紫苑の部屋      

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「延寿會」-仁左衛門&清元梅吉の「保名」

2018-02-27 12:46:23 | 観劇
清元の襲名披露、
「延寿會」二部に行きました。
これだけ盛大なお披露目が出来るのは、
家元のお人柄でしょうね。二部には延寿太夫、全演目に出ておられました。
口上の延寿太夫、感極まっての涙が印象的でした。
ご長男の控え目な人柄、歌舞伎との二足の草鞋を決意して頼もしい限りの次男、
お幸せですねー
そして、なによりわたしたちにも幸せをお裾分けしてくれました。

清元の名曲、保名
仁左衛門の麗しい所作
清元梅吉の一音一音たしかな情趣を醸す三味線の音色、
奇跡の競演、でした、きっと忘れられない「保名」になるでしょう。
それこそ、延寿太夫の勇気ある決断が成した偉業です。

暗闇のなか幕開きの名浄瑠璃 
 恋よ恋、わが中空になすな恋
囃し方の、物狂いによる狂乱をあらわすカケリ(翔り)にて保名の花道の出
 かたしく袖の片思い
そして本舞台へ、清元と一体となっての一幅の絵巻模様の保名、でした。

保名は、『芦屋道満大内鑑』二段目「小袖物狂」を元にした舞踊、
保名の抱く小袖は、自害した榊の前の形見
物語としては、ショックで自分を失った保名、
榊の前に瓜二つの妹葛葉に出会って正気を取り戻すわけですが、
物語から切り取って、清元舞踊に仕立てたその江戸文化の高さを思います。
余談ですが、保名の衣裳にも注目、

上着には露芝模様、袴の模様は葛葉、
歌舞伎では、露草模様を着ていると絶世の美男子という約束事がある、と、
清元協会のHPに書かれていましたが、
着物に露芝模様はよくありますが、ツユクサはあまり見かけない、
露芝は総称としての露草の一種ということですかしら。

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六代目清元延寿太夫三十三回忌追善
七代目清元襲名三十周年記念
「延寿會」2018年2月26日(月)
襲名披露
尾上右近事七代目清元栄寿太夫
清元昂洋改め初代 清元斎寿
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吉原雀―立方・中村勘九郎 中村七之助 清元・延寿太夫 美寿太夫
口上―尾上菊五郎 延寿太夫 栄寿太夫 清元斎寿 
お祭り―立方・尾上菊之助 清元・延寿太夫 清寿太夫
保名―立方・片岡仁左衛門 清元・梅吉 延寿太夫 栄寿太夫 清元斎寿
喜撰―延寿太夫ほか清元勢揃い

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