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ヤマザキパンが食べたい

2015-10-07 05:16:55 | グルメ

普段、購入時に菓子パンのメーカーを気にしている人はあまりいないだろう。
気にしたところで、選択できるチャンスは乏しい。
大手スーパーでも、納入元は1社しかないケースがほとんどだから。
ところが、こういう事件がおきると一挙に「ブランド」がクローズアップされる。
いわゆる「大雪のパン祭り」である。
週末の豪雪で中央高速は大渋滞。
ついに完全停止。
ここで1台のパン配送トラックが積み荷を周囲の乗客に配布した。
賢明な判断だ。
もともとパンは賞味期限が短い。
この渋滞ではいつ先方に届けられるかわからない。
せっかく配達しても期限切れで返品されるかもしれない。
しかも周囲には食料を求めるたくさんの人がいる。
だったら、自分が積んでいる食料を役立てようというドライバーの判断は正しく、
また相談を受けた会社側も了承するのは当然だろう。
時ならぬ「食料の配給」を受けた周囲の人々が感激して、
『もうヤマザキパン以外食べません』とか
『ドライバーさんが神に見えた』
などと書き込んだのも故なしとしない。
だが、なぜこうなったのか、否、なることができたのかを検証することにも意義があろう。
この件の背景は以下の通り。
①パンを積んでいたのは自社便のトラックだった。
②積んでいたのは最大手のヤマザキパンだった。
解説を要する。
①同社は永年、パンの自社配送にこだわっている。
普通に考えたら効率が悪い。
他社はほとんど運送業者まかせだ。
業者なら間違っても委託先の商品を第三者に提供しようとは思わないだろう。
純経済的には非合理な選択も、非常時にはタイムリーに適切な判断ができるのは
自社便の大きな強みである。
同社が「社会的貢献」を掲げているゆえんだ。
②しかしそもそも自社便が成立しうるのは、同社が製パン業界最大手で圧倒的な
シェアを有しているからに他ならない。
体力があるから「社会的貢献」が可能なのか、
それとも「社会的貢献」精神が全社に染みついているから最大手になったのか、
私は後者のウェートが高いと考える。

会社の評価というのは非常時にこそわかる。
普段から事故率が圧倒的に低いのはもちろんだが、何かあった時に社員が適切な
判断ができるのは「社風」がベースになっているからだ。
株価が上がったのは当然。
どんなコマーシャルよりも「行動」が効果的であるという実例を今回我々は示されたのだ。
(2014.2.18記)



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