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新春歌舞伎ー演舞場に華ひらいた海老蔵(つづき)

2010-01-10 00:10:24 | 観劇
演舞場初日夜の部、
猿之助十八番、伊達の十役にいどむ海老蔵です。
昨年は結納で締めくくり年明けて芸に集中する、その心意気、買います!
口上から大喜利までホントに長丁場ですが、
気合いはいってました!
獅童と澤瀉屋一門が強力な脇を締めてくれていましたね。
とくに獅童はいい友達だそうで、
このごろ、なにか吹っ切れたように思えるんですね、
名跡のこととか、獅童で通す、って言ってますしね。
そうしたことって、芸にやはりあらわれますよね。
笑也姫はホントに美しいですね。

伽羅先代萩に舞踊の累ヶ淵をドッキングさせたような
南北版伊達騒動、市川團十郎初演なのですね。
その後一旦廃絶したものを猿之助が復興させた、ということですが、
新たなスペクタルに蘇らせた猿之助の功績はとても大きいでしょうね。
累を高尾太夫の姉妹として、与右衛門を全編通した陰の主役にする趣向、
人気を博したのも頷けるというものです。
(ただし累ヶ淵与右衛門のあくの強さが薄らいで悪の魅力、ないのね)
前半の段は十役中7役を一気に登場させ、早変わりの見せ場となります。
物語の芯となるのは与右衛門の忠義なんですね。
仁木弾正の正体の目撃者となったのを皮切りに、
当主頼兼の放埒を糾すために高尾太夫を殺し,そのため高尾に乗り移られた
累にも手をかける、
この全部の登場人物をひとりでやるのです。
そうそう土手の道哲もいました。
海老蔵がもっとも試されたのは、もちろん後半の段、
先代萩の政岡です。
まま炊きの場面、これは子役に助けられるところがあるのですね、
千松が小さくて可憐でかわゆい、それだけで涙を誘う、
海老蔵の政岡、型を忠実に丁寧になぞっていた、
それだから政岡として違和感なくみれた、のだと思います。
それはすごい成長です。
まずは合格点でよかったですね。
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