わけですし、
一匹狼ではない、ところが物足りないのね、現代人には…
まあ、芝居小屋にかけられないような、筋書きはご法度だったのかもしれませんね。
しかし、幸四郎の悪党ぶりは、お縄…で終わらないところ、
最後の、群衆に向かって吐き捨てる悪態、
そのびくともしない幸四郎の検校の、なんと哲学的であることか!
てめいら、思い当たるだろうが…、
のセリフ、には参りました!
ただただ面白くもない日常をちまちまと生きているだけの
面白可笑しく大きいことをやってみることもできねえ、目明きのおまえら、…
といった人生哲学なのですが、
ちょうど、歌舞伎座の陰陽師、のなかで、
人はなぜ生きているのか、という問いに、
鳥が森で鳴くように、空に雲がかかるように、
人はただそこに存在していればいいんだ、
という、自然観、に共鳴したばかりの私としては、思わず苦笑、です。
もう一つの演目、馬盗人は、れっきとした長唄の舞踊なのですね。
踊りの主役は、馬です。
坂東流なのです、確かに足遣い、顔の表情、踊りになってました。
巳之助さん、若さあふれてきびきびとした振り、よかった。
翫雀さんとは微妙に振りが違います。
やっぱり三津五郎さんで見たかった!
田舎の熊五郎でも、踊りに品がでる、だろうなー
とつい思ってしまいました。
2013.09.25観劇
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