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新春歌舞伎・菊五郎劇団の巻

2008-01-12 21:52:58 | 観劇
新春歌舞伎の第二弾は、国立劇場です。
「小町村芝居正月」
昨年にも増して、この復活狂言、面白い!!
2百数年前の顔見世につくられた狂言を、
いまに蘇らせた!
菊五郎劇団&国立劇場スタッフに、
本当に敬意を払いたいと思います。
この狂言の人気役は、浮世絵↑を見ると、
悪役の紀名虎と善人?の小女郎狐、のようですね。

復活といっても、
今のわたしたちが、歌舞伎の醍醐味楽しめるように、
時代物、世話物、歌舞伎舞踊、荒事、だんまりまで、
歌舞伎のすべてを盛り込んでいるのが、うれしい!
平安期の時代物から、突然江戸の世話物になるとか、
大詰めは「暫」で大円陣にするとかね、
お正月らしい、構成演出、よくつくられています。

六歌仙の小野小町(時蔵)が実は小野村の出で、
恋人の深草少将(菊五郎)と道行としゃれて逃れたものの、
いつの間にか江戸下町で山くじら、もみじを扱うけだもの屋を
営む夫婦に…。こういう趣向も今回の改作。
菊五郎、松緑、亀蔵が悪人、善人、入れ替わり立ち代わりで大活躍します。
菊之助の小女郎狐は、源九郎狐の女形バージョン、
おおー、高ーくあがりま~す!
(これ、みんなでセーノでせり上げるそうですよ!)
いつもながらのイナセなお兄さんたちの立ち回りも、冴えてます!
とりわけ、彼らの揃いの衣装がいいねー。
スター、人気者を揃えているとはいえ、
劇団でなくてはなしえない、息の合ったところを随所にみせてくれます。

劇団ご常連の松緑は、祖父・父ゆかりの「暫」を初役でつとめ、
常磐津&長唄「花色香いたずら娘」では得意の踊りを見せましたねー。
彼の手の所作がいつも美しいなーと思うのですが、
わかりました!
彼の手は、第二関節から第一関節、指先まできゅっと弓なりになるのです。
ですから、手の動きの描く軌跡は、人の1.5倍くらい長くなる、
天性のものなのね、ご本人、わかっているのかなー、
自信をもって活躍してほしいなー。

奇しくも新橋演舞場でのスター海老蔵五役の奮闘と、
ある意味対比的な国立の劇団によるチームワーク大歌舞伎、
軍配は?世評は国立ね。
わたくしめも、やっぱり菊五郎劇団かな?
来年は、初日行きたいね。
まだやっていた、まき手ぬぐい、
せっかく目の前に来たのに、
隣りのおじさん、立ち上がって浚っていった!

 2008/1/8 観劇


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