深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

Stillness speaks.

2009-07-06 18:50:12 | 一治療家の視点
最近は何かに憑かれたように本を買い込んだり借りたりして、やたら本ばかり読んでいる。実は、前にこのブログで紹介したオットー・シャーマーの『Theory U』もそのうちの1冊。私の場合、読む本は直感とキネシオロジーの筋反射テスト(筋肉反応テスト)で選んでいるが、それだけ本を読んでいながら、その中に治療関係の本が全く入ってないというのには笑ってしまう。ただ違う意味で治療に関わる本との出合いがあった。例えば、エックハルト・トール(Eckhart Tolle)の本がそれだ。

実はエックハルト・トールの『ニュー・アース -意識が変わる・世界が変わる-』(サンマーク出版刊)という本のことが以前から気になっていて、何度か買おうと思ったのだが、筋反射テストでは「非常にいい本で読む価値もある」という評価ながら、しかし「買ってはならない」という結果が出てくるため、本屋で「なんちゃってフォトリーディング」するにとどめていた。その後「図書館で借りられないか」と思いついて近くの市立図書館で検索してみたが、所蔵されていない。ただ、検索結果に同じトールの『世界でいちばん古くてスピリチュアルの教え』(徳間書店刊)という本が見つかったので借りてきた。あくまで『ニュー・アース』の代わりとして。

しかし、これが凄い本だった。

この本について、日本語版にあとがきとして収録されているニール・ドナルド・ウォルシュの文章から一部を引用してみよう。

人生は矛盾に満ちています。わたし自身はそれを、「神性の2分法」と呼ぶのが気に入っている。「神性の2分法」とは、なにか? それは、明らかに相反する二つの真実が、同次元に同時に存在することを意味します。(中略)
どんな種類のものでも、瞑想などの活動をしたことがある人は、みな、この2分法に気づいているに違いありません。沈黙の中から、「もっとも大きな声」「もっとも偉大なメッセージ」が、そして、「最も偉大な叡智」がやってくるということを。(中略)
そして、この2分法を、完璧に、素晴らしく表現し、また実践するための、「本ではない本」が、ついに誕生しました。(中略)
本書の目的は、読者に特定の観念を説得することでも、それを主張することでもありません。その目的はあくまでも、叡智の洞察の場所へとあなたをいざない、それが導く先にあるもの、あなた自身で見ることができるよう促すことなのです。


もちろん、どんな本にも何らかのこうした賛辞は書かれているし、頼まれればどんな本にも最大級の賛辞を贈る人もいる。だから、このウォルシュの文章にどれほどの意味があるのかはわからない。しかし、少なくとも私にとってこの賛辞は紛れもない真実である。トールの書いたこれは凄い本だ。

それはなぜか?
──以前、私はチャールズ・リドリーの『スティルネス(Stillness)』という本を翻訳出版した。この『スティルネス』については、自分で訳しておいて言うのも何だが、よくわらない謎めいた本だ。これも以前このブログに書いたことだが、私は多分『スティルネス』を日本で誰よりも読み込んだ人間だと思っているが、それでも掴みきれないでいる。それが『世界でいちばん古くてスピリチュアルの教え』を読んで、その『スティルネス』──もっと言えば、フランクリン・シルズらのクラニオセイクラル・バイオダイナミクスとは違う、リドリーの言うバイオダイナミック名クラニオというもの──を解く鍵がこの本にある、と直感したからだ。

ちなみに、この本の原題は『Stillness speaks』という。これもまた私には不思議な符合に思えた。

さっそく、筋反射テストすると、『世界でいちばん古くてスピリチュアルの教え』は買う必要がないが『Stillness speaks』は買え、と出た。で、日本語版ではなく原書の方を買ったのだが──
『Stillness speaks』にはハードカバーとペーパーバックの2種類があって、私が買ったのはペーパーバックの方。しかしこのペーパーバック版、はっきり言ってかなりみすぼらしい。紙はザラ紙が使われているし、一見すると雑誌についている別冊付録のよう。ちまたの無料小冊子の方がもっと見栄えがするように作られているぞ。いくら何でも、こりゃひどすぎるだろう、というシロモノだ。ただ、内容は文句なし。

『Stillness speaks』の前書きでトールはこのように述べている。

This is not a book to be read from cover to cover and the put away. Live with it, pick it up frequently, and , more importantly, put it down frequently, or spend more time holding it than reading.

トールが言うように、この本と一緒に生き、しばしば取り出し(put up)、あるいは下に置き(put down)、読む以上に持っていることに多くの時間を費やすならば、自分の中の深い部分で何かが確実に変わる──この本は、そういう本だ。

この本を買ってみようかと思った人に一言。
私は前述のような理由で原書の方を買ったが、あさりみちこさんによる日本語版も捨てがたい魅力があり、どちらを買ってもいいと思う。
なお、日本語版と照らし合わせてみると、原書にあって日本語版にない箇所やその逆など、かなり食い違っている部分がある。それが例えば原書のハードカバー版とペーパーバック版の違いなのか、あるいは翻訳の過程で意図的になされたことなのかどうかは、現時点ではわからない。

最後にセミナーのお知らせ。
7/20(月・海の日)にキネシオロジーとクラニオセイクラル・ワークの1Dayセミナーを行います。クラニオではリドリーのバイオダイナミクスを扱い、その中で『Stillness speaks』についても取り上げる予定です。詳しくは蒼穹堂治療室のHPをご覧下さい。

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2 コメント

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買いました (ひろひろひろ)
2009-07-09 21:06:27
いつも興味深い本のご紹介をありがとうございます。
20日のセミナーに出席予定なので、これは課題図書と思い、早速日本語版の方を買いました。
私の場合は筋反射テストでどっちでもよしとなったので。
同じ本でも人によって結果は違うんですね。
(ちなみにリコネクションは、私は買うべきでないと出たので買ってないです。)
読むのはこれからですが、何が書かれているのか楽しみです!



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買いましたか。 (sokyudo)
2009-07-09 22:36:45
>ひろひろひろさん

『世界でいちばん古くてスピリチュアルの教え』を買ったんですね。

>私の場合は筋反射テストでどっちでもよしとなったので。
>同じ本でも人によって結果は違うんですね。

多分、食べ物などと同じで、「絶対にこれでなければいけない」ということはないのでしょう。
ちなみに神田昌典さんの新作『全脳思考』も、筋反射では『ニュー・アース』と同様、「非常にいい本で読む価値もあるけれども、買ってはならない」と出るので、買っていません。しかし、立ち読みした『全脳思考』から新しい治療のアイディアを思いつき、実践しています。そういうものなんですね。
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