紫苑の部屋      

観劇・絵画と音楽・源氏物語      
について語ります        

夏祭浪花鑑ーコクーン歌舞伎で勘三郎は駆け抜ける!

2008-06-17 00:12:05 | 観劇
bunkamura シアターコクーンに入るとすぐ、
鳴り物の皆さんがエントランスで待機してます、
席に着くと、その並びに、女形の粋な姐さんが座っている、
あれっ、なにかしら?
開演5分前のようす、
なるほど、浪花の夏祭りが会場から始まっているのね。

この劇場に来ると、いつもワクワクするのは、
こんな演出があるから、
ここでしかできない、なにかが起こるぞー、という期待です。
期待どおり、
平成中村座のパフォーマンスが遺憾なく発揮する舞台でした。

あのニューヨーク公演でその面白さが世界に共感されたのも、夏祭浪花鑑
今年、さらにどう進化させることができるのか、
これが注目です!!
期待しますよね、あのエンディング、
ドイツでの公演が先だったので、知られているのかしら?
会場の皆さん、隣りの娘にも、ウケてましたよー!!
いったいどういうふうにセッティングされているのか、
シアターコクーンの裏口をみてみたい、
と思いますよね。
それとも、仕掛けじゃなくて、ホントに駐車場(娘はそう主張)?!!

もうひとつのビッグ仕掛け、
義平次の最期、これまでは確か井戸に落ちていったのではなかったかしら?
今回、舞台中央の泥池に頭まで沈められたまま、浮いてこない、
ダイビングしたとしてもどこへもぐっていけるのかしら?
そうだ!
大きな筒のようなものの蓋が開いて、反対側の蓋から水と一緒に脱出!
イヤ、水量は一定にしなきゃいけないから…、どうするんだろう?!
やっぱりマジックね…。

こういう仕掛けばかりではありません。
内容的にもちょっと説得力をもたせようとしています。
団七や徳兵衛と女房お辰、三婦たちが身を呈して守ろうとしている
磯之丞は人を殺めている、
その親に深い恩義がある、と各人が言います、
どんな恩があるか、
団七の場合は…、今回ちゃんと説明していますね。
序幕を入れて、団七が囚われの身となる事情を明らかにし、
本来処刑されるかもしれないところを、一年後に出所できたのは、
この磯之丞の親のおかげだということが、わかります。

でもって他の人びともそれに似た恩があることが推測できます。
でもね、それでも、お辰さんの心意気、女の意地、
このことの説得力、とても希薄なんですよね。
江戸の女の心意気、そうだろうか?!
女にしておくのは惜しい、と三婦がいうように、
これは男の意地、でしょう、どう見ても…。
女はこんなバカなことしない!!

それにしてもお梶さん、複雑な気持ちよね、
悪い人でも親は親、
でも、夫を救ってやりたいのよね、
このお梶さんのようなひとが女の心意気ってもんを知っていた!

それはともかく、
逃げる団七、齢50、がんばってますねー、
駆ける駆ける…、
勘太郎と剣舞を披露し、橋之助と掛け合いをしながら飛び跳ねる、
中村座の殺陣師たちとわたりあう、
忙し忙し…、毎日これやっているのねー!!

カーテンコールはお馴染み、
橋之助さんはいつになく楽しそうで、懐かしげに手を振って笑顔、
勘太郎のお辰はなかなか素敵でしたよー、
彌十郎の三婦の格好いいこと、見直しちゃったよー!!
芝のぶさんの若衆姿もいいわねー、
殺陣師さんたちのカーテンコールでの手踊り、こういうのも楽しいわねー
そしてプラスα…、
コクーンは客層が違う、
これがなかなか楽しくしてくれるのです。
圧倒的に若い人に支持されているのねー、
それに、外人さんの親子、着物姿の若い父と幼い息子…、
ちなみに私ども母娘も着物でした…。

 2008/6/14 シアターコクーンにて


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私も行きます! (かほる)
2008-06-17 01:10:38
私も月末近くに行く予定です。このお芝居自体、初めてかも。
だから、ちょっとsion様んちで予習♪

團パパの『團十郎の歌舞伎案内』を読んだら、やはり成田屋さんはケレンはあまりお好みでないよう。宙乗りしなくても、花道を飛んでいるように演技力で見せるといった記述があり、ふーむと唸りました。
やはり、個性ですね。皆さん、それぞれに考えて工夫して歌舞伎を面白くしようとしているのねと感じました。
返信する
後半は七之助お辰、楽しみね (sion)
2008-06-17 14:35:56
七之助お辰、磯之丞勘太郎、も観たくなりますね。
中村屋の人気は、若い人を歌舞伎座に呼びますからねー。
オーソドックな夏祭浪花鑑、
一昨年だったかしら演舞場の吉右衛門でご覧になりませんでした?
やっぱりコクーンの勘三郎は面白い!
笹野高史の義平次、インパクトあるんですね。
これは認めざるをえませんねー。

ただ吉右衛門の団七、床屋でこざっぱりとして出てきたときの、「いいー男ぶり」、
まあ私は、それだけで吉右衛門に軍配あげたくなるのですが…。
もちろん成田屋でもそうです、まして海老さまなら…。
團パパは信念を貫いてほしい…。
そして、勘三郎も歌舞伎をますます面白くしてほしい!
返信する

コメントを投稿