紫苑の部屋      

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吉右衛門一座の歌舞伎ー新橋演舞場昼夜の部

2009-05-09 20:54:28 | 観劇
歌舞伎のタテ師には、菊五郎劇団と吉右衛門一門、の2系列あるのは、よく知られているとおり、
どちらかというと、菊五郎劇団のほうが見栄えするのね。
今月の演舞場は、座頭の吉右衛門と同じく彼らの活躍も楽しませてくれる要素、
タテ師たちは、とても誇りをもって仕事をしている、当たり前のこと!だけど、
ディスクジョッキーのマッティーこと松也くんが言っていたので、説得力あります。
だけど、残念ながら、今月いっそう地味でした。
かれらはたぶん、タテのお仕事より、端役や後見、裏方で大忙しだったのではないでしょうか? 
タテ師をやりながら後見の早業も観客に見せてくれてましたねー。
ですので、お染めの七役、早変わりきれいに決まっていましたね。とくに
駕篭→スッポン→舞台中央→スッポン→駕篭、見事でした。
駕篭の下の隙間の動き、全然見えないですからね、まさに駕篭抜けね!!
福助の運動神経にも依存しているのでしょうね。

さてこの七役、10年以上前かしら、玉三郎のも見ましたが、
土手のお六が魅力なのね。
このお六は屋敷奉公していたこともあるので、
べらんべえ調であってもどこか品がよくなくちゃーいけないのね。
福助はそのへん、くだけ過ぎた感がありますねー。
それに今回、奥女中竹川とのつながりがあまり明快に語られていませんでしたね。
福助さん、このごろやたら声を張り上げるのはどうしてかなー?理解出来ない!
福助姐さんのよさ、どこへいってしまったの?

むしろ少し気が触れたお光がよかったかも。
久松もきれいでした。10年前の玉三郎は、この久松が全然似合いませんでした。
今月の福助さんは、昼の部の心猿/近江のお兼がすてきでした!
馬の引き抜きがあって(白馬→ラクダ色の馬へ)面白かった!

さて、本命の吉右衛門です。
なんといっても、金閣寺の大膳、
この風格、腹の大きさ、雪姫が惚れてもいいのではないかと思っちゃいました。
人形ぶりの雪姫のつま先で描く鼠、めずらしいものが見れたのはいいのですが、
桜の花びらでやっぱり鼠が描けないと、どうもね、
凹の部分が鼠のかたちなるんかなーと思わず身体を横にしてみましたですわー、ハイ。

昼のらくだは吉右衛門は初役、なんですね。
まだ日かずが浅いせいでしょうか、セリフが詰まっちゃって、
見ているほうがあせっちゃうわー。
なんといっても、昨8月の三津五郎&勘三郎&亀蔵トリオが最高でしたからね!

夜の鬼平、
池波文学の世界の歌舞伎化、を期待してしまいますが、
テレビ時代劇の歌舞伎化、というところでしょうか。
陰惨な殺人現場から始まる舞台は面白いのですが、
盗人の信義3か条、跡目争いって、なんか浮いてしまいません?!
むしろ染五郎の文吉の悪態のほうが、聞かせます!
改心しないままで、兄又太郎(錦之助)に刺殺されるほうがいい!

テレビではどうなんでしょうか、平蔵の過去。
登場人物の過去を、セリフで全部説明するのって、
話が多岐にわたって、散漫になりますね。
密偵おまさの魅力がこの物語を引っ張るのですが、
芝雀ではアクの強い役どころにはなりようもないのでは?

2009/05/08観劇 新橋演舞場


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2 コメント

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7月も楽しみですね (sion)
2009-05-15 19:31:02
かほるさんのレポ、
行ってから見ようと思って、とっておいてありますの?
「神田ばやし」の海老さまねー、24日に観てきます。
5月は国立も昼夜で、3カ所一日中、劇場に入り浸り、嬉しいやら、帰宅するとぐったりやら…。
6月の演舞場、チケット取りうっかりしてしまい、気がついたら完売でした。
7月もね、コクーンに、待ちに待った玉海老ですし、これは嬉しい悲鳴ね。
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演舞場レポ、ありがとう! (かほる)
2009-05-13 00:07:51
こんにちは。
今月は出張が3回も入って体力が限界にきているため(海老様のために歌舞伎座昼夜1等席なので、個人的には経済的にも限界か)、新橋は諦めました。
楽しく詳しいレポをありがとうございます。

アクの強い役どころになりようがない芝雀、何か分かります。演技力以前にやはり、役者の持ち味というものがありますものね。
そういう意味では、今月の海老様の「神田ばやし」、sion様はどうご覧になるか、これも楽しみです。観劇されたら、ぜひご感想を!
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