はりきゅう.comという鍼灸師のサイトの掲示板を見ていたら、しばらく東京に行くことになった、50肩らしい症状を持った患者に、東京の治療院を紹介してほしい、と言われたという先生からのカキコがあった。その先生が最初に紹介したところは、いっぱいで予約が取れないというので、HPを見ていたら「50肩は数回で治る」「ぎっくり腰はほとんど1回で治る」とうたっているところがあり、そこに行ってみれば、と勧めたそうだ。ところが…
その患者さんからメールが来て、そこで治療を受けてから2時間後に、ある症状が現れ、治療院に問い合わせたが、「鍼でそんなことがおこるとは考えられない」と突き返されたらしい。そこで、その患者に直接電話して事情を聞いてみると、治療した先生は、やたら「いかに自分の治療がすごいか」「マッサージなんて効かない」などと演説はするが、治療後も症状は全く改善しなかった、と。それだけでなく、ぎっくり腰は1回で治ると豪語していたのにも関わらず、一緒に治療を受けた、ぎっくり腰の友人も改善はなく、聞いてみたら「初めてのぎっくり腰は1回で治るけど、何回も繰り返しているぎっくり腰は1回では難しい」と、言い訳ばかりだったとのこと。
これをカキコした先生は、「HPにダマされて、知らない治療院を紹介した、自分がバカだった」と書いているが、実際、HPやメルマガを見ていると、世の中、こんなに治療の達人ばかりだったのか、と驚いてしまう。「私は腰痛と40肩(50肩)の治療が得意です」とうたっているのは、まだ良心的な方で、「私のこの治療法を使えば、この世から腰痛の人はいなくなる」と豪語している先生も実際にいる。その割に、世の中から腰痛の人が大幅に減ったという話を聞かないのは何故だろう。
…と、そんな話を、勉強会の時の昼休みに、その会を主催されている先生としたら、その先生曰く、
その人は、自分が治せたものを、「腰痛」と呼んでるんだろう。
つまり、自分が治せなかったものは、例え患者が腰の痛みを訴えていても、それは「腰痛」ではないのだろう、と。なるほど。それなら、その先生の「腰痛」の治癒率は100%だ。
治療院だけでなく治療家を養成する専門学校の経営でも成功している、あるカイロプラクターは、自著の中で、「私はこれまで、自分が診た患者は全て治してきた」と書いている。「もちろん、命に関わるような急性疾患や重篤な疾患など、カイロ治療の範囲ではない人を除いて」と、丁寧に但し書きまで付けて。が、かつて私が聞いた、別のカイロプラクターのその先生に対する評価はこうだった。「あいつは本当に頭がいい。ただ残念なことに、腕が悪い。そこが『天は二物を与えず』ということなんだなー」。
実際のところ私は、その本を書いた先生の治療も、それを評した先生の治療も全く知らないので、どちらの言葉が正しいのかわからない。しかし、「自称」達人の言うことは、話半分、いや、それ以下に聞いておいた方がいいのかもしれない。そうしないと、多分、道を誤る。
全日本鍼灸学会理事のある先生は、鍼灸師だった自分の父親に弟子入りした時、その父が「俺は本当に腕がいい。このカルテを見てみろ。この人も、この人も、こんな難しい症状の人が一度しか来ていない。つまり、1回で治してるんだ」と(しかも、本人は大真面目で)言うのを聞いて、「オヤジィ、違うだろ~」と思ったそうだ。そういう治療家がいるということを、私も話には聞いていたが、それは本当のことだったのだ。
その患者さんからメールが来て、そこで治療を受けてから2時間後に、ある症状が現れ、治療院に問い合わせたが、「鍼でそんなことがおこるとは考えられない」と突き返されたらしい。そこで、その患者に直接電話して事情を聞いてみると、治療した先生は、やたら「いかに自分の治療がすごいか」「マッサージなんて効かない」などと演説はするが、治療後も症状は全く改善しなかった、と。それだけでなく、ぎっくり腰は1回で治ると豪語していたのにも関わらず、一緒に治療を受けた、ぎっくり腰の友人も改善はなく、聞いてみたら「初めてのぎっくり腰は1回で治るけど、何回も繰り返しているぎっくり腰は1回では難しい」と、言い訳ばかりだったとのこと。
これをカキコした先生は、「HPにダマされて、知らない治療院を紹介した、自分がバカだった」と書いているが、実際、HPやメルマガを見ていると、世の中、こんなに治療の達人ばかりだったのか、と驚いてしまう。「私は腰痛と40肩(50肩)の治療が得意です」とうたっているのは、まだ良心的な方で、「私のこの治療法を使えば、この世から腰痛の人はいなくなる」と豪語している先生も実際にいる。その割に、世の中から腰痛の人が大幅に減ったという話を聞かないのは何故だろう。
…と、そんな話を、勉強会の時の昼休みに、その会を主催されている先生としたら、その先生曰く、
その人は、自分が治せたものを、「腰痛」と呼んでるんだろう。
つまり、自分が治せなかったものは、例え患者が腰の痛みを訴えていても、それは「腰痛」ではないのだろう、と。なるほど。それなら、その先生の「腰痛」の治癒率は100%だ。
治療院だけでなく治療家を養成する専門学校の経営でも成功している、あるカイロプラクターは、自著の中で、「私はこれまで、自分が診た患者は全て治してきた」と書いている。「もちろん、命に関わるような急性疾患や重篤な疾患など、カイロ治療の範囲ではない人を除いて」と、丁寧に但し書きまで付けて。が、かつて私が聞いた、別のカイロプラクターのその先生に対する評価はこうだった。「あいつは本当に頭がいい。ただ残念なことに、腕が悪い。そこが『天は二物を与えず』ということなんだなー」。
実際のところ私は、その本を書いた先生の治療も、それを評した先生の治療も全く知らないので、どちらの言葉が正しいのかわからない。しかし、「自称」達人の言うことは、話半分、いや、それ以下に聞いておいた方がいいのかもしれない。そうしないと、多分、道を誤る。
全日本鍼灸学会理事のある先生は、鍼灸師だった自分の父親に弟子入りした時、その父が「俺は本当に腕がいい。このカルテを見てみろ。この人も、この人も、こんな難しい症状の人が一度しか来ていない。つまり、1回で治してるんだ」と(しかも、本人は大真面目で)言うのを聞いて、「オヤジィ、違うだろ~」と思ったそうだ。そういう治療家がいるということを、私も話には聞いていたが、それは本当のことだったのだ。
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