ふだんとは違った調子なので戸惑われた方もいるのでは。
私も世間並には生きて生活してきたので、団塊の世代なりの経験は積んできたつもりだ。
今日は20代の病院職員時代の思い出をひとつ。
産科がウリの病院だったので、出産の申し込みの受付は私の主要業務の一つだった。
新規の来院者にはカルテの表紙(住所、氏名、年齢、性別、電話番号等の個人情報)
を記入してもらうのだが、これに加え産科の申込票には予診表として過去の妊娠歴を
書き込む欄がある。
①○年〇月妊娠→結果 ア、出産(正常分娩・異常分娩) イ、〇か月で流産(自然流産・人工流産)
②以下同じ
③以下同じ
窓口としては、きわめて事務的に淡々と処理するありふれた日常でしかない。
ほとんどの女性にとっても当然書き込むべき事柄で、わざわざウソを書いたら自分の
体を危険にさらすだけで、何の意味もないというところまではご理解いただけるだろう。
しかし一部の女性にとってはたいへんな問題を惹起することになる。
「あの、本当にすべてを正直に書かなければいけないのでしょうか」
と医師に質問する人があとを絶たないのだ。
「当たり前でしょう。初産の方と経産婦では分娩室の処置が全く違いますから」
「でももしこれを夫に見られたら」
「それは心配ありません。
当院ではカルテそのものを患者さんやご家族にお見せすることはありませんので」
「それならいいですが、絶対にこれを夫には見せないと約束していただけますか。
夫には処女だとウソをついてようやくお見合いを成功させ結婚にこぎつけたのに、
5回も中絶したなんてことが知れたら私リコンされてしまいます」
という人もいますので、カルテを患者さんやご家族に渡して運んで
もらうことは絶対しないように。
とのご注意を我々は婦長から受けたのだった。
これだもの、私が女性不信に陥ったのは当然でしょう。
こういう職業病もあるのだよ。(2013.10.13記)
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