紫苑の部屋      

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十六夜清心

2016-05-25 06:58:15 | 観劇
黙阿弥の「十六夜清心」は、

花街模様薊色縫(さともようあざみのいろもよう)の通称、
現在はその一場面、稲瀬川百本杭の場
のみが上演されます。
この盗賊の世話物は、三人吉三、と同様、
通しとしては、おどろおどろしい人間模様が結末に待っていて、
あまり美的ではない、
ということもあるのでしょう。

百本杭の場は、
何と言っても、
浄瑠璃「梅柳中宵月」
が美しい情景を作ります。
清元に乗った、十六夜清心の心中までの所作事が視覚的にも色を添えます。
そう、名曲を聞かせるときは、役者の所作事は添え物かに見えます。

清心、菊之助
とくに、やはり十六夜、時蔵、よくわかっているのですね。

黙阿弥の頽廃的な美学は、名台詞だけでなく、浄瑠璃にも出ているのです。

名曲と言われる浄瑠璃には、清元、が多いように思うのは、名人がいたせいでしょうか?
志寿大夫ののどで聞ければ、どれも芯にとどく、名曲になります。
落人など、その出だしだけで、キュンとなります。
十六夜も、昔のテープにわずかに残っているけど、生でしか聴けないのですね。

TVでもいいから、志寿大夫ので聴きたいものです。

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